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【バリアフリー 2018】初公開された新型「N-BOX スロープ仕様」のトークショー開催。開発者 白土清成氏と、まるも亜希子さん登壇

手話の解説付き

2018年4月19日~21日 開催

入場無料(登録制)

新型「N-BOX スロープ仕様」の開発者トークショーが開催された。開発者 白土清成氏(左)と、まるも亜希子さん(右)

 インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区南港北)で4月12日まで開催されている「バリアフリー 2018」の会場で初公開された「N-BOX スロープ仕様」。話題の製品とあって、ホンダブースには多くの人がN-BOX スロープ仕様をはじめとした各種福祉車両の見学に訪れている。

 そのホンダブースで開催されていたのが、「N-BOX スロープ仕様 開発者トークショー」。本記事ではこの開発者トークショーをお届けする。

 トークショーには、通常版N-BOXの開発者でもある本田技術研究所 四輪R&Dセンター 白土清成氏と、本誌でも「まるも亜希子の『寄り道日和』」を連載いただいているカーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんが登壇。まるもさんが開発者である白土氏に、N-BOX スロープ仕様の特徴などを聞き、実際にN-BOX スロープ仕様を体験するものだった。

株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター 白土清成氏
カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さん。Car Watchではコラム連載やインプレッション記事でおなじみ

 白土氏は、まるもさんの質問に答えつつ、N-BOXシリーズを「子育てママが使っているクルマ」「あらゆる使い勝手を考えて作ったクルマ」と紹介。N-BOX スロープ仕様は、本日(4月19日)が発表日となるが、「車いす仕様」と名付けなかったことについて、N-BOXは軽自動車ではなく、ファミリーカーとして作ったと紹介。N-BOXの開発テーマでもある“Nのある生活(N for life)”に触れるとともに、「日本の家族のしあわせのために」作ったクルマであることが大きな理由になるという。

 このスロープ仕様は、スロープ用のアルミ板を装備しており、それが手軽に引き出せるのが特徴となっている。このスロープアルミ板についても、従来のものよりも約2.5kg軽量化。車いす利用者はもちろん、介助する人への使い勝手を考慮し、車いす利用者と介助者のいずれもがラクに使えることが大切だという。

トークショーの前説。前説から手話でトークショーのサポートを行なう
「日本の家族のしあわせのために」作ったクルマ
N-BOXのラインアップ。介護にも便利だが、使い勝手がよいためホビーにも便利としている

 まるもさんの「開発で苦労した点は?」という質問に対しては、「手すりに苦労した」と即答。使い勝手がよく、剛性感のある手すりを設計&装備することで、気軽に使ってもらえることに配慮しているとのことだ。

 白土氏はトークショーの中で、ホンダの創業者である本田宗一郎氏の言葉を紹介。技術は手段にしか過ぎず、その技術を使っていかに人に喜んでもらうかを考えてクルマ作りを行なうのがホンダだという。

本田創業者 本田宗一郎氏の言葉

 その後は、まるもさんが白土氏の解説を聞きながら使い勝手をチェック。実際に車いすにまるもさんが乗り、白土氏がリモコンを使う形で、スロープ仕様に車いすが容易に収まることをデモしていた。

スロープの使い勝手をチェック。スロープ単体で約2.5kg軽量化されており、「かるーい」(まるもさん)とのこと
車いすの搭載デモ。白土氏は右手のリモコンでウインチを動作させており、力をほとんど使っていないとのこと

 この新しいN-BOX スロープ仕様のポイントは、フルモデルチェンジしたN-BOXシリーズ最大の荷室空間を持つほか、スロープまわりの軽量化や、先進安全装備Honda SENSINGを全車備えていることも挙げられる。とくに、カラーバリエーションやカスタム仕様など、「通常のN-BOXで選べるものは、スロープ仕様でも選べるようにした」と白土氏が言うように、N-BOX同様の選ぶ楽しみがある。会場にもピンクのスロープ仕様や、カスタムのスロープ仕様が置かれており、トークショー終了後は来場客がその使い勝手を確認していた。

ピンクのN-BOX スロープ仕様
こちらはカスタムのスロープ仕様