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アルファ ロメオ、ザウバーと共同開発したエアロパーツ装着の「ジュリア」「ステルヴィオ」限定車「F1 Tributo」発表会

ジュリア6台、ステルヴィオ4台の計10台限定。エンジン出力も10PSアップ

2019年10月11日 開催

ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributo:1459万円

ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributo:1495万円

「ジュリア」「ステルヴィオ」の限定車「F1 Tributo」発表会で展示された3台の車両

 アルファ ロメオ(FCAジャパン)は10月11日、フラグシップセダン「ジュリア」、SUV「ステルヴィオ」の限定車「F1 Tributo」の発表会を都内で開催した。11月から販売が行なわれるこの限定車は、それぞれのハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」をベースモデルに使用。6台が用意される「ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributo」が1459万円、4台が用意される「ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributo」が1495万円。

 アルファ ロメオは1920年にレーシングカーメーカーとして誕生。F1が初めて開催された1950年と翌年の1951年にドライバーズタイトルのワールドチャンピオンを輩出するなど、F1創世記に輝かしい記録を残している。その後はF1参戦から遠のいていたが、2018年に「ザウバーF1チーム」のパートナーとしてF1に再参戦。2019年シーズンからはチーム命名権を獲得して「アルファ ロメオ・レーシング」にチーム名を変更。今シーズン(第16戦 ロシアグランプリ終了時)のコンストラクターズランキングで8位となっている。

発表会の冒頭で、FCAジャパン株式会社 マーケティング本部 本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏から、アルファ ロメオが歩んできたF1での歴史などが紹介された

 このF1参戦を記念する限定車となるF1 Tributoでは、F1参戦のパートナーであるザウバーエンジニアリングが手がけたエアロパーツをボディに装着。搭載するV型6気筒DOHC 2.9リッター直噴ツインターボ「670052589」型エンジンに専用チューニングを施し、エキゾーストシステムをアクラポヴィッチ製チタンマフラーに変更。これによりエンジンの最高出力を510PSから520PSに向上させている。

 このほかにもアルファ ロメオ・レーシングのF1マシン「C38」のカラーリングをモチーフに、パールホワイトのボディにレッドやブラックなどのカッティングシートを施してC38のイメージを再現。各部に装着されたカーボン製のエアロパーツに加え、「カーボンV字型グリル」「グロスブラックフロントグリル」「カーボンエクステリアミラーハウジング」などの専用アイテムを使ってスポーティさを高めている。

 さらにインテリアでも、カーボンインサート付のレザー&アルカンターラステアリング、スパルコ製のカーボンバケットシート、カーボン製のセンターコンソール、カーボンドアトリムなどを採用。シートベルトもレッドカラーに変更して、情熱的なレーシングスピリットを表現している。

ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributo

「ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributo」
ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributo
ジュリア クアドリフォリオ F1 TributoとF1マシン「C38」
カッティングシートを使ってC38のイメージを再現
ルーフはカーボン製となる
フロントフェンダー後方にクアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)のエンブレムを装着する
ザウバーエンジニアリングが手がけたカーボン製のエアロパーツをボディ各所に装着。ただし、フロントバンパーの中段に設定されているカナードは展示車のスポーツイメージを強調するためのアイテムで、実際に販売される車両には装着されない。大型サイドスカートにザウバーエンジニアリングのロゴを備える
アクラポヴィッチ製チタンマフラーは左右に各2本のエキゾーストパイプを設定。外周に設定されたカーボン製カバーにアクラポヴィッチのロゴマークが入る
タイヤにはイエローのラインとピレリのロゴなどを設定。サーキット走行などの高負荷に対応し、軽量化も果たすカーボンセラミックブレーキシステムを採用する
V型6気筒DOHC 2.9リッター直噴ツインターボ「670052589」型エンジンは最高出力383kW(520PS)/6500rpm、最大トルク600Nm(61.2kgfm)/2500rpmを発生
カーボンパーツなどを多用してレーシングマインドを高めたインテリア

ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributo

「ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributo」
ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributo
ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 TributoとF1マシンのC38
ジュリア同様にカッティングシートでC38のイメージを再現する
「カーボンV字型グリル」「グロスブラックフロントグリル」「カーボンエクステリアミラーハウジング」などの専用アイテムを装着。ルーフはピアノブラック塗装となる
大型サイドスカートは後方がウイング形状となっている
フロントドアにアルファ ロメオ・レーシングのステッカーを備える
カーボン製のルーフエンドスポイラーを装備
タイヤサイズはフロントが255/45R20、リアが285/40R20
エンジンはジュリアと同じく最高出力520PS、最大トルク600Nmを発生。ストラットタワーバーを装備する
ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributoのインパネ
ベース車と同じくアルミニウム製のスポーツペダル&フットレストを標準装備
ステアリングホイールやシフトセレクター、センターコンソールなどにカーボン素材を使用する
harman/kardonプレミアムオーディオシステムを標準装備
スパルコ製のカーボンバケットシートを装備。シートベルトはレッドになる

空力性能の大切さについてゲストの井出有治選手が解説

元F1ドライバーであるゲストの井出有治選手(左)とFCAジャパン株式会社 アルファ ロメオ プロダクトマネージャーの平野智氏(右)の2人によるトークショー

 発表会では元F1ドライバーであり、プライベートでスポーツハッチバック「ジュリエッタ」のオーナーとなっているレーシングドライバーの井出有治選手がゲストとして参加。FCAジャパン アルファ ロメオ プロダクトマネージャーの平野智氏と2人でトークショーを行なった。

 2人はステージ上に展示された2台の限定車、さらにアルファ ロメオ・レーシングのF1マシンであるC38を見比べたりしつつ、ベースモデルからの変更点、限定車のF1 TributoとF1マシンの類似点などを紹介。井出選手は限定車に装着された各エアロパーツが、単純なドレスアップに止まらず、実際に空力性能を高める機能性を持った装備に思えるとの感想を述べたほか、赤いシートベルトに彩られた車内を「イタリアっぽくていいですね」と評価した。

 また、F1マシンについてC38を例に挙げ、フロントやリアの大型ウイングといった表面的に目立つ空力パーツでも大きなダウンフォースが発生しているが、マシンの下側にあたるフロアの工夫が非常に大切になっていると解説。レース中の接触でフロア部分にダメージを受けてしまうと、ちょっとした損傷でもマシン全体の大幅に低下してしまうと語り、フロアは見えない部分だが、実は一番大切な部分であると紹介した。

井出有治選手
平野智氏
展示された限定車のF1 Tributoを実際に見ながら変更点などについて解説。車内で赤いシートベルトを発見した井出選手は「イタリアっぽい」とテンションが上がっていた
平野氏からF1マシンで重要なポイントがどこになるのか質問され、井出選手はフロアが全体のダウンフォースに影響する大切な部分になると説明
トークショーの終了後に、アルファ ロメオ・レーシングのアントニオ・ジョヴィナッツィ選手(左)とキミ・ライコネン選手(右)によるビデオメッセージを放映。限定車についての感想や、週末に行なわれるF1日本グランプリに向けた意気込みなどが語られた
ジュリア クアドリフォリオ F1 Tributoについて語るアントニオ・ジョヴィナッツィ選手
F1日本グランプリに向けたジョヴィナッツィ選手の意気込み
ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 Tributoについて語るキミ・ライコネン選手
F1日本グランプリに向けたライコネン選手の意気込み
アルファ ロメオ・レーシング C38
アルファ ロメオ・レーシング C38のディテール
アルファ ロメオ・レーシング C38の主要スペック
発表会の最後に行なわれたフォトセッション