ニュース

ボルグワーナー、電気モーター直結でターボラグを解消する「eTurbo(イー・ターボ)」。2022年に量産開始

過渡領域の過給応答性を200%以上改善、トルクの立ち上がり時間を50%短縮

2020年1月23日(現地時間)発表

乗用車向け高性能「eTurbo(イー・ターボ)」

 米ボルグワーナーは1月23日(現地時間)、欧州の大手OEMと乗用車向け高性能「eTurbo(イー・ターボ)」を供給する契約を締結したと発表した。eTurboの量産は2022年に開始する予定。

 今回発表されたeTurboは、機械式ターボチャージャー(過給機)のシャフトにジェネレーター(発電機)としても機能する電気モーターを直結したもので、従来のターボチャージャーの利点に加え、電気モーターにより強化された過給効果が応答性を飛躍的に向上させるというもの。タービンが高速回転することで生じる余剰エネルギーを発電に再利用したり、排気の後処理制御およびより精度の高い空燃比制御によって排気ガスを低減したりするなどの利点も挙げられている。

 また、過渡領域のブースト(過給圧)上昇の応答性を200%以上改善するとともに、トルクの立ち上がり時間を50%短縮することによりターボラグをほぼ解消。大幅な低速トルク向上を実現したという。

 さらに余剰排気エネルギーを発電に再利用し、直接電気エネルギーとして回収する機能を備え、発生した電気は車両に搭載した機器の電源用に、あるいはバッテリーの充電用に使用できるため、バッテリーサイズを小さくすることも可能。また、eTurboはエンジンの背圧を高められるので、オンデマンドでEGR(排気再循環)効果を高め、排気ガスを低減することができるという。発電機能を解除すれば、通常のターボチャージャーとして機能するとのこと。

 eTurboの乗用車への採用は今回が初めてとなるが、将来的には商用車への搭載も見込んでいる。