ニュース

アルファ ロメオ、ブランド初の新型プレミアムSUV「ステルヴィオ」発表会。ファースト・エディションを7月21日発売

カタログモデルとしてベースモデルに加え「Luxury Package」「Sport Package」「クアドリフォリオ」を展開

2018年7月9日 開催

689万円

新型プレミアムSUV「ステルヴィオ」(ファースト・エディション)

 FCA ジャパンは7月9日、アルファ ロメオブランド初の新型プレミアムSUV「ステルヴィオ(Stelvio)」の発表会および試乗会を長野県で開催した。

 まずは日本導入を記念して「ファースト・エディション」を400台限定で7月21日に発売するが、発表会では今回のファースト・エディションのほか、ジュリア ヴェローチェと同じく直列4気筒2.0リッターターボエンジンを搭載するベースモデルおよび「Luxury Package」「Sport Package」、V型6気筒2.9リッターツインターボエンジンを搭載する「クアドリフォリオ」が年内に導入されることが明かされた。

ステルヴィオは、カタログモデルとしてベースモデルおよび「Luxury Package」「Sport Package」「クアドリフォリオ」がラインアップ予定

 ステルヴィオは、2017年9月に日本で行なわれた新型フラグシップセダン「ジュリア」の発表会でサプライズ展示され、1年以内に日本に導入することが明言されていた。ジュリアと同じ「GIORGIOプラットフォーム」を用い、ファースト・エディションのボディサイズは4690×1905×1680mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2820mmというDセグメントに属するモデルになる。

 SUVながら運動性能に長けたモデルとなっており、それを端的に示すのが2017年9月にニュルブルクリンク北コースでクアドリフォリオがマークした、量産SUV最速となる7分51秒7というラップタイム。ジュリアからパワートレーンをはじめ、カーボンプロペラシャフトやアルミニウムを多用したALFA LINK(アルファ・リンク)サスペンションといった軽量で高剛性なアーキテクチャーを受け継ぎ、優れた操縦安定性やハンドリング性能を実現しているのが特徴になる。

ファースト・エディションのボディサイズは4690×1905×1680mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2820mm
ファースト・エディションのヘッドライトはバイキセノン式で、LEDデイタイムランニングライトを備える。エンジンフードやフロントフェンダー、ドアアウターパネル、リアハッチには軽量なアルミニウム素材を採用し、理想的な前後重量配分や優れたパワーウェイトレシオを実現
ヘッドライトの点灯パターン
テールランプの点灯パターン

 ファースト・エディションのパワートレーンについては、最高出力206kW(280PS)/5250rpm、最大トルク400N・m(40.8kgf・m)/2250rpmを発生する直列4気筒2.0リッターツインスクロールターボエンジンに8速ATの組み合わせ。

 ファースト・エディションの特別装備として、エクステリアではレッド仕上げのブレーキキャリパーや専用デザインの20インチ5ツインスポークアルミホイールを、インテリアにはプレミアムレザーシートやウッドパネルがおごられる。

 ボディカラーは、「アルファ ホワイト」「アルファ レッド」「ストロンボリ グレー」「ブルカノ ブラック」の各色を100台ずつ用意する。

ファースト・エディションのインテリアではレザーシートをはじめ、8ウェイパワーシート(前席、運転席メモリー付)、レザーステアリング、ヒーテッドステアリングなどを装備。車載インフォテインメントシステム「Connectシステム」(8.8インチディスプレイ、音声認識機能付)も標準装備となる
ラゲッジスペースはスクエアな形状を特徴とし、525Lの容量を確保

アルファ ロメオの歴史上、初の本格的SUV

ステルヴィオのチーフエンジニアを務めるアンドレア・ジザック氏

 発表会ではステルヴィオのチーフエンジニアを務めるアンドレア・ジザック氏がプレゼンテーションを行なうとともに、FCA ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネージャーの平野智氏がステルヴィオの訴求ポイントなどについて語った。

 ジザック氏はプレゼンテーションの冒頭に「ステルヴィオはアルファ ロメオの歴史上、初めてとなる本格的なSUVで、ジュリアでも用いられるGIORGIOプラットフォームで構築された新しいモデルのパフォーマンスを実感していただければと思います」と述べるとともに、ジュリアとステルヴィオのディメンションの違いなどを紹介。

 ステルヴィオでは、ジュリアから座面の高さが190mmアップするとともに、最低地上高が65mm高くなり、サスペンションのストロークが増加。これにより「よりよいドライビングに加え、最低地上高を上げたことによりオフロードでもその性能を実感できると思います。また、ジュリアからフロントのトレッドは54mm、リアのトレッドは29mmそれぞれ増え、バランスの取れたドライビングを楽しめます。ホイールベースは共通の2820mmですが、カテゴリー(Dセグメント)の中では最長のものになっています」と紹介。

 また、走行性能についてはロール角が同じカテゴリーに属する他のSUVよりも低いこと、ジュリアと同じロール軸に設定していること、Cd値0.30と空力性能に優れることをアピールした。

ジュリアでも用いられるGIORGIOプラットフォームを採用
ジュリアとステルヴィオのディメンションの違い
ホイールベースは共通の2820mm
ロール角は同じカテゴリーに属する他のSUVよりも低い
ジュリアと同じロール軸に設定
Cd値0.30と空力性能に優れる

 一方で、室内では「足下や肩の部分、頭上の広さなどが特徴で、ラゲッジ容量も業界高水準の525Lを確保しました。ラゲッジスペースは四角いので荷物が出しやすく、電動パワーテールゲートも標準装備しています」と居住性や利便性に優れることを紹介するとともに、「インパネのデザインはジュリアと同様、ドライバー側に傾けたドライバー中心のもので、人間工学に基づいてスイッチ類などは極力減らしました」と、その特徴について語った。

 そして走行性能については、ファースト・エディションではアルミ製の直列4気筒2.0リッターターボエンジンを搭載するとともに、アルファ ロメオ独自の可変トルク配分機構を備える4WDシステム「Alfa Romeo Q4」を採用したことについて触れるとともに、「骨格については軽量化を目指す一方で、堅牢なものを求めました。そのためリアボディ、ボンネットフード、サスペンション、ブレーキキャリパー、エンジンなどにアルミニウムを採用しました。また、プロペラシャフトにはカーボンファイバーを用い、通常よりも15kg軽量化することに成功しています。これらにより、同じカテゴリーに属するSUVでもっとも軽量化を図ることができ、パワーウェイトレシオもベスト・イン・クラスです」と紹介。

 加えて前後重量配分が50:50であること、ステアリングレシオをダイレクトな12:1にしたこと、強力なブレーキシステムにより100-0km/hの制動距離が37.5mを実現したことを紹介するとともに、ステルヴィオではアダプティブクルーズコントロール(ACC)、自動緊急ブレーキ(AEB)、レーンデパーチャーウォーニング(LDW)、ブラインドスポットモニター(BSM)といった先進の安全装備を備えていることもアピールした。

室内スペースなど
ラゲッジスペースの容量は525L
インテリアデザイン
直列4気筒2.0リッターターボエンジン
4WDシステム「Alfa Romeo Q4」を採用
リアボディ、ボンネットフード、サスペンション、ブレーキキャリパー、エンジンなどにアルミニウムを、プロペラシャフトにカーボンファイバーを採用
プロペラシャフトのカーボン化により通常よりも15kg軽量化できたという
車両重量について
ALFA LINK(アルファ・リンク)サスペンション
前後重量配分は50:50
ステアリングレシオは12:1
100-0km/hの制動距離は37.5m
先進の安全装備も搭載
FCA ジャパン株式会社 マーケティング本部 プロダクトマネージャーの平野智氏

 一方、ステルヴィオの補足説明や日本市場におけるアルファ ロメオブランドについて説明を行なった平野氏は、ステルヴィオが「GIORGIOプラットフォームをベースとする第2弾」「アルファ ロメオブランド初の量産SUV」「将来性のあるプレミアムD-SUVセグメント商品」という3点の特徴を備えていると説明。

 GIORGIOプラットフォームについては、「6月1日に行なわれた投資家向けの会見において、セルジオ・マルキオンネCEOはこのプラットフォームを利用してさらにCセグメントからEセグメントにわたってさまざまなモデルを導入していくことを案内しています」と今後の展開について述べるとともに、「ステルヴィオが属するDセグメント市場は、もともとはセダンとステーションワゴンが中心の市場でしたが、2016年からSUVが台数を増やし、セダンに次ぐ台数の規模が予想されています。強力なライバルが多くおりますが、ステルヴィオがどういったプレゼンスを放っていけるのかが、われわれの今後の計画の要になります」と説明された。

ステルヴィオの特徴点
GIORGIOプラットフォームの発展性について
ステルヴィオはブランド初の量産SUV
プレミアムDセグメントの市況
プレミアムDセグメントは強力なライバルがひしめく
ステルヴィオの訴求ポイント
ステルヴィオはドライバーズSUV
ステルヴィオを表す特徴的な数値
アルファ ロメオブランドは個性的な人に好かれる
カタログモデルも年内に導入予定
ファースト・エディションの価格は689万円