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島津製作所、稼働中のエンジン内を自動計測する世界初のエンジン筒内高速モニター「DIOMELAS(ディオメラス)」

価格は4500万円(税別)。「人とくるまのテクノロジー展 2018」で展示

2018年5月21日 発売

4500万円(税別)

5月21日に発売された世界初のエンジン筒内高速モニター「DIOMELAS(ディオメラス)」(税別4500万円)

 島津製作所は5月21日、稼働しているエンジン内の温度、CO2濃度、水分濃度を自動的に同時計測する世界初のエンジン筒内高速モニター「DIOMELAS(ディオメラス)」を発売した。価格は4500万円(税別)。島津製作所はこのディオメラスを、5月23日~25日にパシフィコ横浜・展示ホール(神奈川県横浜市)で開催される自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜」の会場で展示する。

 ディオメラスは、2017年5月に発表した新技術(関連記事:島津製作所、動いているエンジン内の温度とCO2をレーザー工学で同時計測する新技術)を実用化した製品。導入メーカーが扱いやすいようコンポーネント化されており、クルマや産業用エンジンのモデルベース開発(シミュレーションに基づく設計手法)での設計精度の向上、開発工数の削減、燃費性能と排出ガス性能の改善などに寄与することが期待されている。

 ディオメラスでは、稼働中のエンジンシリンダー内に小型プローブ(探針)先端の検出部を10mm挿入し、照射したレーザー光の吸光度を測定することで、エンジン内の温度、CO2濃度、水分濃度を最短2万分の1秒という周期で高速計測。加速や減速するときなど、燃費や排出ガスに大きく影響する“過渡的な運転状態”における燃焼状態の経時的変化をチェックできる。

 新たに高速演算を実現するアルゴリズムを導入してデータ処理の時間を抑えることが可能になったほか、吸光度の取得とデータの処理を並行して行なえるようになり、大容量のデータを高速で処理し、計測間の待機時間を最小限に留められるようにした。

 また、エンジンの試験で使われるエンジンベンチシステムとの連動に対応し、エンジンベンチシステムから送られる制御信号によって計測の開始・終了などの操作を自動化。人間が操作することなくデータを取得し続けることが可能となっている。

ディオメラスで使用される小型プローブ先端の検出部