NVIDIA「GPU Technology Conference 2019」

【GTC 2019】トヨタとNVIDIAの自動運転車開発協業について、TRI-AD CEO ジェームス・カフナー氏がコメント

「交通事故死傷者ゼロという究極の目標達成のため」

2019年3月18日(現地時間) 発表

トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社 CEO ジェームス・カフナー氏

 NVIDIAは3月18日(現地時間)、同社の技術カンファレンス「GPU Technology Conference 2019」(GTC 2019)におけるジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOの基調講演で、トヨタ自動車のAI開発・自動運転車開発企業であるTRI-AD(Toyota Research Institute-AD)およびTRI(Toyota Research Institute)と、自動運転車開発に関する分野での協業を発表した。

 この協業は、自動運転車の開発からテストツールの「NVIDIA DRIVE Constellation」、生産車へのNVIDIA製品「DRIVE AGX Xavier」「DRIVE AGX Pegasus」の搭載までに及ぶもので、トヨタの自動運転車はエンドtoエンドでNVIDIA製品を全面採用することになる。

 これについて、自動運転技術の生産車への搭載開発を行なうTRI-AD CEOのジェームス・カフナー(James Kuffner)博士は、「交通事故死傷者ゼロという究極の目標達成のため、自動運転車によって交通をよりスムーズにし、あらゆる人にモビリティを提供できるようにすることが、当社のビジョンです。NVIDIAとの技術協業は、このビジョンを実現するために重要です。ソフトウェアを検証し、テストするための大規模なシミュレーションは、自動運転システムに不可欠であると、当社は考えています」とコメント。

NVIDIA 創業者/CEO ジェンスン・フアン氏

 また、NVIDIA 創業者/CEO ジェンスン・フアン氏は、「日常生活ならびに数多くの業界で商業用途に利用できる自動運転車は、まもなく一般化します。移動のためのものすべてが、自律走行になるのです。このような自動車を大規模に生産するには、システムのすべての要素に関して緊密な協働が必要となります。NVIDIAとTRI-AD、およびTRIとのパートナーシップは、そのような協業のモデルとなるものです。自動運転においては、運転中に遭遇しうる無限に近い状況を認識し、それらに対処する必要があるため、ディープラーニングを中心としたAIが次世代の自動運転車の開発に不可欠なツールとなっています。シミュレーションは、実際に路上を走らせる前の段階における、自動運転車向けのハードウェアおよびソフトウェアのテストと検証に有効なツールです。今回、TRI-ADとTRIは、シミュレーションの一部としてNVIDIA DRIVE Constellationを活用する予定です」とコメントしている。

編集部:谷川 潔