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真冬の北軽井沢でアウトドアを満喫! 三菱自動車主催「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」レポート

雪道での安全運転を学ぶ「クルマの学校」、特設コースでのデリカD:5試乗会など

2017年2月18日~19日 開催

三菱自動車工業が主催した、アウトドアレジャーやセーフティドライビングを体験できる「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」をレポート

 三菱自動車工業は、2月18日~19日にアウトドアレジャーやセーフティドライビングを体験できる「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」を開催した。

「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」は、同社のミニバン「デリカD:5」のオーナーないしはデリカD:5に興味のある人を対象に、アウトドアレジャーを通じて同モデルの魅力を知ってもらうために行なわれるイベント。

 快適生活研究家の田中ケン氏がプロデュースする北軽井沢の「outside BASE」を拠点とし、小浅間山の登山をはじめデリカD:5とSUV「パジェロ」を用いた雪上試乗、雪道での安全運転などを学べる「クルマの学校」などが行なわれた。参加者は「outside BASE」内のコテージに宿泊し、初日の夜にはアウトドアディナーパーティも開かれるなど、冬の遊び満載の内容で開催された。

「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」の拠点となった「outside BASE」。“隠れ家のようなキャンプ場”がコンセプトで、14棟のコテージ、ヴィラをはじめ、1日45組限定のキャンプサイトを用意。クライミング、カヤック、クッキング、トレッキングなどさまざまなアクティビティが楽しめるのが魅力。住所は群馬県吾妻郡長野原町大字北軽井沢字鷹繋2032‐2457
アウトドア全般に精通する快適生活研究家の田中ケン氏
ビーチクルーザーでの雪上走行も楽しめた
会場ではアウトランダー PHEVの電力を用いて作られたコーヒーが参加者に配られていた。アウトランダー PHEVがあれば外でも気軽に家電製品が使える
会場付近の積雪状況。気温は初日が0℃前後、2日目が-5℃前後

 まず初日に行なわれたのが、浅間山(標高2568m)の裾野にある小浅間山(標高1655m)の登山。スノーブーツなどに取り付けて雪の上を気軽に歩ける「スノーシュー」を装着しての登山となった。学生時代以来、登山と縁のなかった筆者は小浅間山の登山がどのくらい困難なものなのか心配だったので、登山に同行した田中氏に事前に確認したところ、田中氏からは「初心者向けで1時間くらいですぐに登れますよ~、ハハハハハ」と笑顔で回答をいただいた。

 そんな言葉にすっかり安心して登山開始。序盤は比較的平らな道だった故、「普段クルマばっかり乗っていてすっかり運動不足だったので、これで解消だ」なんてお気楽な気分でいたのもつかの間。雪に埋まらず歩けるメリットがあるものの、かかとの部分が道具に固定されないスノーシューに慣れていないせいか、歩き始めて10分もかからず息が上がるはめに……。5分程度の休憩が適宜あったものの、8合目あたりに着いたころには足がガクガク。何度も引き返そうと心が折れかけたものの、なんとか山頂に到着。そこには「スキーは危ない」「冬はこたつに限る」を信条とする筆者が普段お目にかかれない、壮大な景色が迎えてくれたのでした。

雪の上を気軽に歩ける「スノーシュー」を装着して登山にチャレンジ。ストックも使いながら歩きました
小浅間山のふもとにあった注意を促す看板。浅間山は活火山とのこと
クマの生息地域だそうです
登山途中、野生動物に会いました(クマでなくてよかった)
序盤は比較的平らな道だったのでお気楽気分でしたが、だんだん登るにつれ無口に……。「スノーシュー」を使っての歩き方に慣れていないせいか、何度か脱げてしまいました
7~8合目あたりで記念撮影。すでに足がガクガク
そんな筆者をしり目に、お子さんを背負って登られているご夫婦も。すごい!
それにしても景色がきれいです
そんなこんなで何とか山頂に到着!
記念撮影
山頂からの景色。小浅間山から望む浅間山は壮大(写真中央)
「outside BASE」に戻り、参加者に暖かい食べ物が配られた
初日の夜はアウトドアディナーパーティが行なわれた

雪上を安全に走るための座学「クルマの学校雪道スペシャル編」

 そんな“ビッグイベント”の翌日は、ラリーアート出身でドライビングインストラクターの熊沢祥人氏、モータージャーナリストの竹岡圭さんが講師を務める、雪上を安全に走るための座学「クルマの学校雪道スペシャル編」からスタート。

「クルマの学校雪道スペシャル編」の講師はドライビングインストラクターの熊沢祥人氏、モータージャーナリストの竹岡圭さんが務めた

 1995年にスタートした「クルマの学校」で校長を務める熊沢氏からは、まず雪上を上手に運転するコツについて紹介され、「雪道運転の上達のコツは経験と知識。例えばディーゼルエンジンで、気温の高い地域で給油して寒い地域にくると凍ったりする。軽油はもともとサラサラしているのが特徴だが、寒い地域に行くとドロドロになってきてしまい、エンジンがかからなくなる。寒い地域ではドロドロにならない軽油を売っているので、そこで入れるといった知識あるとないとでは大きく違う」と説明。

 ここで「色々な経験談を知ることも雪道を走る上で重要」と語る熊沢氏と竹岡さんから、雪道におけるさまざまな経験談が紹介された。まず竹岡さんからは「若かりし頃、まだ雪道をそんなに走ったことのないときにパジェロで雪上を走った際、パジェロは4WDで走破力は高いけれど車両重量が重い。思ったよりも凍った路面での下り坂で急ブレーキを踏み、なんとか前の車両にはぶつからなかったものの相当怖い思いをした。凍った路面で重いクルマが止まるのがいかに大変なのかが分かった」「ちょうど軽井沢あたりから家に帰るとき、くねくね道のコーナーの先が凍っていて、曲がった瞬間に前を走っていたクルマがお尻を向けて大変なことになり、これも何とかぶつからないで止まったものの危ない思いをした」「夜、に吹雪の峠を走らなければならず、そのときたまたま明るい色の偏光レンズのサングラスを持っていて、当時はサングラスを夜かけるイメージがなかったものの、たまたまかけてみたら結構視界がよくなり、何とか峠を抜けることができた。夜でも明るい色の偏光レンズのサングラスは使える」と、過去の経験談について紹介。

熊沢氏と竹岡さんから雪道におけるさまざまな経験談が紹介された

 一方、熊沢氏からは「30数年前の夏、買ったばかりの4WD車で砂浜に行ったことがあった。そこで(砂にはまって)バックすることができず、(アクセルを踏めば踏むほど)どんどんクルマが沈んでいってしまった。目の前は海。これはやばいと相当いろいろやったが抜け出せず、結局ひと晩置きっぱなしになってしまった。次の日、まわりで遊んでいた子供たちに押してもらったけれど、結局抜け出せなかった。ここで思いついたのが、後ろ(砂浜側)に行きたいが前(海側)に進んでみてはどうかということで、海水で砂が固まっていたので簡単に抜け出すことができた(笑)。もう1つ、今のクルマはスイッチ1つで2WDと4WDを切り替えられるが、そのクルマはトランスファーレバーを4WDに入れた上で、後輪駆動なので前輪のハブをロックしなければならなかった。(それをやらなかったので)結局4WDになっていなかったんです」。

「これは冬の話ですが、三菱自動車は十勝の山奥に10kmのオーバルコースを持っていって、そこでの仕事が終わって広々とした道を下っていた。このときあるプロドライバーが運転していたが、三差路を左折するところでなぜか真っすぐ進んだのでどうしてか聞いたところ、『減速し切れなくて真っすぐ行った』と。要するに、さっきの話もそうだが前に行きたいときに後ろに下がるとか、曲がりたいけれど真っすぐいくとか、雪道というのは思ったとおりにハンドル切れば曲がり、ブレーキを踏めば減速し、アクセル踏めば加速するかと言えばそうではない。色々ダメそうなら『諦めよう』『曲がってこよう』と気楽な気持ちで運転することが重要。緊張しすぎると思わぬ事故につながる」と、雪道を走る上での心構えについて説いた。

 また、乗っているクルマのことを知ることも雪上走行をする上での重要なポイントとして、デリカD:5の対地障害角についても触れ、最低地上高が210mm、アプローチアングルが24度、ディパーチャーアングルが22.5度、ランプブレークオーバーアングルが18度であること紹介するとともに、「世界一過酷なレース・パリダカールラリーで三菱自動車は7連覇・通算12勝を飾った。なぜこのレースに参加したかと言えば市販車にフィードバックするためで、(レースでも)自分のクルマがお腹をつかえないで走れるかどうか、前のバンパーや後ろのバンパーをぶつけないで走れるかどうかを判断しなければならない。雪道を走るときも、自分のクルマの形状を頭に入れておきましょう」とアドバイス。

 加えて雪上走行時における4WDモードの選択方法については、「デリカD:5で一般的な雪道を走るときは4WDを選択すればよいが、デコボコしている路面で4輪均等にトラクションがかからないときは滑りやすくなる。そういうときはLOCKモードを選択してください」と解説していた。

デリカD:5とパジェロの対地障害角や4WDの使い方などが紹介された

 また、パジェロの場合は空転しやすい悪路などでより大きな駆動力を発生するローギヤ直結4WD(センターデフロック)の「4LLc」、雪道やダート路などでも駆動力を確実に発生する直結4WD(センターデフロック)の「4HLc」、高速走行時の安定性やニュートラルな旋回性能を特徴とする前後不等トルク配分(33:67)フルタイム4WDの「4H」、FRならではのスムーズなハンドリングを特徴とする「2H」という4つのモードを設定しているわけだが、「自転車に例えると平坦な道では重いギヤを、上り坂ではギヤを軽い方に変えると思うが、これは自動車も同じ。4LLcというのは、エンジンが軽く吹け、スピードは出ないものの上り坂をラクラク登れるようになるのがこのモード。どういう場面でどの走行モードを使うのか、あらかじめ知っておくことも重要です」と紹介された。

 そのほか、クルマの雪下ろしをする時に便利な「スノーブラシ」をはじめ、ブースターケーブル、モバイルバッテリー、けん引ロープ、窓の外にかけておく大き目のシートを携行することを推奨するとともに、事前にスノーブレードを装着することやウォッシャー液を補充しておくことも勧めていた。

雪国に行く際、持っていくと便利なアイテムが紹介された
「クルマの学校雪道スペシャル編」は発煙筒の使い方を実際に教えてもらってフィニッシュ。普段あまり使う機会がないので参加者にはいい経験になったようだ

デリカD:5とパジェロの雪上試乗会開催

 この後、けん引ロープを使ったスタック時の脱出方法を実演して講習会は終了。続いてデリカD:5とパジェロの雪上試乗会が開催された。試乗会はoutside BASEのまわりに作られた特設コースで行なわれ、「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」参加者がこの2台を乗り比べ。

普段あまり使う機会のないけん引ロープの使い方をレクチャー

 デリカD:5は直列4気筒DOHC 2.2リッターディーゼルターボエンジン(148PS/360Nm)に6速ATを組み合わせる“冬の特別仕様車”「シャモニー」、パジェロは直列4気筒DOHC 3.2リッターターボディーゼルエンジン(190PS/441Nm)に5速ATを組み合わせる「SUPER EXCEED」が用意され、いずれも横浜ゴムのSUV用スタッドレスタイヤ「GEOLANDAR I/T-S(ジオランダー・アイティーエス)」を装着していた。

デリカD:5、パジェロともに横浜ゴムのSUV用スタッドレスタイヤを装着

 筆者も合間を見て試乗させていただいたのだが、コースはときおり強めのデコボコがあるものの、全体的にそこまで悪路というわけではなく、速度も最高で40km/h程度の設定。それにしても、いつ乗ってもデリカD:5の堅牢なボディには驚く。いじわるして強めのデコボコで速度をのせてもきしみ1つ言わせず、4WDモードに設定しておけばしっかりトラクションがかかって前に進んでくれる。ミニバン随一のボディ剛性とともに、電子制御4WDの魅力を改めて実感した次第だった。

ミニバン随一のボディ剛性を持つデリカD:5。走破性を含め参加者からも「頼もしい」との声が挙がっていた

 また、パジェロについてはデリカD:5よりも排気量の大きな3.2リッターだけあって、滑りやすい路面でもなんのその、低回転からトルクフルな走りを見せてくれる。そんな状況でも「スーパーセレクト4WD-II[SS4-II]」の恩恵により雪道を難なく走行してくれた。デリカD:5ともども、さすがの走破性能でもっと雪上を走りたいと思わせてくれたのだった。

トルクフルな走りが自慢のパジェロ

 こうして1泊2日の「PLAY THE NATURE! TOUR 2017」は無事終了。久しぶりにアウトドアらしいことを楽しむとともに、改めてデリカD:5とパジェロの魅力を垣間見ることができた。