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スズキ、東京モーターショー 2019に「HUSTLER CONCEPT」や未来のコンセプトカー2台を出展
2輪車は新開発油冷エンジンを搭載した「ジクサー 250」シリーズを展示
2019年9月30日 11:05
- 2019年9月30日 発表
スズキは9月30日、第46回 東京モーターショー 2019(プレスデー:10月23日~24日、一般公開日:10月25日~11月4日)の出展概要を発表。スズキが提案する小さなクルマだからこそできるワクワクのある毎日を「WAKU WAKU SWITCH for EVERYONE つくろう、あなたのワクワクで、みんなのワクワクを。」というテーマで表現する。
出展エリアは東京ビッグサイト 西展示棟 西1ホール。展示車は4輪車19台、2輪車8台、電動車いす1台に加え、マリン製品の船外機も出展。この中で、ワールドプレミアは4輪車7台、ジャパンプレミアは2輪車が2台となる。ブースではスズキ製品と将来に向けた取り組みを展示して、ブース全体でワクワクを表現するという。
メインステージでは、大型LEDモニターによる大画面での映像演出で、パーソナルコンパクトPHEV「WAKUスポ(ワクスポ)」、モバイルルーム自動運転車「HANARE(ハナレ)」の2台の参考出品車をワールドプレミア。
4輪サブステージでは、軽クロスオーバーワゴンの新提案「HUSTLER CONCEPT(ハスラー コンセプト)」を参考出品車としてワールドプレミアする。
2輪サブステージでは、新開発の油冷エンジンを搭載したロードスポーツバイク「ジクサー SF 250」「ジクサー 250」の2台の参考出品車をジャパンプレミア。MotoGP参戦車両「GSX-RR」も参考出品車として展示される。
なお、2輪車では「KATANA」「GSX-R1000R」「SV650X ABS」「V-STROM 250 ABS」といった市販車も出展され、実際にまたがることもできる展示を予定しているとのこと。
HUSTLER CONCEPT(ワールドプレミア/参考出品車)
HUSTLER CONCEPTは、スズキが長年培ってきた「軽ワゴンの日常の使いやすさ」と、「SUVのアウトドアレジャーやスポーツなどの趣味が楽しくなる」を融合させて「軽ワゴン×SUV」というジャンルを提案し、新たな市場を開拓してきたハスラーのコンセプトモデル。「もっと遊べる、もっとワクワクできる軽クロスオーバーワゴン」をコンセプトに、ユーザーの想像力や行動力をさらにかき立てるハスラーの新たな提案となる。
デザインは、日常でアウトドアライフを楽しむライフスタイルの広がりから発想を得て、個性的で親しみやすいハスラーらしさはそのままに、機能を追求したアウトドアアイテムに見られる「タフさ」「力強さ」といったデザイン要素を取り込んだ。
エクステリアは、存在感の際立ったフロントマスク、大きくスクエアになったボディ、すべてのピラーをしっかり見せてクォーターガラスを配置することで、ハスラーをより大きく広く頑丈なフォルムに仕立てた。
インテリアは、アウトドアツールに見られるようなプロテクトされた機能的な造形と、ハスラーの個性的なキャラクターを引き立たせ、遊び心やワクワクを刺激するカラーリングとした。
また、さまざまな利用シーンと収納物に対応すべく、荷室側からスライドできるリアシート、防汚タイプラゲッジフロアなど、使い勝手と楽しさを加速させるワクワクするようなユーティリティを採用。自転車を搭載することも可能とした。
運転支援機能として、夜間歩行者検知機能を備えたデュアルカメラブレーキサポートのほか、後退時ブレーキサポートや前後の衝突被害軽減ブレーキを搭載。ターボ車には、長距離や高速走行での運転の疲れやストレスを軽減する全車速追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロールや、車線逸脱抑制機能も採用した。
なお、会場では色違いのHUSTLER CONCEPTが3台展示される予定。
主要諸元
・全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
・ホイールベース:2460mm
・パワーユニット:直列3気筒 0.66リッターエンジン+マイルドハイブリッド/直列3気筒 0.66リッターターボエンジン+マイルドハイブリッド
・駆動方式:4WD
加えて、HUSTLER CONCEPTをベースに、新しい提案の根幹を成す日常でもアウトドアスタイルを際立たせるアーバンアウトドアスタイルを表現するモデルも参考出品する。
エクステリアは、気分の盛り上がるバーミリオンオレンジのボディカラーをベースに、カモフラージュ調サイドデカール、モノグラム調ルーフラッピング、マットガンメタリックのアクセントラッピングなどで、ファッショナブルな印象に仕上げた。また、専用のルーフラック、マッドフラップ、タイヤを装備してワクワクすることを想起させるようなデザインとした。
インテリアは鋳肌調塗装の加飾を取り入れたドアトリム、迷彩柄のフロアマットなどで、アウトドアアイテムのタフで無骨な表情をファッショナブルにコーディネート。シートには、HUSTLERの文字ロゴやクライミングロープのようなパイピングを配すことで、都会的な遊び心を感じる演出を施した。
主要諸元
・全長×全幅×全高(全高はルーフラックを含む):3395×1475×1910mm
・ホイールベース:2460mm
・パワーユニット:直列3気筒 0.66リッターターボエンジン+マイルドハイブリッド
・駆動方式:4WD
WAKUスポ(ワールドプレミア/参考出品車)
パーソナルコンパクトPHEVのWAKUスポのコンセプトは「いつでも、誰でも、どこへでも。楽しさ、ワクワクをシェアリング」。近い将来、1台のクルマを家族で共有する時代が来るという予測を立て、3世代で家族内シェアリングができるようにクルマらしい形と使い勝手を目指し、懐かしくとも新しいデザイン表現に挑戦した。
「使い方をスイッチできるクルマ」として、普遍的なクルマらしさを表現した3ボックスプロポーションと、広い室内空間のワゴンスタイルを兼ね備えたエクステリアデザインを採用。プライベートを感じさせるスタイルと使い勝手を感じるスタイルのスイッチによって、ワクワクを表現した。
クーペスタイルでは、ロングノーズのプロポーションでプライベートな走りを期待させるデザインを、ワゴンスタイルでは、ブラウンレザーの幌素材を用いて機能性と楽しさを提案する。
フロントマスクはスズキの歴代車が持つ機能性を継承し、スタイルチェンジに合わせて変化するデザインを採用。クーペスタイルではスティングレーのような力強さを、ワゴンスタイルでは「フロンテ」「ラパン」のようなフレンドリーさをそれぞれイメージしている。
インテリアでは、クーペ時はインパネ全体がモニターとなり、表示類をモニターに表示することで懐かしさと先進性のあるシンプルなデザインとした。ドライバーの正面とコンソールに安心・安全情報を表示し、ヘッドアップディスプレイに車両情報を表示することで、クルマを操るコクピットとしての楽しさを提案する。ステアリングはモニターが見やすい形状とし、滑りにくい革張りを採用。バケットタイプのシートと合わせて走りを期待させるデザインとした。
ワゴン時は、助手席側のインパネを、木と金属を組み合わせた高品質なものにチェンジ。ヘッドアップディスプレイは下半分が格納され、モニターには安心・安全・快適な移動に関する情報をシンプルに表示し、リラックスできる空間を提案する。
また、後席への乗り込みや荷物の積み込みなど実用性を考え、Bピラーレスの大開口ドアを採用。ワゴン時にはリアシートが後方にスライドし、リクライニングすることで快適な乗車ができるようになるという。
主要諸元
・全長×全幅×全高:3700×1650×1430mm
・ホイールベース:2460mm
・乗車定員:4人
・パワーユニット:PHEV
・駆動方式:4WD
HANARE(ワールドプレミア/参考出品車)
モバイルルーム自動運転車のHANAREは「家の“離れ”のようにプライベートを楽しむ空間や、仲間との遊びのベースとして楽しめ、常にワクワクなシーンにスイッチできるクルマ」で、「誰もが自由に移動時間と、ほどよい空間を有効活用できる」というコンセプト。
プライベートを感じる心地よい空間と、開放的な空間につながる大開口のドアで、人のつながりとこだわりを表現し、AIやロボットによる超効率化社会でも、人との繋がりやこだわりといった人間らしい欲求を大切にし、クルマを所有する喜びを提案する。
エクステリアでは、家のそばだけでなく大自然の中でも合うスタイリングを目指し、ブラウンに塗装した部分は住宅用建材をモチーフにした質感を採用。こだわりのプライベート空間をより魅力的なものにするため、特徴的な狭いガラスエリアを用いたほか、自動運転時代の新しいスタイリング提案として前後ともに同じデザイとした。前後の灯体やグリルは進行方向に応じて入れ替わり、充電状態やドアの開閉、歩行者へのアナウンスなどを分かりやすく表示し、狭い駐車場でも自由自在な移動を可能とした。また、スズキのSUVイメージを表現する歴代の5スロットルグリルや大きく張り出したフェンダーで、どこでも移動できる想像をかき立てるデザインとした。
インテリアでは、室内空間を最大活用できるように、自動運転車としてインパネやステアリングといった操作系をなくし、クッション部分が動かせて好みに応じた座り方ができるソファシートや、ドアトリムに内蔵されるシートを採用。ソファシートのまわりにはコルクをあしらうとともに、全体的に間接照明を用いることでホワイトルーフと壁面に豊かな表情を生み出し、家のような暖かみのある空間を表現。さらに、フロアが昇降するため小上がりのように使うことも可能。室内中央に装備される大型ディスプレイは、クルマの操作だけでなく移動中にエンターテインメントコンテンツが楽しめるようにしている。
主要諸元
・全長×全幅×全高:3900×1800×1900mm
・ホイールベース:2720mm
・パワーユニット:EV
・自動運転:完全自動運転(レベル5)
・駆動方式:4WD
エブリィどこでもベビールーム with コンビ(ワールドプレミア/参考出品車)
「エブリィどこでもベビールーム with コンビ」は、軽商用車「エブリィ」をベースに、ベビー用品に関して知見と実績のあるコンビとコラボレーションして、子育て支援や災害時に活用できるコンセプトモデル。
多くの子育て中のユーザーが使っているスズキと、子育てに役立つベビー用品を開発しているコンビの、人々の生活に寄り添う商品を開発する両社が、子育てのサポートをしたいという同じ思いからコラボ。「通常は公用車や業務用車両として使われているエブリィを屋外でのイベントや災害時に模様替えをして、安心しておむつ交換や授乳ができるベビールームを提供する」というコンセプトのもと開発された。
デザインテーマは「Relax&Fun」。エクステリアは車体色にコンビのブランドカラーを取り入れ、遠くからの視認性も考慮され、エブリィがより親しみやすくなるデザインとした。
インテリアでは、落ち着きのある木目調のフロアと、芝生のようなグリーンの絨毯、青空を思わせるようなカーテンにより、まるで自然の中にいるかのようなRelax&Funを表現。後席で安心して授乳できるように、プライバシーに配慮したプライベートな空間としたほか、荷室をおむつ交換スペースとして、スライド式のおむつ交換用ベッドと、プライバシーへの配慮や日よけのためのカーテンなどを設置。おむつ交換台の横にはおしりふきや除菌スプレーなどの収納ボックスを設け、スムーズなおむつ交換ができるようにした。
主要諸元
・全長×全幅×全高:3395×1475×1895mm
・ホイールベース:2430mm
・パワーユニット:直列3気筒 0.66リッターエンジン
・駆動方式:2WD
ジクサー 250/ジクサー SF 250(ジャパンプレミア/参考出品車)
フルカウルのジクサー SF 250と、ネイキッドのジクサー 250の2機種を出展。生産国のインドでは、5月20日にフルカウルが、8月9日にネイキッドがそれぞれ発売されている。
商品コンセプトは、「最先端デザインのスポーツバイク」。150ccクラスの「ジクサー 150」からのステップアップユーザーや新規顧客の獲得を図るため、先進的なデザインでより高性能なジクサー 250を開発。今回、日本国内に向けた提案モデルとして参考出品される。
フルカウルのジクサー SF 250は、大型スポーツバイクと共通のイメージとなる大型のヘッドライトからタンクに至る一体感や、ボリューム感のあるタンクとスリムなシートによる抑揚のあるデザインなど、スポーティなスタイリングに加え、力強い加速性能、優れた燃費性能を兼ね備えたロードスポーツバイク。
ネイキッドのジクサー 250は、グラマラスな造形を取り入れたデザインと、力強い加速性能、優れた燃費性能を兼ね備えたロードスポーツバイク。専用設計で極限まで薄くしたLEDヘッドライトと、従来のジクサーの力強い造形を継承している。
共通の特徴となる油冷エンジンは「GSX1400」以来の新開発油冷エンジンとなり、2015年の東京モーターショーに参考出品したコンセプトモデル「Feel Free Go!(フィールフリーゴー)」に採用した50ccエンジンを250ccエンジンとして商品化。MotoGPで培った軽量化およびフリクション低減技術を採用。SOHCエンジンとすることで、コンパクトで高出力、低燃費を高いレベルで実現したという。
主要諸元(ジクサー SF 250)
・全長×全幅×全高:2010×740×1035mm
・パワーユニット:250cc 4ストローク油冷SOHC 単気筒エンジン
主要諸元(ジクサー 250)
・全長×全幅×全高:2010×805×1035mm
・パワーユニット:250cc 4ストローク油冷SOHC 単気筒エンジン
MotoGP参戦車両「GSX-RR」(参考出品車)
現在MotoGPクラスに参戦している#42 アレックス・リンス選手、#36 ジョアン・ミル選手のGSX-RRを2台参考出品。
扱いやすく力強いエンジン特性、燃費性能、耐久性を高い次元で実現する直列4気筒エンジンを搭載し、運動性能と空力性能の両面から車幅を抑えたレイアウトとして、車体剛性と重量バランスを最適化。2輪車レースの最高峰となるMotoGPでの高いパフォーマンスに裏打ちされた最新技術は、「GS-R1000」をはじめとした市販車両に技術フィードバックされている。