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トヨタ、新開発のショックアブソーバーを搭載した「カムリ WS」説明会
「海外仕様そのままではなく、足まわりを徹底的にやり直した」
2018年8月31日 21:55
- 2018年8月31日 実施
トヨタ自動車は8月31日、新型「カムリ」に追加された「WS」グレードについての説明会を実施した。
カムリ WSは8月1日に追加された新グレード。世界を代表するセダンを取り戻したいという思いから“Worldwide&Sporty”の頭文字を取ったグレード名を採用し、通称名は“カムリ スポーツ”となる。価格はWSが367万2000円、WS“レザーパッケージ”が434万1600円。
パワートレーンは最高出力131kW(178PS)/5700rpm、最大トルク221Nm(22.5kgfm)/3600-5200rpmを発生する直列4気筒2.5リッターガソリン「A25A-FXS」型エンジンに、最高出力88kW(120PS)、最大トルク202Nm(20.6kgfm)を発生する「3NM」型モーターを組み合わせ、ハイブリッドシステムには「リダクション機構付のTHS II」を採用。カムリ WSのボディサイズは4910×1840×1445mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2825mmとなる。
トヨタ自動車 Mid-size Vehicle Company MS製品企画 ZV チーフエンジニア 勝又正人氏は、「すでに日本国内で導入しているデザインの“セクシー カムリ”に対して、“リアリー セクシー カムリ”のWSを日本国内に導入させていただきます」と述べ、説明を行なった。
エクステリアでは、フロントバンパー開口部を最外側まで拡げたカタマラン形状によって、ワイドスタンスを強調。また、センター部分のアッパーグリルを立体的な突出した形状として走りのスポーティさを、側面から繋がるサイドロッカーとの連続性で低重心なプロポーションをそれぞれイメージさせるデザイン開発を実施した。
リアについても、デュアルマフラーを含めたバンパーロア部分の造形を作り込み、ワイドスタンスを強調するキャラクターラインがどのボディカラーでも埋没しないようなデザインの工夫が凝らされた。
インテリアでは、シルバーの専用インストルメントオーナメントや、専用のスポーティなシート表皮をあしらい、ハイブリッド車でありつつもパドルシフトを搭載した。
さらに、勝又氏は「海外仕様をそのまま日本に導入するわけではない」と話し、デザインの差別化以外に「足まわりを徹底的にやり直した」と、ショックアブソーバーの調整を行なったことを紹介。
通常のバルブだけをチューニングする方法では操安性を高めると乗り心地がわるくなってしまうが、今回はショックアブソーバーのロッドの摺動部分、具体的には「ロッドガイドブッシュ」「ピストンバンド」や、摺動を支えている材料そのものであるオイルを新たに開発。オイルとバルブで発生する通常の減衰力に加え、0.01m/秒以下の微低速の際に摺動部に発生する初期の摩擦運動を減衰力に変えることで、カムリらしい乗り心地を損なわずに操安性を向上させた。
また、メインの改良はショックアブソーバーとなるが、合わせてブッシュやスタビライザー、EPSなどでもチューニングを行なってライントレース性を高めており、「思ったところに舵が一発で決まる感覚が確実に体感できると思います」と勝又氏は述べた。
この開発について勝又氏は「リアルタイムにお客さまの声を取り入れて、こういったまったく違う見栄えのもの、もしくは新たな機能を持ったものを開発していかなければならないということで、グローバル車だからできる短いスパンでの新商品の投入といったことにチャレンジをしていきたいと思っております。今回が国内導入のチャレンジの第1弾となっております。北米や中国で先行して導入された形の違うモデルが、そのまま右ハンドルになって入ってきたという訳ではございません」と語り、説明を終えた。