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【鈴鹿8耐】最終予選「トップ10トライアル」トップはYAMAHA FACTORY RACING TEAM
昨年のポールシッター、ポル・エスパルガロが2年連続
2016年7月31日 11:08
7月30日、「2016 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第39回大会」(鈴鹿8耐)の最終予選「トップ10トライアル」が行なわれた。
YAMAHA FACTORY RACING TEAMのポル・エスパルガロ選手が2分06秒258のラップタイムで、同チームがポールポジションを獲得した。2番手には2分06秒405でYOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE、3番手には0.064秒差の2.06.469でTeam GREENが入った。
31日は11時30分から8時間の決勝レースがスタート、19時半にチェッカーを迎える。
F.C.C. TSR Hondaが抜け出すも、エスパルガロ選手があっさり1秒更新
前日の全チームが走行する予選初日の結果で、上位のタイムを記録した10チームが1台ずつタイムアタックする「トップ10トライアル」。各チーム2名を選出し、10チームのうち下位10~6位のグループ(10名)が前半に、上位5~1位のグループ(10名)が後半に走行する。
まずは29日の予選8番手で、トップ10トライアルでは5人目の出走となったF.C.C. TSR Hondaのパトリック・ヤコブセン選手が、頭1つ抜ける2分07秒248を記録。すると、英国スーパーバイク選手権に参戦している清成龍一選手(Team KAGAYAMA)も、同チームのMoto2ライダー ドミニク・エガーター選手(F.C.C. TSR Honda)も、さらには上位グループに移って渡辺一樹選手(Team GREEN)やスーパーバイク世界選手権参戦中のマイケル・ファンデルマーク選手(MuSASHi RT HARC-PRO.)まで、そのタイムを上回ることができなかった。
結局ヤコブセン選手の記録を塗り替えたのは、前年のポールシッターであるMotoGPライダー ポル・エスパルガロ選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。一気に1秒近く縮める2分06秒258を叩き出し、結局これがポールタイムとなった。
その後、津田拓哉選手(YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE)が前半セクターでエスパルガロ選手を上回るタイムを出すものの、その後の失敗が響いて2分06秒045で2番時計。スーパーバイク世界選手権のレオン・ハスラム選手(Team GREEN)も同様にセクター1で上回ったが、結局2分06秒469で3番手に入るのがやっと。
中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)はチームメイトの記録に気負いが出たか、タイムとしては3番手相当の2分06秒435に終わった。現在スーパーバイク世界選手権で活躍し、MotoGPの元チャンピオンでもあるニッキー・ヘイデン選手(MuSASHi RT HARC-PRO.)はトップ10トライアルでは走行しなかった。その他チームを含むトップ10の順位は以下の通り。
トップ10トライアルの結果
順位 チーム名
1位:YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位:YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE
3位:Team GREEN
4位:F.C.C. TSR Honda
5位:MuSASHi RT HARC-PRO.
6位:Team KAGAYAMA
7位:YART Yamaha Official EWC Team
8位:TOHO Racing
9位:Moto Map SUPPLY
10位:TEAMJP DOGFIGHTRACING AUSTRALIA
トップ10トライアル、トップ3チームのライダーコメント
1位、中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
レースウィークに入ってからもマシンのセット(セッティング)は変えることなく、2人(エスパルガロ選手とローズ選手)がアジャストしてくれて、セッティングのすり合わせなどがなく、走り込みに集中できた。ウィークとしては流れがいいですし、3人ともアベレージがかなり揃っているので、明日に向けては非常にいい状態にあると思います。
1位、ポル・エスパルガロ選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
ポールポジションは、本当にとてもうれしい。3人ともこれまでのところは一貫したペースで走れているし、中須賀サンのバイクセッティングも変えていない。エレクトロニクスのちょっとしたところで気になるところはあったけれど、みんなフィットさせられた。同じバイクを使うレースでこれは重要なこと。(トップ10トライアルのアタック)ラップは楽しかった。もっとラップタイムを伸ばしたかったけれど、今日は少しだけ滑りやすくて不可能だった。明日はおそらくスタートは中須賀サンで、パワフルなスタートを切ると思うので期待している。
1位、アレックス・ローズ選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
ポールポジションを獲得できたことはうれしい。ただ自分は走っておらず、何もしてあげられていないということもあって、複雑な感じ。昨日はすごくいい1日だった。すごく満足しているし、ヤマハファクトリーとして参戦できて光栄。チームのみんな、仲良くできている。耐久レースというのは選手同士の付き合いも重要だと思うので、明日はいいレースができると思っているし、頑張りたい。
2位、津田拓哉選手(YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE)
予選までドタバタする部分があったが、昨日後半にかけてバイクが仕上がってきて、それをきちんと確認するという意味でトップ10トライアルを戦ったんですけど、それでもいいバランスで、昨年の自分の8耐のタイムを超えることができた。バイクは仕上がってきていると思いますし、決勝のセットでもいいレベルで戦えていると思うので、すごくいいトップ10トライアルだったと思います。
2位、ジョシュ・ブルックス選手(YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE)
ここ数日はチームとともにたくさんの仕事をした。ヨシムラとしては完璧なバイクを作るということが第一なので、最初はたしかにバイクが思ったように合わなかったところもあったが、週末に向けてバイクが改善してきて、昨夜非常にいいセッティングが見つかった。今日の結果から見てもそれがいい形だったと確信できるので、我々ライダーにとっても自信につながる。今日は走っていないのですが、チームとしては満足している。ノリ(芳賀紀行選手)の素晴らしい走りを、ファンのみなさんに見せることができたのも素晴らしいことだと思った。
2位、芳賀紀行選手(YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE)
久しぶりのトップ10トライアルで、タイムアタック直前のラストコーナーでミスをして、それでリズムを崩してしまって、最終的にタイムにつなげることができなかったので、まあできればもう1回やらせてほしいんですけど(会場笑)。明日に向けてもいいセットアップが見つかって、現に拓哉がタイムを挙げたので、いい仕上がりになっている証拠だと思います。明日はとにかく3人力を合わせて8時間後のてっぺんを目指して頑張りたいと思います。
3位、柳川明選手(Team GREEN)
今のところ全然問題なく、俺だけ遅いのが問題なんですけど(笑)、昨日、予選で新しいタイヤが届いて、そしたらちょっとした問題が起こって、徹夜でうまいこと直せなかったんですけど、それでも安定していいタイムが取れているので、明日頑張ります。
3位、渡辺一樹選手(Team GREEN)
チーム全員が今週に入ってすごくいいアベレージで走れている状態。今日のトップ10トライアルは、レースウィークを通じて自分にとっては正直なかなか難しいタイムになっていたりしたんですけど、トップ10トライアルに限って自分の方向に(マシンを)直してもらった。走れるかなというフィーリングはあったんですけど、セクター2でリアを滑らせてしまって大きくタイムは伸ばせなかった。それでも、明日の決勝に向けて3人ともいいラップタイムを刻めているということが一番大事なので、明日に向けてすごくポジティブでいられています。