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【トライアル世界選手権 第2戦もてぎ】トニー・ボウが2連勝を飾る

藤波貴久は1日目に3位、2日目に5位

2017年5月27日~28日 開催

圧巻のレース運びで、トライアル世界選手権 第2戦もてぎを2日間とも勝利したトニー・ボウ選手

 5月27日と28日の2日間にわたり、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で「2017 FIMトライアル世界選手権 第2戦 ストライダー日本グランプリ」の決勝レースが行なわれた。TRIALGPクラスは2日続けてトニー・ボウ選手(Repsol Honda Team、Montesa)が優勝を飾った。2日目2位にはアダム・ラガ選手(TRRS)、3位にはアルベルト・カベスタニー選手(Sherco)がそれぞれ入った。

 日本人ライダーは藤波貴久選手(Repsol Honda Team、Montesa)が1日目3位表彰台だったが、2日目は5位に入ったのが最高。黒山健一選手(Yamaha)は2日目10位、野崎史高選手(Sherco)は18位、小川友幸選手(Honda)は20位に終わった。

フマキラーが「オフィシャル虫除けパートナー」に。一般の来場者がレース会場の随所で自由に虫除けを使えるようになっていた

コンディション良好の2日目、トップはスコアで競るもボウが地力を見せつける

 今シーズンから金曜日に予選が行なわれることになり、その結果によって1日目と2日目両方の決勝レースの出走順が決まるというルールになったトライアル世界選手権。ボウ選手は予選3位、黒山選手が日本人最高の5位、藤波選手は7位という結果に。カベスタニー選手は15位、ラガ選手は17位で、予選で低い順位ほど決勝では早い順番からの出走となる。2016年の日本GPは12セクションだったが、今年は新エリアとなるセクションを5つ加え、15セクションとなり、それを2ラップして争われた。

 1日目は雨の影響で全体的にマディなコンディション。滑るコースに苦戦する選手が多かったなか、ボウ選手だけがそれをものともしないような減点48で、2位以下を圧倒する24点差で優勝した。2日目も、ほぼドライコンディションになったこともあってか、その好調を維持し、1ラップ目はわずか減点8で周回。2ラップ目こそ減点14でトータル22点となったが、24点で追いすがるラガ選手を抑えて優勝を飾った。

圧巻の走りを見せたボウ選手
最悪の予選結果から巻き返し、2位に入ったラガ選手
チーム員にトラブルがありながらも3位に入ったカベスタニー選手の走り

 1日目3位だった藤波選手は、2日目の1ラップ目序盤はほとんどノーミスだったものの、結果的には5回の減点5が響き、表彰台に5ポイント及ばず5位。黒山選手は1ラップ目を最小限のミスに止めていたが、1日目に左手小指に負った怪我の影響か、2ラップ目に崩れ10位でフィニッシュした。

1日目こそ3位だったが、2日目は惜しくも表彰台に届かなかった藤波選手
黒山選手の走り。2ラップ目での失速が悔やまれる

 野崎選手は持ち前のパワフルな走りが見られたシーンもあったものの、特に前半のセクションでミスが目立ち18位。全日本トライアル選手権 Round 3で優勝している小川選手は、コンディションの良くなかった1日目だけでなく、ドライの2日目も本来の走りが見られず20位だった。

野崎選手の走り。前半セクションでミスが多く、順位を上げられなかった
週末の間、なかなか調子を上げられなかった小川選手
2日目の表彰台
トニー・ボウ選手の記者会見でのコメント
トニー・ボウ選手

(これで開幕から3勝。パーフェクトなシーズンの滑り出しだと思うが、と聞かれ)この日本での勝利はチャンピオンシップにとって重要なのは確か。今日は昨日とは違ってイージーなレースでしたが、(2ラップ目)11セクションで大きなミス(減点5)をしたせいで、最後の15セクションではプレッシャーがありました。でもなんとか乗り越えることができ、たいへん意義ある勝利をつかむことができたと思います。

アダム・ラガ選手の記者会見でのコメント
アダム・ラガ選手

(予選で小さなミスがあり、タフな週末だったと思うが、と聞かれ)そうですね。1日目5位に終わり、今シーズンすべてを台無しにしてしまったとまで思いました。1日目に5位になってしまい、2日目はほとんどやる気がなくなるほどでした。トニーにチャレンジするのはとても難しいことで、予選もあのような結果(17位)で早めにスタートしなければいけないのは、思っていたよりも難しいことでした。しかし、1日目はコースが常に変わっていくような状況でしたが、今日はセクションを回っても大きな変化はなく、いい感じで走ることができました。トニーとは並んで勝負はできなかったけれど、優勝に近い2位を獲得できて、ポジティブな気持ちで終えられたのは良かったです。

アルベルト・カベスタニー選手の記者会見でのコメント
アルベルト・カベスタニー選手

(週末、トライアルの内と外で大変だったそうだが、と問われ)そう、本当にハードな週末でした。トラック上もそうですが、チームにとっても難しい事情がありました。マシンの問題は修正していくことができたものの、マインダー(セクション内でライダーをサポートするチームスタッフ)の父親が危篤という知らせがあり、彼は実家に戻らなければならなくなりました。とはいえ、今日の(3位という)結果自体はとてもファンタスティックで、このポディウム獲得をマインダーに捧げたいと思います。彼はこの週末、本当に懸命に仕事をして、我々の助けになってくれて、この結果につながりました。次回もポディウムに立てるように頑張ります。