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国内自動車メーカーに6月以降の生産状況や新型コロナ対策を聞いた【スズキ編】

部品供給が回復し始めたので、6月と7月は6~7万台の生産まで回復

エブリイに設置された間仕切りカーテン

 2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されてから約3週間。新型コロナウイルスの長期化も懸念される状況のなか、新型コロナウイルスとともに生活していく“Withコロナ”という新しい生活様式も生まれてきた。

 この“Withコロナ”時代において、移動中に第三者との接触が避けられるという意味で改めてクルマへの注目が集まっているという見方がある一方で、世界的には新車需要の低迷を受けて生産調整を行なっているとも聞く。そのあたりを含め、自動車メーカーの生産体制はコロナ禍前と後でどう変わったのか。6月以降の生産状況や新型コロナウイルス対策などの取り組みについて、スズキ広報部に聞いた。

 下記にある通り、徐々に部品供給も回復し、自動車の生産も回復基調に乗ってきたというのは吉報。また、スズキは自宅で過ごす時間が増えている今、お家での時間をもっと楽しんでほしいと塗り絵、ペーパークラフト、クロスワードパズル(順次公開)など、さまざまなコンテンツを盛り込んだ「スズキで遊ぼう」と特設サイトを開設している。テレビコマーシャルでもお馴染みのももいろクローバーZのメンバーが挑戦する動画も公式チャンネルで公開している。

スズキで遊ぼう! ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんが塗り絵に挑戦!(16分36秒)

――国内各工場について、緊急事態宣言が出された4月や5月と比べ、6月以降はどれくらいの生産量まで戻せそうでしょうか? または戻す予定を組んでいますでしょうか?

スズキ広報部:国内の軽・登録車の4月生産実績は約2万8000台でした。5月は約3万4000台を見込んでおり、6月は約6万台まで伸ばす計画です。3~5月は部品の供給が滞り、思うように生産ができませんでしたが、6月からは徐々に供給が再開される見込みで、6万台の生産計画を立てています。7月も順調にいけば6~7万台を生産する予定ですので、納車をお待ちいただいているお客様に1日でも早くお届けできるよう努めて参ります。

――納期にもっとも影響が出ているモデルは何でしょうか?またその期間はどれくらい遅れているのでしょうか。

スズキ広報部:モデル別の影響についてはお答えできません。

――緊急事態宣言は解除されましたが、コロナ禍において各工場で取り組んでいる感染予防対策(出社の手順、従業員の出社人数、拠点での移動方法、休憩や食事の方法、訪問者や請負業者との接触方法など)はどういったものがありますでしょうか?

スズキ広報部:・工場では一勤と二勤の間をあけて従業員同士の接触を少なくする、食堂テーブルは片側のみ着座可能とし、テーブル中央に仕切りフィルムを張る、など。
・休憩時間ごとに換気を実施する。
・トイレ、会議室、事務所は定期的に消毒を行なう。
・本社、二輪・マリン技術センターの間接部門の社員は、フレックスタイム制を活用し、時差出勤・退社を積極的に行なうことで、公共交通機関利用者のラッシュ時間回避や事務所の密集を減らす。
・東京支店や横浜研究所ではテレワークを行ないつつ、出社する場合は出社人数の割合を上限50%に抑えるようにしています。

――海外の拠点は現在どのような状況になっているのでしょうか?

スズキ広報部:インドの状況について、4月は生産・販売ともにゼロでした。5月の販売は約14千台(前年比11%)となっております。インドでは経済活動が徐々に緩和されており、5月末で販売店舗の約6割、サービス工場の7割以上が営業を再開しています。

 生産拠点も稼働を再開しましたが、通常の量産を再開したという状況にはなっておりません。未だ感染が拡大している地域もあるなか、お客さま、お取引先さま、従業員の防疫・安全の確保を最優先とするなかで、生産・販売活動の本格的な再開に取り組んでいます。

――マスクやフェイスシールドの生産など、医療従事者への支援といった動きがありますが、これから始めようとしている新たな取り組みなどはありますでしょうか?

スズキ広報部:新型コロナウイルス感染症対応車両への支援としては、新型コロナウイルス感染症に対応する浜松市公用車「エブリイ」(5台)に、車両間仕切り用カーテンを提供しました。運転席と後部座席の間に仕切りとなる間仕切りカーテンを設置することで、軽症者の搬送に活用していただくことが可能です。自工会を通じて医療等への支援要請は受けておりますので、弊社で何か協力できることはないか、引き続き検討を進めてまいります。

 海外では、弊社のインド子会社マルチ・スズキ・インディア社が、インド国内において人工呼吸器メーカーの増産に対する支援や、食糧・飲料水の提供などの地域支援活動を行なっています。

STAY HOMEを応援する特設サイトも開設している