トヨタとPSA、「トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ」（TPCA）の運営について新たな協力関係

TPCAのコリン工場

　トヨタ自動車とグループPSAは11月30日、欧州での小型商用車のOEM供給、2002年に設立した小型車生産の合弁会社「トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ」（TPCA）の運営について新たな協力関係を構築することで合意した。

　まずは2019年末に、PSAからTME（トヨタの欧州統括会社であるトヨタ・モーター・ヨーロッパ）向けに行なわれている商用車のOEM供給を拡大。PSAのフランス オルデン工場でプジョー「エキスパート」、シトロエン「ジャンピー」をベースとした小型商用車「プロエース」を2012年からTMEにOEM供給しているが、2019年末からはPSAのスペイン ビーゴ工場で生産された小型バンも新たにOEM供給を行なう。

　このほか、2012年1月にはPSAが保有するTPCA株式のすべてをTMEが取得。これによってTPCAがTMEの完全子会社になる。これはトヨタとPSAが2002年に締結した「小型車共同生産の合弁契約」に含まれる持ち株比率見直しに関する条項に基づくもの。

　TPCAでは欧州市場向けに開発したエントリー向け小型乗用車であるトヨタの「アイゴ」、プジョー「108」、シトロエン「C1」を生産しており、完全子会社化後も各モデルの生産を継続。生産と雇用を維持する予定としている。また、完全子会社化によってTPCAは欧州におけるトヨタの8拠点目の工場になる。

　この発表の中で、トヨタ自動車 副社長 ディディエ・ルロワ氏は、「このたびの新たな協力関係は、PSAとトヨタ、両社間における良好な関係に基づくものです。この合意を通して、両社で技術と開発費を分担しながら、それぞれが強みを活かすことができます。また、TPCAの完全子会社化は、当社の基本的な考え方である『販売するところで生産する』および、長期にわたるわれわれの欧州でのプレゼンスを象徴しています」とコメント。

　また、グループPSA 会長 カルロス・タバレス氏は、「今回の発表は、両社の良好でかつ、互いに有益なパートナーシップの新しい幕開けです。これは、お客さまや両社にとって、最善となる信頼関係に基づくものです」としている。