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メルセデス・ベンツ、20年ぶりに直6エンジン復活。電動スーパーチャージャー初搭載の新型「S 450」
16kW/250Nmを発生する「ISG」も新搭載して俊敏なエンジンレスポンスを実現
2018年3月1日 15:44
- 2018年3月1日 予約受付開始
- 1147万円~1473万円
メルセデス・ベンツ日本は3月1日、新技術「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」を搭載した「S 450」の予約受付を開始した。価格は1147万円~1473万円。
今回予約注文の受け付けを開始したのは、ISGを搭載した「S 450」、装備を充実させた「S 450 エクスクルーシブ」、全長を130mm長くして後席の空間を広げた「S 450 ロング」の3モデル。S 450とS 450 エクスクルーシブの納車は4月ごろ、S 450 ロングの納車は夏ごろをそれぞれ予定している。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | ステアリング位置 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
S 450 | 直列6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボ | 9速AT | 2WD(FR) | 右/左 | 11,470,000円 |
S 450 エクスクルーシブ | 13,630,000円 | ||||
S 450 ロング | 14,730,000円 |
新型となる3モデルは、それぞれ最高出力270kW(367PS)/5500-6100rpm、最大トルク500Nm(51.0kgm)/1600-4000rpmを発生する直列6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボエンジン「M256」型を搭載し、トランスミッションに9速ATを組み合わせる。
M256型エンジンは電動化を前提にして設計された初めてのパワーユニットとなり、低回転域で過給を行なう「電動スーパーチャージャー」を組み合わせてターボラグを解消。あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを実現した。
また、直列エンジンとしたことでエンジン左右のスペースに補器類を配置することが可能となり、エンジン回転を動力源としていたエアコンディショナーやウォーターポンプなども電動化してエンジンをコンパクト化。エンジン近接型の触媒を採用してより効率的な排出ガス処理を可能とした。さらに、12mm オフセットされたエンジンや、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減している。
さらに、エンジンとトランスミッションの間に配置された最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する電気モーターと「48V電気システム」により、ハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行ない、容量約1kWhのリチウムイオンバッテリーに充電。エンジンの回転数が低い際に電力を利用して動力補助を行なうことで、高い効率性と力強い加速を可能とした。
なお、電気モーターはオルタネーターとスターターの機能も兼ねており、スターターが高出力となることでエンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートやアイドリングストップの際の再スタートの快適性を向上。ドライバーの走行データやレーダーセンサーからの情報を元に周囲の状況を予測して、エンジンが2秒以上停止しないと予測した場合にはあえてアイドリングストップをしない機能を採用し、燃料消費率が増加する2秒以下のエンジン停止を行なわないようにした。加えて、アイドリング時には電気モーターの充電電流を調整することでエンジン回転数を520rpmで安定的に保つことを可能として、効率性や快適性、静粛性に寄与している。
エクステリアでは、全車ツインルーバーとなったフロントグリルやワイドなエアインテークを採用したことで、より印象的かつ精悍でダイナミックな外観に変更。リアバンパー下部もデザインが変更され、左右のエグゾーストエンドを結ぶワイドなクロームトリムで威厳を感じさせるデザインとした。また、光ファイバーによる3本のラインが特徴的なフルLEDヘッドライトや、満天の星空の輝きをイメージした「クリスタルルック」をリアコンビネーションランプに採用。LED化されたリアコンビネーションランプが内側から外側へ、下側から上側へと流れるように解錠/施錠時に点灯する「カミングホームファンクション機能」も新たに導入した。
インテリアでは、64色のアンビエントライトや、ドライバーの視野に直接入るべきさまざまな情報を表示する大型ディスプレイと、センターコンソール上方のセンターディスプレイの2つの高精細12.3インチワイドディスプレイを1枚のガラスカバーで融合したコクピットディスプレイを設定。インストルメントクラスターとなるこのコックピットディスプレイのデザインは「クラシック」「スポーツ」「プログレッシブ」の3種類から好みで設定することが可能で、インテリアデザインの水平方向の流れを強調している。
そのほかにも、タッチセンサー機能を内蔵したステアリング上のボタンによりインフォテイメントの各機能の操作を簡単かつ機能的に操作することが可能となり、ナビゲーション機能や通話機能だけではなく、エアコンディショナーやシートヒーター/シートベンチーター、アンビエントライトなどの車両機能も音声認識に対応。Apple CarPlayやAndroidAutoといったスマートフォンのコネクティビティ関連機能も拡張され、Qi規格対応機種の携帯電話を無線充電する「ワイヤレスチャージング機能」も前席に標準装備された。
運転支援技術「インテリジェントドライブ」では、レーダーセンサーと新しく採用したマルチパーパスカメラで先行車や左右の車線を監視して、突然渋滞の最後尾が現われた場合などに前走車との衝突の危険を検知する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」を搭載。作動範囲は0~約210km/hとなり、高速道路での渋滞時に自動停止した際に、30秒以内(一般道では3秒以内)に先行車が発進した場合は、ドライバーがアクセルを踏まなくても自動で再発進可能とした。
また、車線のカーブと先行車を認識して車間を維持しながらステアリング操作をアシストする「アクティブステアリングアシスト」では、車線が不明瞭な場合はガードレールなどを認識することも可能となった(車線が不明瞭な場合のアクティブステアリングアシスト作動範囲は0~約130km/hで設定可能)。
加えて、車線変更の際にウィンカーを作動させると周囲の安全を確認して自動で車線変更を行なう「アクティブレーンチェンジングアシスト」の利便性を向上。「渋滞時緊急ブレーキ機能」では、渋滞末尾で回避操作を行なう空間的余裕がない危険な状況を検知して、通常よりはるかに早い段階でブレーキを自動で作動させる機能を搭載するなど機能を向上させている。