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横浜ゴム、AIなどインフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発
高性能タイヤの開発精度や開発スピードを高めることに期待
2017年10月24日 00:00
- 2017年10月23日 発表
横浜ゴムは10月23日、タイヤのゴム材料と形状設計にAIによる情報・知識探査などインフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発したと発表した。
今回開発した新技術は、従来、技術者が主観的に行なっていた情報と知識の探査過程においてAIを活用した。これにより、さまざまな商品カテゴリーに合った性能バランスを実現するために重要となる設計因子を客観的かつ定量的に短時間で導き出すことが可能となり、高性能タイヤの開発精度や開発スピードを飛躍的に高めることが期待できるという。
具体的には、低燃費性能と耐摩耗性能が高いという背反性能を実現するタイヤを目標とした場合、ゴム材料設計(マテリアルズ・インフォマティクス)においては配合フィラーの大きさやフィラー界面に形成されるバウンドラバー層の厚さ、またタイヤ形状においてはタイヤ断面の曲率半径などをどの範囲の数値に設定すればよいかを知ることができるとしている。
また、今回の新技術では既存の検討範囲を超えた広大な設計空間でのデータ取得が可能となり、ブレイクスルーに繋がる設計因子の獲得、さらにその設計因子が重要となるメカニズムも解析可能となり、今後、そのメカニズムに基づいた新たな開発アプローチの発想を得ることも期待できるという。
同社はゴム材料やタイヤ形状の設計にシミュレーション技術を取り入れ、2005年に高精度シミュレーション技術「マルチスケール・シミュレーション」と多数の最適設計案を地図情報で表示する「マルチパフォーマンス・マップ」、2015年に膨大な仮想ゴム構造のモデル化を可能にした多目的設計探査シミュレーション技術などを開発している。今回の新技術はこれらをより進化させたものとしている。