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パイオニアとベアリング・プライベート・エクイティ・アジア、総額約1020億円の「パイオニア再生プラン」に合意

「パイオニア再建のためには、BPEAとのアライアンスが必須」と森谷浩一社長

2018年12月7日 発表

 パイオニアとアジアへの投資で最大級の規模を誇るグローバル・プライベート・エクイティであるベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA)は12月7日、パイオニアへの770億円の出資および現株主からの約250億円での株式買い取りによる「パイオニア再生プラン」に合意したと発表した。

「パイオニア再生プラン」は、今後の事業運営に必要不可欠な運転資金を確保し、加えてBPEAの経営支援を得ることで、パイオニアの安定的な事業継続に対する不安を払拭し、事業運営の安定を実現するための計画。

 キャッシュフローの悪化に直面している現状のパイオニアは「財務基盤の立て直しが急務」であり、臨時株主総会で承認が得られ、必要となる届出完了後、BPEAは迅速に770億円の出資(520億円の金銭出資およびすでに提供済の250億円のデット・エクイティ・スワップ)を行ない、パイオニアは事業運営に必要不可欠な運転資金を確保する。

 その後、現株主から現金約250億円で株式を買い取り完全子会社化した上で、事業ポートフォリオの見直し、構造改革、経営体制の刷新などの再生に向けた抜本的施策を遂行していく。パイオニアが健全な事業運営を取り戻し、成長軌道へ回帰するために「パイオニア再生プラン」の遂行が「最善の策であると確信している」とリリースで述べられている。

 今回の発表について、パイオニア 代表取締役 兼 社長執行役員である森谷浩一氏は「パイオニア再生プランを遂行するためには、成長軌道への回帰に向けてビジョンを共有するBPEAがもっともふさわしいパートナーであると確信しています。今回の決断に際しては、経営陣のトップとして責任を痛感していますが、パイオニア再建のためには、BPEAとのアライアンスが必須と考えています。私の責務は、出来るだけ早期に、パイオニアを再生させ、世の中の役に立つ、ユーザーの皆様に喜ばれる製品・サービスをご提供していける体制を築くことだと考えています」とコメント。

 また、BPEAのCEO 兼 創業パートナーであるジォーン・エリック・サラタ氏は「BPEAは長きにわたりパイオニアと協業の可能性を議論し、本件についても時間をかけて協議をしてきました。パイオニアの歴史上、極めて重要なタイミングで協力できることを嬉しく思います。BPEAは、2006年に東京オフィスを開設して以来、数々の日本企業を対象に、平均5年以上にわたる長期投資を行ない、良好なパートナーシップを築いてきました。パイオニア再生プランの下、今回の出資および経営支援を行なうことで、革新的な技術と確立したブランド力に加え優秀な人材を誇るパイオニアが、潜在能力を十分に発揮し、今後も継続的に、世界中で皆様に愛される“パイオニア”らしい製品を提供し続けることができると確信しています」と述べている。