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NHKドラマ「真夜中のスーパーカー」主演の山本美月さん、レーシングスーツで「戦闘モードに」
3月28日22時よりNHKのBSプレミアムで公開
2018年3月21日 08:00
- 2018年3月28日22時 オンエア
「2000GT」と「LFA」が劇中でバトルを繰り広げるNHKのドラマ「真夜中のスーパーカー」が3月28日22時よりBSプレミアムで放送される。同ドラマの主演で女優の山本美月さんがインタビューに応える取材会が開催され、撮影を終えてからのドラマへの思いや感想などを話した。
「真夜中のスーパーカー」はNHK名古屋放送局が制作する愛知発地域ドラマ。ドラマの舞台は愛知県の長久手市。世界の名車が並ぶ自動車博物館を舞台に自動車開発に命をかける人々の葛藤と軌跡を描いた自動車をめぐる夢と興奮のファンタジードラマという。
山本さんが演じる主人公の白雪は自動車会社の女性カーデザイナーで、伝説の名車「2000GT」を超えるスーパーカーをいつか自ら作ることを夢見る。“走る快楽こそクルマの醍醐味”と信じる白雪は、上司とぶつかった末にデザイナーをクビになり、自動運転車の開発部署へと異動を命じられる。
「運転する楽しみを奪われたクルマを作るくらいなら会社を辞めたい」と白雪が訪れたのは、古今東西の名車が揃う自動車博物館。一心不乱に2000GTをデッサンしていた白雪の前に、2000GT盗難計画を企んでいる上遠野太洸さん演じる日系ブラジル人4世・リカルド、そして2000GTの運転席に現れた唐沢寿明さん演じる白いレーシングスーツの男が現れて、博物館は真夜中の別の顔を見せ始めるという展開に。
今回の撮影について、山本さんは「ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフトとか専門用語が多く、よくセリフを覚えられたなと思います」と話すとともに、「セリフを覚えるのは大変でした。台本を読んでもレースのシーンでは何が行なわれているのか分からなく、ノーズがとか、グリップがとか、発音もよく分からないですし、リトラクタブルライトはどこのこと?とか、全て調べて勉強しました」と、クルマに詳しい人にも失礼がないよう専門用語の扱いには気をつけたという。
主人公の白雪の人物像について、山本さんは“感情の起伏の激しいアニメキャラのような存在”と表現、「彼女はクルマオタクで、私もアニメが好きでオタクの気持ちが分かるのでやりやすかった」と語った。
その白雪の愛車はドリフト仕様の“ハチロク”レビンという設定。山本さんは「2000GTは乗り心地もよくて、すごくしっくりきました。ハチロクはちょっと難しく、いかつくて“乗り心地”ではないですね(笑)。私自身はレトロで丸っこくてかわいく、乗り心地がいいのが好きですね」と、撮影では実際に2000GTとハチロクに乗ったという。
特殊撮影を実施したという2000GTとLFAの真剣勝負のシーンでは、2000GTを操るテストドライバーの鵜飼龍太氏、LFAに乗る女性プロレーサー今橋彩佳氏による走行を最新のクレーンカメラカーで撮影。クレーンカーの運転、クレーンの操作、カメラの操作、ピントの操作をする4名が協力してクルマの走行シーンを撮影。クルマの走行映像にこだわるとともに音にもこだわり、2000GTが搭載する直列6気筒DOHCエンジンと、LFAの搭載するV型10気筒DOHCエンジンのサウンドは、LFAのチーフエンジニアが立ち会ってミキシングを監修したという。
クルマのバトルシーンに合わせて、劇中で山本さんもレーシングスーツ姿で登場。山本さんは「自分に合わせて作っていただいてすごくしっくりきました。現場ではみんな褒めてくれて、うれしかったです。着心地もよく、通気性もよくて、ちょっとコスプレしているような気持ちで、戦闘モードに入る感じだなと思いました」とレーシングスーツを着た感想を話した。
今回の撮影で印象に残ったシーンについて、山本さんは「たくさん印象に残るシーンがありましたが、唐沢さんが登場するあたりの光とか音が印象的でした。普通に顔を明るくする照明とかではなく、スモークを炊いたりカラフルな照明で紙吹雪がまったり、文化祭みたいにみんなでそのシーンを作り上げて、私も作品にきちんと参加している感じがしました。そのシーンには地域の方もたくさん協力していただいて、エキストラとしてデザイン会社の皆さんやおばけのダンサーさんとかに参加していただいて、水木(一郎)さんも“ゼット”のポーズを決めてくれたり、ファンタジーが始まるシーンの幕開けという感じですね」と話した。
ドラマは真夜中のナイト・ミュージアムに幽閉された白雪とリカルドが、果たして無事に元の世界に戻ることができるのか?というファンタジーでありつつ、挫折を経験した白雪の成長物語でもあるという。
「(作品は)白雪が成長していく物語で、撮影を通じて私自身も成長していたらいいなと思っています。CanCamのモデルを卒業してから何度かドラマの主演をさせていただいて、まわりが見えるようになってきたと思います。一緒に作品を作っているんだというのが分かって、撮影、照明、録音、俳優の皆さんが同じ並びで作品を作り上げているということを感じました」と山本さんは感想を語った。