イベントレポート 東京オートサロン 2023

スバル、新型「インプレッサ」日本仕様車を初公開

2023年1月13日 公開

東京オートサロン2023で公開された新型「インプレッサ」日本仕様車・プロトタイプ

 スバルは1月13日、新型「インプレッサ」日本仕様車・プロトタイプを「東京オートサロン2023」で初公開した。東京オートサロン2023に出展されたのは、STIパーツを装着したモデルで、今後、日本市場における新型「インプレッサ」の受注は、今春以降の予定としている。

 新型「インプレッサ」日本仕様車・プロトタイプの主な諸元(開発目標値)は、ボディサイズが4475×1780×1515mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。エンジンは、2.0リッター DOHC 直噴+モーター(e-BOXER)エンジンを搭載、トランスミッションはリニアトロニックで、駆動方式は4WDとなる。

新型「インプレッサ」日本仕様車・プロトタイプ
ステアリング:ラック&ピニオン式 、サスペンション形式[前/後]:ストラット式独立懸架 / ダブルウィッシュボーン式独立懸架、ブレーキ[前/後]:ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク、タイヤサイズ/ホイール:215/50R17

「インプレッサ」はスバルラインアップのスタンダードモデルとなり、第6世代となる新型「インプレッサ」は、日本市場における名称を「インプレッサ SPORT」から「インプレッサ」とした。今回の新型インプレッサは、歴代インプレッサの特徴を継承しながらも、最新のスバルの技術を多数搭載し、安全性能や動的質感を大幅に進化させたとしている。

 新型「インプレッサ」日本仕様車・プロトタイプの主な仕様について、以下の通り。

デザイン

・エクステリア
 行動的なライフスタイルを後押しする、躍動的でスポーティなエクステリアとし、インプレッサの個性をより高めた。引き締まったスピード感ある鋭いシェイプと、大地を駆けだす力強さを感じさせる張り出したフェンダーによりスポーティさを表現し、クルマを操る愉しさを際立たせた。また、ボディカラーに 新色の「サンブレイズ・パール」を設定した。

・インテリア
 ドライビングとアクティビティの時間を自然体で過ごせる使い勝手のよいカジュアルなインテリアに。さまざまな機能を集約した大型の11.6インチ センターインフォメーションディスプレイをインテリアの中央に配置した、最新のスバル共通のインターフェイスを採用し、実用性と利便性を高めた。

動的質感

・骨盤を支えるシート構造
 大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れた仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造を採用。仙骨を押さえることで、車体の揺れが頭部へ伝わることを防ぐ。これにより、ステアリング操作に伴うロールや、路面のうねりで身体が大きく揺さぶられたときでも、快適な乗り心地を実現させた。

・シートの固定構造の変更
 シートと車体の固定構造を、従来型のブラケットを介した方法から、シートレールを直接車体に固定する構造に変更。これにより、取り付け部の剛性と振動収束性が向上。シートそのものの揺れを抑え、快適な乗り心地を実現した。

・高減衰マスチックによるルーフの共振抑制音の収束性向上
 ルーフパネルとブレースの間に、振動の吸収性が高く、制振性に優れた高減衰マスチック(弾性接着剤)を採用。これにより、ルーフの振動によって発生する騒音の音圧を低減するとともに車内音の収束性が向上し、快適な乗り心地を実現。

・スバルグローバルプラットフォームの深化
 従来型の優れた操縦安定性・乗り心地を支えた「スバルグローバルプラットフォーム」をさらに深化させた。フルインナーフレーム構造の採用や、構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取り付け部の剛性向上など、最新の知見や技術を盛り込んだ。これにより、高く評価されてきた従来型をさらに上まわる、高いレベルの動的質感を実現した。

・フルインナーフレーム構造
 従来型はアッパーボディとアンダーボディを別々に組み立てた後、接合していたのに対し、新型ではボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから、外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」を採用。ボディのさらなる高剛性化と軽量化を実現した。微小な変形やたわみを抑えた高剛性ボディにより、サスペンションやエンジンマウントが本来の機能をあますことなく発揮できるようにした。これによって、操縦安定性を向上させるだけでなく路面からの振動の収束性を高め、質感が高くフラットで快適な乗り心地も実現した。

・2ピニオン 電動パワーステアリング
 応答遅れが少ないスポーティで上質なステアリングフィールを実現する2ピニオン電動パワーステアリングを採用。ドライバーのステアリング操作軸をモーターアシスト軸から分離した構造とし、操舵初期のフリクションを低減。リニアでなめらかなトルク伝達を可能とした。また、操舵角に応じてステアリングのギア比が変化する「VGR(Variable Gear Ratio)」を継続採用。低速時の取りまわしのよさと高速走行時の直進安定性を両立させた。

・電動ブレーキブースター
 優れた昇圧性能を持つ電動ブレーキブースターを採用。プリクラッシュブレーキで、自転車の急な飛び出しなどへの応答性が向上。また、全車速追従機能付クルーズコントロール使用時の、急な先行車の割り込みなどに対する素早い減速も実現させた。

・パワートレーン
 モーターアシストの軽快な走りが愉しめる2.0リッター e BOXER を採用。加えて、エンジンやリニアトロニックにも振動や騒音を低減する改良を施した。

安全性能

・デジタルマルチビューモニター
 4つのカメラ映像を合成して車両周囲 360 °を映し出す3Dビュートップビューを採用し、車両周囲の視認性を高めた。また、画面表示には新採用のセンターインフォメーションディスプレイを使用して、従来型のマルチファンクションディスプレイより大きく高精細な画面により、見やすさと使いやすさを向上させた。

・フルLED ハイ ロービームランプ+ LED コーナリングランプ
 ハイロービームランプ、ポジションランプに加えターンランプもLED化。さらに交差点での右左折時などに進行方向を照らす、 LEDコーナリングランプを新たに採用。夜間の視認性を向上させた。

・新型ステレオカメラユニット
 画角を従来型の約2倍と大幅に拡大。画像認識ソフトや制御ソフトを改良し、より広く遠い範囲まで認識できるようにした。また、フロントガラス取り付け式に変更するとともに、レンズフードを採用し、レンズに誤って触れることがないようにした。

・広角単眼カメラ
 低速での走行時に、新型ステレオカメラよりも広角かつ、低速時での二輪車歩行者を認識できる単眼カメラを新採用。プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションを拡大し、歴代アイサイトとして最高の性能を実現した。

衝突安全

 従来型でも評価の高かったスバルグローバルプラットフォームの衝突安全性のポテンシャルをさらに引き上げた。万が一の衝突に備え、乗員保護はもちろん、歩行者保護も含む衝突安全性能を磨き上げた。対前面衝突では、バンパービームを車両外側まで拡大。対車両の衝突事故において自車の衝突安全性だけでなく、相手側の乗員を守る性能(コンパティビリティ)も高めた。また、レガシィ アウトバックと同様、実際の正面衝突事故を想定して、コンパティビリティを評価する新たな前面衝突試験「MPDB Mobile Progressive Deformable Barrier )」を導入した。

つながる安全

 コネクティッドサービス「SUBARU STARLINK 」がさらに進化。従来の「つながる安全」機能により万が一の際の安心感を高めるとともに、利便性や快適性を高める新サービスとして、スマートフォンアプリでのリモートロック/アンロック機能、リモート車両位置確認機能などの、コネクティッドサービスの領域拡大を図った。

パッケージングユーティリティ

・室内空間
 従来型同等のゆとりある室内空間を実現。あらゆる体格のドライバーが最適なドライビングポジションを取れるだけでなく、長距離ドライブでも乗る人全てが疲れにくく、ゆとりある移動時間を提供する。

・荷室スペース
 従来型同等の大きな荷室開口部と必要十分な荷室容量を確保。6:4 分割可倒式リヤシートによって荷室を自在に拡張することで、大きな荷物や長尺物の搭載も可能。

・インフォテイメントシステム
 11.6インチセンターインフォメーションディスプレイの大画面がもたらす使い勝手のよさや、先進的ですっきりとしたデザインはそのままに、 Apple CarPlay、Android Autoのワイヤレス接続に対応するなど、スマートフォンとの連携機能を大幅に強化。普段使っているスマートフォンと同じ感覚でシームレスに扱えるインフォテインメントシステムに進化した。

【訂正】1月16日にスバルよりニュースリリースの記載内容について一部訂正が発表されました。本記事についても記載内容を訂正させていただきます。

編集部:椿山和雄