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【SGT×DTM交流戦】ナレイン・カーティケヤン選手、64号車 Modulo Epson NSX-GTでSUPER GT初勝利。現行NSX-GTの有終の美を飾る
DTMの2人は最終ラップのバトルを総括
2019年11月25日 12:33
11月22日~24日の3日間にわたり「SUPER GT×DTM 特別交流戦」(以下、特別交流戦)が、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。この交流戦は日本のSUPER GTと、ドイツのシリーズであるDTMが長い時間をかけてレギュレーションを統合してきた成果として初めて両シリーズが日本を舞台に戦う歴史的なイベントで、ドイツからはアウディが4台、BMWが3台の合計7台が来日し、SUPER GTからエントリーしている15台のGT500マシンと同じフィールドでレースが行なわれた。
11月24日はレース2の予選、決勝が行なわれ、クラッシュ多発などにより3度もセーフティカーが出る荒れた展開の中、2位、3位となったDTM勢のマルコ・ウィットマン選手(11号車 BMW M4 DTM)、ロイク・デュバル選手(28号車 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)を抑えてナレイン・カーティケヤン選手(64号車 Modulo Epson NSX-GT)が優勝した。
今シーズンよりSUPER GTに参戦しているカーティケヤン選手が、DTMとの交流戦というノンタイトル戦とはいえ優勝するのは初めてとなる。同チームの優勝も2017年の鈴鹿1000km以来となる。
決勝レース終了後、表彰台に登ったトップ3のドライバーによる記者会見が行なわれた。
SUPER GT×DTM特別交流戦での初優勝は、夢が叶ったようだとカーティケヤン選手
──今日レースを振り返り、その感想やお気持ちを。
ナレイン・カーティケヤン選手:木曜日からハンコックタイヤの組み合わせはよく、いいクルマに仕上がった。レースはフロントローからスタートしたが、レースのコンディションに合っているクルマになっていた。こうした交流戦で優勝できるなんて夢が叶った気持ちだし、このレースは本当に楽しめた。ドライバーにとっても、SUPER GTやDTMにとってもよい取り組みだったのでは。
マルコ・ウィットマン選手:すごくよい気持ちだ。金曜日と土曜日は本当に厳しかったので、今日は作戦が成功した。何回かあったインディースタートではいずれもいいスタートを切ることができて順位を上げることができた。特に最終ラップは最高で、DTMでこんな楽しいファイトをできたことはない。
ロイクはよりフレッシュなタイヤを持っていて、僕はステイアウトして2位を守ることに決めたので苦しかったが、最後の3つのコーナーは本当に楽しいファイトだった。彼にとっては残念なことにロイクにはペナルティが出されて、2位を守ることができた。ファンにとってはとてもよい週末だったと思う。
ロイク・デュバル選手:昨日よりはよかった。今週末は本当に調子がよくて、予選でも中嶋大祐選手についで2位になった。ホンダが強くてそれには対抗できなかったけど、彼がペナルティになってポールを獲ることができた。
レースではパンクがあったりしてそれで時間を失ってしまったが、よいタイミングでセーフティカーが出て、順位を戻すことができた、最後のインディスタートでは13位だったのが、最後のセーフティカーが出た段階では3位にまで順位を上げることができたんだ。そして最後はマルコとのバトルで、すごくクールなラストラップだったんだけど、最後はペナルティが出てしまったのは残念だった。今週のターゲットは勝つことだったので、2位か3位はそんなに大きな問題じゃない。
──デュバル選手に、(アウディを使用する)ラスト選手にも同じく左リアタイヤに問題が発生していたが、何か大きな問題があったのか?
デュバル選手:ほかのクルマのセットアップは分からないし、それがコース取りの問題なのかも含めてまだわからない。ドライバーがリスクを取った結果なのか、タイヤの圧の問題なのかはわからないが、実は昨日も同じ問題があった。それらは今後ファクトリーに戻って調べないといけないと考えている。
DTMのアッセン戦でも同じ問題があって、その時はBMWも同じ問題を抱えていたのだが。
──カーティケヤン選手に、今年のSUPER GTでは苦戦していたと思うけど?
カーティケヤン選手:日本のレースは本当に厳しいよ。スーパーフォーミュラに参戦していた時は表彰台を取ったけど、優勝はできなかった。今年はタイヤに小さな問題があって……でもここで結果を出せたことは本当に嬉しい、最高の1日だった。
(通訳が日本語に訳した後、自分で追加があるといって)
スポーツランドSUGOで2位になるなどどんどんよくなっている。ミシュラン、ブリヂストン、横浜ゴムに対抗していくことは本当に難しい。それに対して我々は(同じタイヤで走る車両が)1台しかないので非常に難しい戦いだ。そんな中でエンジニアは本当によくやってくれていると思う。
──カーティケヤン選手は、ダンロップタイヤの開発をしているが、今日のハンコックとの違いはどうか??
カーティケヤン選手:ワンメイクタイヤと競争しているタイヤを比較するのは難しい。今日のレースでは何のドラマもなく問題もなかった。
──ウィットマン選手に、今日は誕生日ということでピットウォーク中にお祝いしてもらっていましたが。
ウィットマン選手:誕生日はとても特別な日で、しかもレースと同じ日になるなんて……。BMWやファミリーがサプライズでケーキでお祝いしてくれた。その後に行なわれたレースで2位に入れるなんて本当に素晴らしいことだ。今回のレースにはガールフレンド、家族や友人達が来てくれているので、この後は東京に行ってパーティしたいね(笑)。
──日本でのレースが初めてとなるウィットマン選手に、日本のファンと触れあって印象は?
ウィットマン選手:本当に印象的だよね。もちろん欧州のファンも素晴らしいけど、欧州のファンとは違った意味で素晴らしい。例えば、多分こんなにサインしたのは初めてじゃないかな(笑)。ファンはみんな本当にフレンドリーで、どうしてこんなクルマで勝ったことなんて知ってるのというDTMのモデルカーを持ってきてくれてサインをお願いされたりと本当に素晴らしいファンだよね。今週末はレースは厳しかったけど、そんなファンと触れあうことができたのでずっと笑顔でいることができた。もう一度ここに来たいし、いくつかのレースをここでできるとよいなぁと思っている。
SUPER GT×DTM 特別交流戦 レース2結果
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 64 | Modulo Epson NSX-GT | ナレイン・カーティケヤン | 31 | 57分38秒362 |
2 | 11 | BMW M4 DTM | マルコ・ウィットマン | 31 | 57分39秒927 |
3 | 28 | BMC Airfilter Audi RS 5 DTM | ロイク・デュバル | 31 | 57分40秒187 |
4 | 1 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴 | 31 | 57分41秒774 |
5 | 00 | BMW M4 DTM | 小林可夢偉 | 31 | 57分42秒105 |
6 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 中嶋大祐 | 31 | 57分42秒718 |
7 | 99 | Akrapovic Audi RS 5 DTM | マイク・ロッケンフェラー | 31 | 57分42秒898 |
8 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川亮 | 31 | 57分43秒043 |
9 | 33 | Audi Sports RS 5 DTM | レネ・ラスト | 31 | 57分43秒986 |
10 | 21 | Audi Sports Japan RS5 DTM | ブノワ・トレルイエ | 31 | 57分45秒588 |
11 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生 | 31 | 57分45秒904 |
12 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠 | 31 | 57分45秒997 |
13 | 4 | BMW M4 DTM | アレッサンドロ・ザナルディ | 31 | 57分46秒042 |
14 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン | 31 | 57分47秒312 |
15 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋和也 | 31 | 57分47秒673 |
16 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 | 国本雄資 | 31 | 58分27秒672 |
17 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | ジェームス・ロシター | 26 | 47分01秒590 |
18 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平 | 26 | 47分18秒722 |
19 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋一貴 | 26 | 47分28秒165 |
20 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 石浦宏明 | 26 | 47分32秒076 |
21 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大 | 25 | 45分09秒968 |
22 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀 | 25 | 45分10秒856 |