イベントレポート 東京オートサロン 2025

コンプリートカー「S210(プロトタイプ)」や200台限定「BRZ」などを初公開したスバルブース

2025年1月10日~12日 開催

スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)は「東京オートサロン2025」に出展し、初日となる1月10日にプレスカンファレンスを行なった

 スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)は「東京オートサロン2025」(幕張メッセ:1月10日~12日)に出展し、世界初公開となる「S210プロトタイプ」や「BRZ STI Sport PURPLE EDITION STI performance」をはじめ8台を展示した。

 イベント初日となる1月10日の11時よりSTIがプレスカンファレンスを行ない、2025年のモータースポーツ活動計画と世界初公開となるS210プロトタイプを発表した。まずはSTI代表取締役社長 賚寛海氏が登壇し、活動計画の発表を行なった。

スバルとSTIの2025年モータースポーツ活動計画

スバルテクニカインターナショナル株式会社 代表取締役社長 賚寛海氏

 今季STIが参戦するのはSUPER GTシリーズ、ニュルブルクリンク24時間レース、スーパー耐久シリーズ。SUPER GTのドライバーは井口卓人選手、山内英輝選手の2名。チーム運営はR&D SPORTと昨年同様の体制で、より進化させたSUBARU BRZで2021年シーズン以来のGT300シリーズチャンピオンを目指す。

 また、ニュルブルクリンク24時間レースはチーム監督に沢田拓也氏、ドライバーにカルロ・ヴァンダム選手(オランダ)、ティム・シュリック選手(ドイツ)、佐々木孝太選手、久保凛太郎選手の4名、そしてこれまで通り全国のスバル販売店から8名のメカニックが参加し、昨年に続きSP4Tクラスでの連覇を狙う。

 スーパー耐久シリーズも昨年同様、人材育成と次世代商品への技術的なフィードバックを目的とし、社内エンジニアを中心に構成した「Team SDA Engineering」で挑む。また、全日本ラリー選手権、TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupも引き続きサポートを行なう。

2025年シーズンのSUPER GT GT300クラス参戦車両。このモデルはモックアップの展示
2025年6月に開催されるニュルブルクリンク24時間レースにSP4Tクラスで参戦するSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025
2024年シーズンのスーパー耐久シリーズに参戦したHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT。2025年も引き続き「Team SDA Engineering」から参戦する

世界初公開の「S210(プロトタイプ)」

スバルテクニカインターナショナル株式会社 開発副本部長の高津益夫氏による「S210(プロトタイプ)」の発表

 モータースポーツ参戦計画発表の後はSTIコンプリートカーの発表だ。登壇したのはSTI開発副本部長の高津益夫氏。公開されたのは昨シーズンのニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝を飾った「SUBARU WRX NBR CHALLENGE」で得た技術や知見を投入した「S210(プロトタイプ)」。2019年に米国向けに登場したS209以来の最新Sシリーズは春ごろに正式発表にされ、500台の限定販売が予定されている。

STI開発副本部長 高津益夫氏
S210(プロトタイプ)のボディサイズは4690×1845×1465mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2675mm
エンジンは「WRX S4」のFA24直噴ターボエンジンをベースに、吸気系統ではエアクリーナー、吸気ダクト、ターボ前ダクトを新開発。排気系統には新開発の大口径テールパイプを備えた低背圧パフォーマンスマフラーと砲弾型チャンバーを備えたエキゾーストパイプリアを採用し、吸排気抵抗を低減するとともに、ECUの専用チューニングで最高出力300PS(開発目標値)を発揮
足下はミシュラン製255/35R19ハイパフォーマンスタイヤをセット。ステアリング操舵時の車両応答性を高めるため前後で異なる形状とし、タイヤの接地面積を最適化したSTI製フレキシブルパフォーマンスホイール、専用チューニングの電子制御ダンパーとコイルスプリング、新開発のリアスタビライザーブッシュなどを採用。ブレーキにはブレンボ製フロント18インチベンチレーテッドディスクブレーキと専用チューニングの電動ブースターを装備する
インテリアでは新開発のレカロカーボンバックレストフロントシートを採用し、レッドカラーのプリテンショナー&フォースリミッター付フロント3点式ELRシートベルトなどを備えた

200台限定の特別仕様車BRZ STI Sport PURPLE EDITION STI performanceをはじめとするスバル/STIブース

BRZ STI Sport PURPLE EDITION STI performance

 BRZ STI Sportをベースに日本市場向けBRZでは初となる「ギャラクシーパープル・パール」のボディカラーを採用し、ハイラスター塗装の18インチアルミホイールをはじめブラックのパーツでコーディネートしたモデル。内装にはシルバー/グレーのアクセントを随所に配している。200台限定の特別仕様車として1月10日~26日に全国のスバル販売店で抽選エントリーを受け付ける。

 なお、会場に展示されているモデルには各所にSTIパフォーマンスパーツが装着されていた。

BRZ STI Sport PURPLE EDITION STI performance

WRX S4 STI Sport R-Black Limited STI performance

WRX S4 STI Sport R-Black Limited STI performance

LEVORG LAYBACK Black Selection STI performance

LEVORG LAYBACK Black Selection STI performance

CROSSTREK STRONG HYBRID STI performance

CROSSTREK STRONG HYBRID STI performance
高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員