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アルファ ロメオ、510PSのV6ツインターボもある新型スポーツサルーン「ジュリア」発表会レポート
ブランド初のSUV「ステルヴィオ」をサプライズ公開。「1年以内に日本導入」と明言
2017年9月6日 22:49
- 2017年9月6日 開催
FCA ジャパンは9月6日、アルファ ロメオブランドの新型フラグシップセダン「ジュリア」の発表会を都内で開催した。ジュリアの価格は446万円~1132万円で、10月14日に発売される。
既報のとおり、新型ジュリアは1962年に誕生した初代ジュリア、156、159の系譜を継ぐDセグメントのスポーツサルーン。標準モデルの「ジュリア」(受注生産)、ラグジュアリーグレードの「ジュリア Super(スーパー)」、スポーティグレードの「ジュリア Veloce(ヴェローチェ)」、ハイエンドモデルの「ジュリア Quadrifoglio(クアドリフォリオ)」の4グレードが展開される。
ジュリア、ジュリア スーパー、ジュリア ヴェローチェは直列4気筒2.0リッター直噴ターボエンジンを、ジュリア クアドリフォリオはフェラーリ出身のエンジニアチームが中心となって開発を進めたというV型6気筒2.9リッター直噴ツインターボエンジンを搭載し、いずれも8速ATを組み合わせる。出力についてはジュリア、ジュリア スーパーが200PS/330Nm、ジュリア ヴェローチェは280PS/400Nm、ジュリア クアドリフォリオは510PS/600Nmを発生。駆動方式はジュリア ヴェローチェのみ4WDで、そのほかのグレードはすべて2WD(FR)になる。
また、50:50の前後重量配分を特徴として挙げるとともに、ボディ底面のフラッシュサーフェイス化、カーボンプロペラシャフト、アルミ製の「ALFA LINK」サスペンションなどを全車に標準装備して走行性能を高めたという。
エクステリアではフロントオーバーハングを切り詰め、操縦安定性の向上と安定感あるフォルムを実現するとともに、LEDのデイタイムランニングライトやテールランプを採用するなど現代的な装備が与えられた。また、インテリアではレザーシートをはじめ、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応する車載インフォテインメントシステム「Connectシステム」(8.8インチディスプレイ、音声認識機能付)などを全車に標準装備する。
そのほか歩行者検知機能付きの前面衝突警報(FCW)、自動緊急ブレーキ(AEB)といった最新の安全装備を搭載するとともに、ジュリア スーパー以上のグレードではアダプティブクルーズコントロール(ACC)やブラインドスポットモニター(BSM)も装備されている。
発表会には、FCA ジャパン 代表取締役兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏、伊アルファ ロメオでエクステリア・チーフデザイナーを務めるアレッサンドロ・マッコリーニ氏が登壇して新型ジュリアの概要などについて紹介を行なった。
ジュリア主要諸元
ジュリア(受注生産) | ジュリア SUPER | ジュリア VELOCE | ジュリア QUADRIFOGLIO | |
---|---|---|---|---|
価格 | 4,460,000円 | 5,430,000円 | 5,970,000円 | 11,320,000円 |
ステアリング位置 | 右 | 左 | 右 | |
乗車定員 | 5名 | 4名 | ||
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,645×1,865×1,435mm | 4,655×1,865×1,435mm | 4,635×1,865×1,435mm | |
ホイールベース | 2,820mm | |||
車両重量 | 1,590kg | 1,670kg | 1,710kg | |
エンジン | 直列4気筒2.0リッター直噴ターボ | V型6気筒2.9リッター直噴ツインターボ | ||
最高出力 | 147kW(200PS)/5,000rpm | 206kW(280PS)/5,250rpm | 375kW(510PS)/6,500rpm | |
最大トルク | 330Nm(33.7kgm)/1,750rpm | 400Nm(40.8kgm)/2,250rpm | 600Nm(61.2kgm)/2,550rpm | |
変速機 | 8速AT | |||
駆動方式 | 2WD(FR) | 4WD | 2WD(FR) | |
JC08モード燃費 | 13.6km/L | 12.0km/L | - | |
サスペンション(前/後) | ダブルウィッシュボーン/マルチリンク | |||
主ブレーキ(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | |||
タイヤサイズ(前) | 225/50 R17 | 225/45 R18 | 225/45 R18 | 245/35 ZR19 |
タイヤサイズ(後) | 225/50 R17 | 255/40 R18 | 225/45 R18 | 285/30 ZR19 |
はじめに登壇したヘグストロム社長は、FCA ジャパンが取り扱う各ブランド(フィアット、アルファ ロメオ、アバルト、クライスラー、ジープ)の販売状況について触れ、フィアットグループとクライスラーグループの協業を開始した2009年は5ブランド合計で8515台だったところ、2016年には2万台を突破。2017年も2万2000台という目標を掲げていることを述べるとともに、「ジープブランドは、2017年1月からの累計ベースで過去最高を記録した2016年を上まわり、8年前は1000台だったところ今年は1万台を超える見通しです。またアバルトブランドも1-8月の累計販売台数は2200台を超え、過去最高記録を達成した昨年を大幅に上まわり、2009年に国内導入してからわずか8年で日本は世界3番目の販売台数になりました」と、各ブランドのモデルの販売が好調であることを報告。
そして新型ジュリアに関しては、「ジュリアのシートに座るだけで、このクルマがドライバーを中心に作られ、息をのむドライビング体験を約束する後輪駆動モデルであることが分かります。由緒正しきブランドに皆様が寄せる期待のすべてを1台のクルマに凝縮しました。ヨーロッパ全体で、2017年上半期の販売台数でアルファ ロメオブランドは前年同期比で40%増と大きな成長を記録しましたが、この原動力となったのが新型ジュリアなのです」と述べ、新型ジュリアの概要について語った。
アルファ ロメオのデザインについては、マッコリーニ氏がプレゼンテーションを実施。マッコリーニ氏はアルファ ロメオブランドの歴史を振り返るとともに、「アルファ ロメオに直結するキーワードとして『美しい』『タイムレスである』『彫刻的である』があり、なかでも美しさを凝縮したのが新型ジュリアになります」とコメント。また、近年のアルファ ロメオブランドのモデルとして、デザイン面での礎になっているのが「8C コンペティツィオーネ」や「4C」であるとし、「とくに4Cはアルファ ロメオをさらに飛躍させるために完璧なモデルでした。機能、技術、スタイルが完璧に融合したものです」と述べる。
そして新型ジュリアのデザインについて、1957年に登場した「ジュリエッタ スプリント スペチアーレ」に通ずるボディサイドのラインを用いたことを紹介するとともに、短いオーバーハング、長いボンネット、クーペのようなルーフラインを採用することを説明。
また、ジュリア クアドリフォリオが2016年に独ニュルブルクリンク 北コースで当時の4ドアセダン世界最速記録の7分32秒を樹立したことに触れ、「私自身は(こうしたタイムを)あまり気にしていません。私たちはタイムを1秒短縮するといったことよりも、(魅力を)感情にどう訴えていくかというこを大切にしていきたいと思っています。新型ジュリアはクアドリフォリオをベースにデザインを進めてきましたが、普通にお乗りいただくには乗り心地も重要になり、そこでいくつかのバージョンを用意しました」と、新型ジュリアでは4モデルが用意されていることを説明した。
マッコリーニ氏のプレゼンテーション終了後、ふたたび登壇したヘグストロム社長は2016年のロサンゼルスオートショーで公開されたアルファ ロメオブランド初のSUV「ステルヴィオ」をサプライズで発表。ヘグストロム社長は「本日から1年以内に、ご覧いただいているステルヴィオを日本で発売することをお約束したいと思います」と述べるとともに、「本日は国内大手自動車メーカーの電気自動車(EV)のワールドプレミアが同時に実施されていると聞いています。EVが1つの未来の方向を示しています。ただ、107年の伝統を持つアルファ ロメオはこれを否定するのではなく、もう1つの素晴らしい未来の姿を提案したいと思います。それはドライバーを中心に据える“運転する喜び”であり、官能的なエンジン音であり、すべてを美しいイタリアデザインで包含したものとなります。ジュリアの導入は、新生アルファ ロメオのスタートに過ぎません。これから数年間、ステルヴィオなどアルファ ロメオのモデルが続々デビューすることになります。ぜひ楽しみにしていてください」と述べ、プレゼンテーションを締めくくっている。