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トヨタ、グループ横断バーチャル組織「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」の連携を強化
静岡県裾野市に作る街「Woven City」などの発展に活用させたい意向
2020年3月16日 16:03
- 2020年3月16日 発表
トヨタ自動車とトヨタファイナンシャルサービスは3月16日、2019年4月より実証実験を進めているグループ横断バーチャル組織「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」について、これまで以上にさまざまなパートナー企業との連携を加速させると発表した。2020年1月7日にCESで発表した「Woven City」など、幅広い領域での活用可能性をさらに追求し、技術的知見の蓄積やビジネス実装に向けた課題解決を推進していくとしている。
あらゆるモノづくりやモビリティサービスなどが情報でつながっていく時代において、ブロックチェーン技術は、生活する人々や事業者を「安全・安心」に「オープン」につなぐことを支える有用な技術基盤である。
ブロックチェーン技術に着目する背景
IoTの進展などにより、さまざまなモノやサービスが情報でつながり、利便性や効率性の向上をもたらす一方で、情報の漏洩や改ざん、不正利用など、セキュリティ対応への重要性も高まっている。
また、自動車業界では「100年に一度」と言われる大変革の時代を迎えている中で、トヨタではモノづくりを中心にモビリティに関わるあらゆるサービスを提供する「モビリティカンパニー」を目指し、その実現に向けてグループ内外の「仲間づくり」を進めるうえで、商品やサービスを利用するユーザー、それらを提供するさまざまな事業者が「安全・安心」のもとで、より「オープン」につながることが重要と位置付けて活動を推進。
ブロックチェーンは、「改ざん耐性が高い」「システムダウンしにくい」などの特性を持ち、情報の信頼性を向上させることで、多様な関係者間での安全なデータ共有を実現できる技術と言われ、この技術がグループ内外の仲間づくりを下支えし、その結果、ユーザーにとってより利便性が高く、カスタマイズされたサービスの提供や事業の効率化・高度化、さらに既存の概念にとらわれない新たな価値創造をもたらす可能性があると考えているという。
これまでの活動経緯
こうしたブロックチェーン技術の可能性を追求し、取り組みを本格化すべく、2019年4月にグループ6社を構成会社としたバーチャル組織「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」を設立。当該技術活用に向けた火付け役として、グループの知見を集約しながら、有望な活用用途の企画検討や実証実験の推進を行うと共に、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント（TRI-AD）、トヨタコネクティッド、Toyota Motor North America, Inc.など、グループ各社とのグローバルな連携、パートナー企業との関係構築を進めている。
以下の「お客さま」「車両」を軸にした取り組みでは、特定の環境下における実証実験を昨年11月に完了するなど、各活用用途においてブロックチェーン技術の有用性を確認したとしている。
検証を進めている主なテーマ
1.「お客さま」を軸に、グループ内外のID共通化・契約のデジタル化による利便性向上、お客様自身による情報管理の実現、ポイントサービスへの活用等
2.「車両」のライフサイクルに関わるあらゆる情報の蓄積・活用を通じた、各種サービスの高度化、新たなサービスの創出
3.「サプライチェーン」における、部品製造、発送などに関する情報の記録・共有による業務プロセス効率化、トレーサビリティ向上
4.車両などの資産や権利等、様々な「価値のデジタル化」を通じた資金調達手段多様化への活用と、それによるお客さまや投資家との中長期的な関係構築
トヨタ・ブロックチェーン・ラボ構成会社（2020年3月16日時点）
構成会社
トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、トヨタファイナンス株式会社、株式会社トヨタシステムズ、株式会社デンソー、株式会社豊田中央研究所
今後の活動方針について
さまざまなパートナー企業との連携をより拡げ、ブロックチェーン技術の活用可能性追求、ビジネス実装に向けた取り組みを加速させる。具体的には、有望な活用用途のさらなる検討、関係事業者まで含めた実証実験等を推進。
また、世の中に数多く存在するブロックチェーン基盤について、パートナー企業と合同で、非機能面での評価項目を策定するなど、当該技術の社会実装促進に向け取り組むと共に、各用途に適した基盤選定に向けた技術的な知見蓄積を図るとしてる。