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ニコ・ドライブ×BMW、「i3」の手動運転装置「ハンドコントロール」を体験

一般向け試乗イベントを7月16日~17日開催

2016年7月16日~17日10時~18時30分(最終受付は17時) 開催

 ニコ・ドライブとビー・エム・ダブリューは7月16日~17日の2日間、自動車のアクセル・ブレーキを手動で操作する運転補助装置「ハンドコントロール」を体験できる試乗イベントを、東京 虎ノ門のBMW i ショールーム「BMW i Megacity Studio(メガシティ・ステュディオ)」で開催する。

 ハンドコントロールは、車いすを利用する人に向けてニコ・ドライブが製造・販売している脱着可能で持ち運びも可能な運転補助装置。自動車本体への加工や構造変更を施す必要がなく、一般的なATモデルの乗用車であれば、ほぼ車種を選ばず装着可能(足踏み式パーキングブレーキ搭載車は別売補助器具が必要)。持ち運び可能とすることでレンタカーなどにも利用することができるとしている。

「ハンドコントロール」を装着した「i3」
アクセルとブレーキを手動操作するハンドコントロール
アクセルとブレーキの固定部
ハンドコントロールは、装置をアクセルペダルとブレーキペダルに固定して、ステアリングコラムにベルトを掛けて使用する
これだけで大丈夫?というぐらいシンプルな装置だ
持ち運びもできるように折りたたみ式になっている

 車いすを利用する人に向けては、日本の自動車メーカーでも手動運転装置を装備した福祉車両を展開しているが、「もっと、いろいろなクルマを運転してみたい」「一旦、クルマを改造をしてしまうと、次にクルマを乗り替える時の価値がなくなってしまう」といった、クルマを利用する車いすの方の声を実現するのが、ハンドコントロールだという。

 ハンドコントロールを使った運転操作は、左手はハンドコントロールを握り、右手でステアリング操作を行なうカタチになる。左手を押すとブレーキペダルが踏み込まれ、左手を引くとアクセルペダルが踏み込まれる仕組み。

 今回筆者は、取材会で実際にハンドコントロールを装着した「i3」に試乗することができた。施設内の駐車場で前進と後退をして、アクセルとブレーキの操作感覚を確かめてから公道を走行。試乗してみた印象は、はじめは手の動きでアクセルを操作することに慣れずギクシャクしたクルマの動きになってしまったが、慣れてくると手のひらの握る離すという動作で、微妙な速度調節が出来るようになってくる。

 EVであるi3ならではの感覚としては、減速時の回生ブレーキが強めなので、握る離すといった手のひらの動作内で速度調節ができてしまうこと。今回の試乗コースの中では、ブレーキを踏み込む(押し込む)動作は停車寸前に必要なぐらいであった。ただし、ウインカーレバーが左側にあるので、コレをうまく操作するには慣れが必要と感じた。

株式会社ニコ・ドライブ 代表取締役社長の神村浩平氏

 今回のイベントは、ニコ・ドライブとビー・エム・ダブリューのコラボレーションにより実現。車いすの方には、i3の特徴であるブレーキペダルを踏むことなくアクセルペダルを緩めるだけでブレーキがかかる「ワンペダル・ドライビング」や、ステアリングまわりに配置されたシフトレバーなど、ハンドコントロールと親和性の高い運転操作感覚を実際に体感してもらいたいとのこと。

 また、車いすの方だけでなく健常者も参加可能なイベントとなっており、ニコ・ドライブ 代表取締役社長の神村浩平氏は「障害のある人が自分でクルマを運転しているということを知らない方も多いかと思います。体に障害のある人でも約17万人以上の方が免許を保有してクルマを運転している現実があります。体に障害のある人の移動手段としてクルマは役立っていて、こんな方法で乗っているということを知っていただける機会にできればうれしいです」と話した。

神村氏が車いすを利用する人の乗降方法を示してくれた
車いすからひょいとクルマに乗り移る
車いすの車輪を収納
続いて車いすを収納する
この動作をできないとクルマの運転ができないという
ドアは目一杯開く必要がある
神村氏は、ハンドコントロールとの親和性が高いi3の操作系を評価

 なお、試乗会に参加するには、BMW i カスタマー・インタラクション・センター(0120-201-438)で事前予約するか、当日現地で行なうかのいずれか。当日予約の場合は、予約状況によって待ち時間が発生したり試乗できない場合があるとしている。