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【ル・マン24時間 2017】小林可夢偉選手がドライブする7号車 トヨタ TS050 HYBRIDがコースレコードでポールポジション
エンジン交換のトヨタ8号車は中嶋一貴選手のドライブで2位。トヨタが1-2でフロントロー独占
2017年6月16日 07:57
- 2017年6月17日~18日 決勝開催
2017年のル・マン24時間レースが、6月14日~15日(現地時間)に予選、6月17日~18日(現地時間)に決勝という予定で、フランス ル・マン市のサルト・サーキットにおいて開催されている。
6月15日の19時からは予選の2回目、22時からは予選の3回目が行なわれ、17日(土)の15時(日本時間は17日22時)にスタートする決勝のグリッドが争われた。
19時にスタートした予選2回目は、開始直後にWEC開幕戦、第2戦と2連勝して大本命とみられている8号車 トヨタ TS050 HYBRID(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴組)がエンジントラブルでコース脇にストップする大波乱が発生。8号車はエンジン交換することになった。
その後、LMP2クラスの車両がミュルサンヌストレートでクラッシュしたため赤旗中断。中断解除後、最初にコースインした小林可夢偉選手がドライブする7号車 トヨタ TS050 HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ステファン・サラザン組)は、赤旗直後ということでクリーンなコースを完璧なドライビングでまとめて、3分14秒791という驚異的なコースレコードを叩き出し、見事にポールポジションを獲得した。
1989年のコース改修後のコースレコードを小林可夢偉選手が刻む
現地時間19時にスタートした予選2回目では、セバスチャン・ブエミ選手がドライブする8号車 トヨタ TS050 HYBRID(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴組)が突如スローダウン。コースサイドに停止してしまった。8号車はWEC開幕戦、第2戦と連勝し、ル・マン24時間の大本命とされている車両だけにサーキット全体に衝撃が走ったが、その後ブエミは、EVモードで起動させることに成功。なんとかクルマをピットに戻すことに成功した。トヨタがピットで8号車をチェックしたところ、エンジンからオイル漏れが発見され、8号車はエンジン交換されることになった。
その後、マイク・コンウェイ選手がドライブする7号車 トヨタTS050 HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ステファン・サラザン組)が、前日の予選1回目で小林可夢偉選手がマークした3分18秒793をさらに短縮する3分18秒651をマークし、2位の8号車との差を広げにかかった。
ところが、予選が始まって18分が経過したあたりで、LMP2の33号車 リジェ JSP217・ギブソン(ジャック・ニコレット/ピエール・ニコレット/エリック・マリス組)がミュルサンヌストレートでガードレールを破壊するほどの大クラッシュを起こし、赤旗により予選は中断。ガードレールを修理するため予選は50分近くにわたって中断されることになった。
20時8分に予選再開。再び各車がコースインしていった。7号車 トヨタ TS050 HYBRIDはドライバーを小林可夢偉選手に交代して、アタックへと向かっていく。それに続いて、1号車ポルシェ 919 Hybrid(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ組)、2号車 ポルシェ 919 Hybrid(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンダン・ハートレー組)がコースインしていく。
予選再開直後のコースはバックマーカーもほとんどなく、可夢偉選手はほとんどの区間をクリーンな状態で走ることができ、3分14秒791という驚異的なタイムをマークした。そのすぐ後を走っていたニール・ジャニ選手の1号車ポルシェ 919 Hybridもタイムを短縮。3分17秒259で2.4秒差、ティモ・ベルンハルト選手の2号車ポルシェ 919 Hybridは3.371秒差の3分18秒162で、可夢偉選手のコースレコードにサーキットがまさに揺れていた。
可夢偉選手の3分14秒791は、サルト・サーキットの最終コーナーが現在のシケイン形状になり、タイムが大幅に下がって以来のコースレコードとなるタイム。従来のコースレコードである2015年の予選でポルシェのニール・ジャニ選手がマークした3分16秒887を大幅に塗り替える驚異的なタイムだ。
なお、ル・マン24時間のコースレコードは、1971年にペドロ・ロドリゲス(故人)選手がマークした3分13秒9で、可夢偉選手がマークした3分14秒791は、コースが短かったり、シケインがなかったりという旧コース時代を含めても3番目に位置するタイムとなる。
この予選2回目は現地時間21時に終了する予定だったが、赤旗となったこともあり、30分延長され21時半まで行なわれるスケジュールに変更された。しかしながら、21時20分頃にLMP2の車両がクラッシュしてグラベルで動けなくなり赤旗に。その後、そのままの順位で終了することになった。
日暮れ時の予選3回目で、中嶋一貴選手が意地のタイムアップで2位にジャンプアップ
予選3回目は40分という、予定より短いインターバルで22時より開始された。ル・マンの日の入りは22時前後で、22時頃は夕焼け、23時頃は夜の闇が襲ってくることになる。そのため、よいタイムが出るのは最初の数十分で、その後は各車とも夜のセッションに向けたロングランの走行をを行なう。タイムを出せていない車両は、最初の数十分程度の時間にアタックすることになる。
予選2回目にエンジン交換を行なったためよいタイムを記録できていなかった8号車 トヨタTS050 HYBRIDは、中嶋一貴選手のドライブでタイムアタック。3分17秒128のタイムを記録し、LMP1では唯一タイムアップを果たして2位に順位を上げた。これにより、トヨタは7号車、8号車の順で予選1-2を達成し、残る9号車 トヨタTS050 HYBRID(ニコラス・ラピエール/ホセ・マリア・ロペス/国本雄資組)は5位となった。ポルシェの2台は、1号車が予選3位、2号車が予選4位を獲得し、トヨタがフロントローを独占。ポルシェがセカンドローに並ぶグリッド順となった。
LMP2は、予選2回目でトップに立った25号車 オレカ07・ギブソン(ロベルト・ゴンザレス/シモン・トルマー/ヴィタリー・ペトロフ組)を、26号車 オレカ07・ギブソン(ロマン・ルシノフ/ピエール・ティリエ/アレックス・リン組)がナイトセッションとなる予選3回目で逆転し、ポールポジションとなる総合7位を獲得した。
GTEは、予選3回目でも順位が入れ替わる激しい展開。Proクラスは97号車 アストンマーチン ヴァンテージ(ダレン・ターナー/ジョナサン・アダム/ダニエル・セラ組)が、Amクラスは50号車 シボレーコルベット C7-Z06(フェルナンド・レス/ロマン・ブランデラ/クリスチャン・フィリッポン組)がそれぞれポールポジションを獲得した。
ル・マン24時間レース予選結果(結果は暫定)
総合順位 | クラス | 号車 | 車両 | ドライバー | タイヤ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | LMP1 | 7 | トヨタ TS050 HYBRID | マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ステファン・サラザン | MI | 3:14.791 |
2 | LMP1 | 8 | トヨタ TS050 HYBRID | セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴 | MI | 3:17.128 |
3 | LMP1 | 1 | ポルシェ 919 Hybrid | ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ | MI | 3:17.259 |
4 | LMP1 | 2 | ポルシェ 919 Hybrid | ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンダン・ハートレー | MI | 3:18.067 |
5 | LMP1 | 9 | トヨタ TS050 HYBRID | ニコラス・ラピエール/ホセ・マリア・ロペス/国本雄資 | MI | 3:19.889 |
7 | LMP2 | 26 | オレカ07・ギブソン | ロマン・ルシノフ/ピエール・ティリエ/アレックス・リン | DL | 3:25.352 |
32 | GTE-Pro | 97 | アストンマーチンヴァンテージ | ダレン・ターナー/ジョナサン・アダム/ダニエル・セラ | MI | 3:50.837 |
44 | GTE-Am | 50 | シボレーコルベット C7-Z06 | フェルナンド・レス/ロマン・ブランデラ/クリスチャン・フィリッポン | MI | 3:52.843 |