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住友ゴムとダンロップスポーツの経営統合、スポーツ事業で「ダンロップ」ブランドを世界展開

住友ゴム社長 池田氏「ダンロップブランドの価値向上で中長期的な発展に繋げていく」

2017年8月31日 開催

住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 池田育嗣氏(左)とダンロップスポーツ株式会社 代表取締役社長 木滑和生氏(右)

 住友ゴム工業とダンロップスポーツは8月31日、住友ゴムグループ スポーツ事業統合に関する説明会を開催。説明会には住友ゴム工業 代表取締役社長 池田育嗣氏、ダンロップスポーツ 代表取締役社長 木滑和生氏が出席して事業統合の狙いを話した。

住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 池田育嗣氏

 住友ゴムは8月29日に、同社のスポーツ事業子会社であるダンロップスポーツと、海外で「ダンロップ」ブランドのスポーツ用品事業とライセンス事業等を行なうダンロップインターナショナルを、それぞれ住友ゴムに合併することでグループのスポーツ事業を統合すると発表している。

 統合後のスポーツ事業については、ダンロップスポーツが展開している「ゼクシオ」「スリクソン」「クリーブランドゴルフ」といったブランドに、全世界で展開可能な「ダンロップ」ブランドを加えて、展開地域や取り扱い種目等の事業ドメインを拡大していくとしている。

 説明会で池田氏は「同事業においてこれまで日本、韓国、台湾でしかダンロップブランドの商標権がないという制約があったが、当社は4月に英国のスポーツダイレクトインターナショナルから、海外のダンロップ商標権、ダンロップのスポーツ用品事業、およびライセンス事業を譲り受けたことで、スポーツ事業においては全世界でダンロップブランドの商品を展開することが可能となった。このダンロップブランドを最大限活用して事業の最大化を図るためには、ダンロップスポーツだけではなくグループの持つ全てのリソースを活用して、総力を挙げて取り組む必要があるとの判断から、今回の事業統合を決断した」と狙いを述べた。

 また、今後の事業展開について池田氏は「具体的な計画、新規分野については現在検討中。合併後の組織体制についても両社で詳細を検討中。今回の目的を達成するための組織を早急に構築する計画」と述べるとともに、「統合メリットを最大限に生かし住友ゴムグループの経営資源を活用することで、ダンロップブランドの価値を向上させて、住友グループの中長期的な発展に繋げていく」との意気込みを示した。

経営統合によりダンロップブランドの価値向上とグループ事業の拡大発展を目標に掲げた
スポーツ事業では全世界でダンロップブランドが展開可能
質疑応答に答える池田氏

 統合後はスポーツ事業の拡大を目標の1つに掲げているが、池田氏は「タイヤ事業では世界規模で2桁の伸びを目指しているので、私としてはスポーツ事業も同じようについていってほしい」との期待感を述べるとともに、「タイヤ事業では新興国を中心にダンロップブランドのタイヤで頑張っているが、同じダンロップブランドを活用してスポーツの分野で協業ができないかと考えている。スポーツのビジネスを活用することでお互いを伸ばすチャンスがあると考えている」と経営統合のメリットを示した。

 現在、住友ゴムはダンロップの商標権に関して、スポーツ事業では全世界展開する権利を持つものの、タイヤ事業においては、欧米、インド、豪州等を除くエリアでしかダンロップブランドの所有権を保持していない。

 そのほかの地域となる欧州では新車用・補修用タイヤで、米国、カナダ、メキシコでは補修用と新車用(非日系自動車メーカー)で、米グッドイヤーがダンロップブランドタイヤを販売する権利を保持している。

 会見中の質疑応答で、池田氏は「我々、タイヤ事業では欧米でダンロップのブランド権を持っていないが、将来のことを考えてダンロップブランドのバリューアップはスポーツの部門でも続けていきたい。スポーツ事業では全世界で(ダンロップブランド)が使えるわけですから、全世界で活用することで必ず将来に繋がると考えて展開していく」との考えを示した。