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トヨタとスズキ、トヨタが960億円、スズキが480億円相当の株式を取得して資本提携

自動運転分野を含めて協力を推進

2019年8月28日 発表

2016年10月12日に実施された共同会見で握手するトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏(左)とスズキ株式会社 代表取締役会長 鈴木修氏(右)

 トヨタ自動車とスズキは8月28日、両社の長期的な提携関係の構築・推進を目指すため、相互に株式を取得する資本提携に関する合意書を締結したと発表した。

 トヨタとスズキは2016年10月に業務提携に向けた検討をスタート。トヨタの強みである「電動化技術」とスズキの強みである「小型車技術」を持ち寄って商品補完を進めることに加え、商品の共同開発や生産領域での協業などに取り組むため、具体的な検討に着手することを公表してきた。

 しかし、自動車産業では環境に関わる規制強化に加え、異業種からの新規参入、モビリティビジネスの多様化などの大きな変化が起き、「100年に1度の変革期」と呼ばれる状況になっていることから、上記の協業に加え、これまでと同じく競争相手であり続けつつも、新たなフィールドでの協力関係を構築・深化させることで、自動車産業を取り巻く新たな課題を克服し、持続的成長を実現していきたいとの考えで一致。

 具体的には自動運転分野を含めた新たなフィールドでの協力を進めていくため、両社の長期的な提携関係の構築・推進を目指すことになった。

 今回の合意書締結については「両社が真摯かつ丁寧に協議を行なった成果を確認および表明するものであり、新たなフィールドにおける両社の今後の提携関係の構築・推進につながるものであると考えています」としている。

 相互の株式取得については、トヨタはスズキが実施する第三者割当による自己株式の処分により、スズキの普通株式2400万株(自己株式を除く2019年3月31日現在のスズキの発行済株式総数)に対して所有割合が4.94%(小数点第二位未満は四捨五入)となる、総額960億円の株式を取得する。また、スズキは市場買付により、480億円相当のトヨタ株式を取得する。これらの株式取得は、海外の競争当局の承認が得られ次第実施する予定となっている。