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ボルグワーナー、最大トルク1270Nm発揮時でも静粛性を保てる高電圧ヘアピン電気モーター「HVH320」を開発

約97%の最大効率と400kW以上のパワーを提供する

2020年2月10日(現地時間)発表

新開発の高電圧ヘアピン電気モーター「HVH320」

 米ボルグワーナーは2月10(現地時間)、欧州の大手OEMと商用車メーカーが手がけるさまざまなハイブリッドおよび電気駆動システムに適合する動力源として、新たに開発した高電圧ヘアピン(HVH)電気モーター「HVH320」を発表した。

 定格電圧800Vの高性能と4つのバリエーションを備えたHVH320の本格生産は、2024年の開始を予定しているという。

 ボルグワーナーは、10年以上に渡るモーター生産のノウハウを活かし、モジュール化された汎用性の高いHVH320モータープラットフォームに4つのバリエーションを設け、クライアントが求めるさまざまな要件を満たせる製品を開発。モーターの最大トルクが1270Nmに達しながらも、クリーンで静かな動作を可能にした。また、このモーターの持つ多面的なプラットフォームは、メーカーの目指す汎用性の高い電動ドライブトレインの開発をサポートし、約97%の最大効率と400kW以上のパワーを提供するという。

 HVHシリーズのラインアップの中で最も新しいHVH320モーターは、小型乗用車から大型商用車までカバーできるのはもちろん、特許取得済みのステータ巻線技術を特徴としていて、一体化設計が容易な構造となっている。また、同モーターは変速を補助し、制動時や下り坂走行時には発電しその電力でバッテリーを充電することも可能。ハウジング込みのモーター完成品あるいはローター/ステータのみのアセンブリとして出荷でき、モーターは車両のあらゆる位置に搭載可能としている。

 ボルグワーナー・パワードライブシステムズ 社長兼事業本部長のステファン・デメール博士は「HVH320が当社の電気モーターファミリーに加わり、品揃えが豊富になりましたが、これは市場ニーズに合った最先端のクリーン動力を提供するというボルグワーナーの取り組みを表す優れた例です。当社の定格電圧800Vのモーターを使用することにより、充電時間が大幅に短縮され、電力密度が高くなるので、電気トラックの未来がさらに明るくなります」と述べている。