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ポルシェ デジタル、ロードアシスタントアプリ「Porsche Road Trip」を日本展開へ。将来的にはクルマと統合
2019年3月15日 13:35
- 2019年3月14日(現地時間) 開催
ポルシェのデジタル戦略を担当するポルシェ デジタル(Porsche Digital GmbH)は3月14日(現地時間)、ドイツ ルートヴィヒスブルクにある本社においてワークショップ「Porsche Digital Workshop」を開催した。
この中で、特別なディープセッションが行なわれたが、その1つがすでにドイツやアメリカでは展開されているロードアシスタントアプリ「Porsche Road Trip」について。
Porsche Road Tripは、お勧めのドライブ地域、ドライブルートを提案してくれるほか、立ち寄りスポットなども表示できる。また、ドライブの距離を設定すると、その距離に応じたドライブプランを提案するなど、ドライブ時間が限られた人向けの配慮もなされている。
立ち寄り地としては、お勧めレストランなども提案。予約もできるが、この予約機能はレストランブッキングサービス「OpenTable」を用いたものとなっており、外部Webサービスとの連携機能が組み込まれていることになる。
ポルシェ デジタルは、このアプリによって得るものを、「利用者がどの地域(ドライブポイント)を検索したか」「どの地域にいる利用者が検索したか」などであるとしており、それらのデータに応じたドライブプランの追加を行なっていきたいという。
数々のアプリやWebサービスを使いこなしている人だと、Porsche Road Tripはすでに実現されているアプリやサービスとそれほど変わりないアプリに思える。ただ、このPorsche Road Tripの特別な点は、ポルシェという特別なスポーツカーを作っている会社が手がけているものであることだ。つまり、ポルシェの操作系にいつか組み込まれる可能性があるということ。
ポルシェ デジタル担当者は、「オフラインで使えること」「クルマとの統合」「コンテンツの充実」「分析機能」がユーザーからの要望としても上がっているとし、それらに対して応えていくという。
この中でやはり気になるのは、「クルマとの統合」と、日本への展開について。クルマとの統合に関しては、今後登場するカイエン、マカン、911(992)について予定しているとのこと。Porsche IDというパーソナルIDによってデータの紐付けが行なわれるといい、アプリのPorsche Road Tripでプランニングしたデータがポルシェのナビゲーションと連動していくのだろう。
クルマとの親和性を高めるためPorsche Road Tripは、最初からHereの地図と、Hereのルートロジックで作られており、iOS用のアプリでありながらGoogle MapやアップルのMapの地図データ&ルートロジックを使っていない。担当者によると「Googleからのデータは、POI(Point Of Interest、地点データ)などに利用している」とのことで、レストランなどのお店データなどがGoogleからのデータになる。そういった意味で、スマホアプリでありながら異なった視点で作られているのが分かる。
また、日本への展開については「来年を予定」とのことなので、2020年の登場を楽しみに待ちたい。
このアプリというかサービスがどれだけ成功するかは、やはりポルシェ デジタルがどれだけクルマとの統合を図れるかにあるだろう。クルマのコクピットはデジタル化しつつあるとは言っても、グラフィックス面での進化が大きく、スマートフォンに匹敵する計算力を持つには至っていない。
もちろんそれはそのようなニーズが小さかったからだが、スマートのフォンのアプリからサービスを立ち上げようとするポルシェ デジタルにとって一番よいのは、ポルシェがスマートフォンと同じOS、同じSoC(System On a Chip)をIVI(In Vehicle Infotainment)に採用してくれることだろう。ポルシェ デジタルのアプリはなぜかiOS版のみとなっているし、ポルシェほどの特別な車種であればアップルのA12などの高価なSoCを搭載する余地もあるだろう。そのような未来があるかどうかは分からないが、まずはPorsche Road Tripの日本展開を、そしてクルマへの統合の第一段階を楽しみに待ちたい。