イベントレポート

三菱自動車、コンセプトカー「エレバンスコンセプト」初公開加藤隆雄社長がプレゼン

深田昌之

2025年10月30日 07:00

三菱自動車のコンセプトカー、三菱エレバンスコンセプト

　三菱自動車工業は、東京ビッグサイト（東京都江東区）で開催されているジャパンモビリティショー2025（プレスデー：10月29日～30日、一般公開日：10月31日～11月9日）に出展している。

　ブースのテーマは「FOREVER ADVENTURE」で、遠い未来であっても変わることのない冒険のすばらしさをコンセプトカーや冒険を後押しするモデルラインアップとともに表現している。

西1ホールにある三菱自動車ブース。三菱自動車のジャパンモビリティショー2025に関するさまざまな情報を発信している特設サイトが開設されている

三菱自動車工業株式会社代表執行役社長兼最高経営責任者の加藤隆雄氏

　三菱自動車は、代表執行役社長兼最高経営責任者の加藤隆雄氏が登壇するカンファレンスを開催した。

　加藤氏はまず未来のコミュニティの姿について触れ、未来は電動化と知能化が加速し、また超高速充電や非接触充電、完全自動運転が実現して、社会インフラの一部として重要な役割を果たしているかもしれないという予想を語った。しかしどんなに技術が高度化しても、未知の領域に冒険はあり、どんなにモビリティが高性能化したとしても走る歓びはあるということも付け加えた。

　そして「快適かつ安全・安心に移動するだけでなく、心を動かす体験があるはずです。今回のジャパンモビリティショーのテーマは、『わくわくする未来を探しにいこう』です。三菱自動車はブーステーマをFOREVER ADVENTUREとし、未来においても変わることのない冒険のすばらしさを提案し、誰もが一歩先に踏み出したくなるような冒険に誘います」と紹介した。

未来においても変わることのない冒険のすばらしさを提案するというのが、三菱自動車ブースのテーマ

　次に壇上に置かれたコンセプトカーについて話をした。三菱自動車は、三菱車らしさを象徴するモデルとしてアウトランダーPHEV、トライトン、デリカ、デリカミニをラインアップしている。これらのモデルは冒険や走る歓びを日常の中で体感できるものとなっているが、今後は先進技術がますます先鋭化することでクルマのあり方も大きく変わってくることが予想されており、三菱自動車では技術革新を積極的に取り入れながら運転する人、乗る人、すべての人の走る歓びを大切にしていくという。

　今回、同社が提案するのはその思いを形にした1台で、三菱自動車が得意とする電動化技術と4輪制御技術を取り入れた電動クロスオーバーSUVの「MITSUBISHI ELEVANCE Concept（ミツビシエレバンスコンセプト）」である。

コンセプトカーの名称はエレバンスコンセプト。アンベールされると車内からモデルが降りてくる演出がされた

　搭載するエンジンはカーボンニュートラル燃料対応の高効率エンジンで、PHEVシステムを組み合わせる。BEVではなくてPHEVとしたのは航続距離を気にすることなく遠くまで出かけて上質な体験をするという想定によるものとなる。今回はエレバンスコンセプトが牽引するトレーラーも同時に出展されていて、こうしたものを使ってグランピングのような体験もできると想定されている。

　カーボンニュートラル燃料対応のエンジンは現在開発中とのこと。このカーボンニュートラル燃料にはさまざまな種類があるが、燃料ごとに最適な燃焼温度が違うといった課題があるため、現在、エンジンの構造を含めてどの燃料にするのか調査を進めているという。

　モーターは4つ備えたクワッドモーター方式の4WDで、これを三菱自動車の技術である4輪総合制御によって操縦性、安定性、走破性を高め、どんな路面や天候でも安心、安全にドライブを楽しめるものとしている。また、荒れた路面を走るときも、車体の揺れや傾きを最小限に抑える乗り味にしているという。