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スズキの2020年3月期決算。連結売上高3兆4884億円で前期比9.9%減、営業利益2151億円で同33.7%減で減収減益

インド4輪市場の回復遅れと為替影響に加えて新型コロナウイルスの影響など

2020年5月26日 発表

スズキが2020年3月期決算を発表

 スズキは5月26日、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)決算を発表。同期の業績は、連結売上高は3兆4884億円で前期比9.9%減、営業利益は2151億円で同33.7%減、経常利益は2454億円で同35.3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は1342億円で同24.9%減と、減収減益となった。

 減収減益はインド四輪市場の回復遅れと為替影響に加え、期末に発生した新型コロナウイルスの影響などによるものとしており、連結売上高3兆4884億円については前期に比べ3831億円(9.9%)の減少。利益面では営業利益2151億円は前期に比べ1093億円(33.7%)の減少、経常利益2454億円は前期に比べ1341億円(35.3%)減少となった。

 親会社株主に帰属する当期純利益1342億円は前期に比べ446億円(24.9%)減少であったが、同社では前期に完成検査対策費813億円の特別損失を計上しており、特別損失が大幅に減少したことにより経常利益に対し減少幅は縮小した。

2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)実績の総括
4半期ごとの業績推移
参考資料

 次期2021年3月期の連結業績予想については未定と公表を見送った。理由については、新型コロナウイルスの感染拡大により、同社が製造拠点を置く日本、インド、パキスタン、ハンガリー、フィリピンなどの工場稼働や世界各国での販売に影響が出ており、現時点では業績予想をする上での未確定要素が多く、適正かつ合理的な予想値の算出が困難であることからとしている。今後、新型コロナウイルスによる影響について、適正かつ合理的な算出が可能な状況になり次第、速やかに開示するとしている。

次期2021年3月期の連結業績予想は未定
主要生産拠点の操業状況
新型コロナウイルス関連の取り組み

 なお、配当金については、同社創立100周年を記念して、期末配当金は1株につき普通配当37円に創立100周年の記念配当11円を加えて48円、年間配当金は85円とする予定。

配当金

4輪車の世界販売台数285万2000台で、前期比47万5000台(14.3%)減

4輪車販売台数実績

 具体的な業績については、4輪事業の世界販売台数は285万2000台で前期比で47万5000台(14.3%)減。売上高はインド、パキスタンでの販売減少や為替円高の影響に加え、期末に発生した新型コロナウイルスの影響により3兆1574億円と前期に比べ3751億円(10.6%)減少。営業利益は売上減少に加えて、為替円高、減価償却費増加などにより1971億円と前期に比べ1067億円(35.1%)減少した。

生産台数実績
ハイブリッド車の販売状況
日本市場の4輪車販売
インド市場の4輪車販売
アセアン市場の4輪車販売

 2輪事業では、売上高はインドでの販売増加の一方、欧米、インドネシアでの販売減少や為替円高の影響により2426億円と前期に比べ125億円(4.9%)減少。営業利益は期末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり7億円と前期に比べ29億円(80.9%)減少した。

2輪事業の販売実績

 マリン事業ほかでは、売上高は欧州での船外機や国内での電動車いすの販売増などにより884億円と前期に比べ45億円(5.4%)増加。営業利益は173億円と前期に比べ3億円(1.6%)増加した。このうち、マリン事業の売上高は745億円、前期に比べ15億円(2.1%)増加したが、営業利益は1~3月期での北米減速もあり141億円、前期に比べ4億円(3.1%)減少した。

 所在地別では、日本、欧州やアジアで減収減益。営業利益については、日本で1232億円と前期に比べ276億円(18.3%)減少、欧州で177億円と前期に比べ53億円(23.1%)減少、アジアで627億円と前期に比べ815億円(56.5%)減少した。

単独の業績