イベントレポート 東京オートサロン 2024

パナソニック、車内で大画面と3Dハイレゾ音響が楽しめる「WELL Cabin concept」

2024年1月12日~14日 開催

パナソニック オートモーティブシステムズが展示したWELL Cabin concept

 パナソニック オートモーティブシステムズは、幕張メッセ(千葉県千葉市)で1月12日~14日に開催されている東京オートサロン 2024に初出展。没入感ある大画面ディスプレイや3Dハイレゾリューション対応のオーディオスピーカーによる車内空間を持つ「WELL Cabin concept」を2台展示した。

 展示車両はトヨタ「アルファード」とトヨタ「ヴェルファイア」で、どちらも姉妹車のため、ベース車の車内空間はほぼ同一。アルファードを使ったWELL Cabin Concept Aはビジネスエグゼクティブ向け車両と位置づけ、ヴェルファイアを使ったWELL Cabin Concept Bは海外旅行者送迎サービスとしているが、装備の内容はほとんど同じだという。

セカンドシートの前には大型のディスプレイを装備する
モード切り替え、仕事環境、エンターテインメント、情報案内などを車内で提供する

 車内では、フロントシートとセカンドシートの間に大型のディスプレイを装着。ビジネス利用では、ビデオ会議のモニターとしての利用をはじめ、走るビジネス空間としての活用を想定している。ディスプレイは透過タイプとなっており、ディスプレイ裏側のシャッターを閉じることで通常のディスプレイとなるが、シャッターを開くことで、前方が見えるようになる。

画面はもともと透過タイプとなっており、運転席側の仕切りを下げると前方の景色が見えるようになる

 透過させると前方の景色を後席から見られるが、セカンドシートに座っていて大画面を見ると車酔いすることがあるため、前の景色を見えるようにすることで車酔いを防止できる。

セカンドシート

 また、装備は画面だけではない。独自の3Dハイレゾリューション対応のオーディオスピーカーを搭載し、シートに置いたユニットから重低音を感じられるほか、ベース車両についている室内のLED照明や電動カーテンをシステムで制御することで、リラックスしているときや、仕事をしているときに合わせて照明などを制御することはもちろん、睡眠をとったり、動画を見たりする際に、照明やカーテンの状態を効果的に連動させることもできる。

室内照明のユニットはベース車のものだが、点灯や明るさの調整などはパナソニック オートモーティブシステムズのシステムから制御するように変更
シートには重低音を体に直接届けるユニットを置いている。目覚まし機能などにも利用できる

 さらに、車内の演出として香りを発生させる装置も装備し、香りからもリラックスできる空間を演出することもできる。

 今回の展示はショー向けのコンセプトモデルのため、今後はどのような形態で製品を供給するかなど、市販に向けてさまざまな検討が必要だという。さらに、オートサロンに出展することで、車両装着のコラボレーション相手を探すなど、新たな出会いにも期待しているという。

 なお、パナソニック オートモーティブシステムズは、レクサス「LM」の大画面ディスプレイも手掛けている。

「WELL Cabin concept」アルファードとヴェルファイアがベース
正田拓也