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アルファ ロメオ、「ステルヴィオ」「ジュリア」に新搭載したコモンレール式2.2リッターディーゼル発表会
2019年2月19日 00:00
- 2019年2月18日 開催
アルファ ロメオ(FCA ジャパン)は2月18日、SUV「ステルヴィオ」、フラグシップセダン「ジュリア」に新開発の直列4気筒 2.2リッター直噴ターボディーゼルエンジンの搭載モデルを発表。同日に都内で記者発表会を開催した。
ステルヴィオとジュリアでは、基本設計を共有する直列4気筒 2.2リッター直噴ターボディーゼルエンジン(エンジン型式はステルヴィオが「55284529」、ジュリアが「46335975」)を採用し、それぞれのモデルに合わせたチューニングによってステルヴィオでは最高出力154kW(210PS)/3500rpm、最大トルク470Nm(47.9kgfm)/1750rpm、ジュリアでは最高出力140kW(190PS)/3500rpm、最大トルク450Nm(45.9kgfm)/1750rpmを発生する。
どちらも4月6日に発売となり、価格は「ステルヴィオ 2.2 TURBO DIESEL Q4」が617万円、「ジュリア 2.2 TURBO DIESEL SUPER」が556万円。このほか、詳細については関連記事の「アルファ ロメオ、ディーゼル車を日本初導入。新開発2.2リッターディーゼルターボを『ステルヴィオ』『ジュリア』に搭載」を参照していただきたい。
「スポーツディーゼル」の新エンジンがSUVの新基準を作り出すとヘグストロム社長
発表会では最初に、FCA ジャパン 代表取締役兼CEO ポンタス・ヘグストロム氏が登壇。新開発エンジン搭載車の紹介に先立ち、同社の2018年について振り返りを行なった。
アルファ ロメオ、フィアット、ジープ、アバルトの4ブランドを合計した販売台数で、2018年は2万2450台を記録。これはFCA ジャパンとしての新記録となり、3年連続で2万台以上を販売しているとヘグストロム氏はアピールした。
また、アルファ ロメオブランドではラインアップを大幅に刷新。ハッチバックモデルの「ジュリエッタ」は2018年末にフルモデルチェンジを実施。2シーターミッドシップの「4C」も2018年11月から2種類の限定車「4C コンペティツィオーネ」「4C スパイダー イタリア」をリリース。2017年10月に発売したジュリアは2018年にアウディの「A4」を上まわり、ジャガー「XE」の2倍となる台数を販売したと強調した。また、ブランド初のSUVであるステルヴィオも好評で、「2018-2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考候補車である「10ベストカー」に選出されたことを紹介。これについてヘグストロム氏は「大変名誉でうれしい評価」とコメントしている。
ステルヴィオとジュリアに搭載して日本に初導入する新しいディーゼルエンジンについて、ヘグストロム氏は「もしかしたら、弊社のディーゼルエンジンが後発であるとお考えになる人もいるかもしれませんが、弊社はディーゼルエンジンの草分け的存在です。まず、1989年にフィアットが直噴ディーゼルエンジンを量産車に搭載しており、1997年にはアルファ ロメオでもコモンレール式ディーゼルを「156」で採用。ディーゼルエンジンを乗用車に持ち込んだだけでなく、運転する楽しさと力強さを兼ね備えた画期的な存在にしたと語った。
さらにヘグストロム氏はステルヴィオとジュリアでそれぞれのライバルとなるモデルと比較し、価格や出力、加速性能など主要な評価項目でライバル車を凌駕しているとコメント。ステルヴィオの2018年の導入により、SUVセグメントにセダンのような走る楽しさと高いパフォーマンスをもたらしたように、新しいディーゼルエンジンによって走る楽しさと高いドライビングパフォーマンスの新基準をSUVセグメントに作り出す「スポーツディーゼル」と位置付けた。
技術解説は伊FCA アルファ ロメオ エンジン開発部門代表 EMEA地域 パオロ・パロッティ氏が担当。
ディーゼルエンジンが持つ120年以上の歴史の中で、アルファ ロメオがコモンレール式エンジンの草分け的存在として燃料噴射技術の分野で大きく評価されたとパロッティ氏は語り、1997年に発売された156から続くアルファ ロメオのディーゼルエンジンエンジンの進化について解説。当初は1350BARで1ストロークにつき2回燃料噴射していたが、現在では2000BARで1ストロークにつき8回の燃料噴射を行ない、よりコントロール性の高いクリーンな燃焼を実現していると説明。後処理技術についても進化を続け、汚染物質を極めて低いレベルまで抑え、最も厳しい排出ガス規制にも対応しているとした。
幅広い回転域でトルクを発生するディーゼルエンジンは欧州、そして日本でもSUVに適したパワーユニットだと認識されており、さらにCO2排出量も極めて少なく、日本の高い環境規制に適合するディーゼルエンジンは環境に優しいエンジンとして認められていることで、日本で販売されているSUVの5割~8割のモデルでディーゼルエンジンをラインアップしているとパロッティ氏は語り、新たにディーゼルエンジンを導入する意義について説明。新しいディーゼルエンジンのアウトラインを解説した。
ヘグストロム氏とパロッティ氏のプレゼンテーション終了後には、モータージャーナリストの河口学氏、山本シンヤ氏、塩見智氏、今井優杏氏の4人とパロッティ氏、FCA ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネージャー 平野智氏の計6人によるパネルディスカッションを実施。冒頭でモータージャーナリストの4氏がアネスト岩田ターンパイク箱根を舞台にしたステルヴィオ 2.2 TURBO DIESEL Q4試乗シーンがムービーで紹介され、それぞれ「静粛性と制振性がそれぞれ高い」「エンジンの軽さでシャープな走り」「重めなSUVのボディをしっかりと加速させ、財布にも優しい」といった注目ポイントを説明。
パネルディスカッションでも試乗した感想が語られたほか、気になるポイントなどをパロッティ氏に質問して新しいディーゼルエンジンが持つ魅力について紹介していた。