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国内タイヤメーカーに新型コロナ以降の生産状況の変化や対策を聞いた【TOYO TIRE編】

 2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除され、都道府県をまたぐ移動も徐々に緩和されてきた。新型コロナウイルスの長期化も懸念される状況のなか、新型コロナウイルスとともに生活していく“Withコロナ”という新しい生活様式も生まれている。

 この“Withコロナ”時代において、移動中に第三者との接触が避けられるという意味で改めてクルマへの注目が集まっているという見方がある一方で、世界的には新車需要の低迷を受けて車両の生産調整を行なっているとも聞く。その影響は国内タイヤメーカーの生産体制にもあったのだろうか。最近の生産状況や新型コロナウイルス対策などの取り組みについて、TOYO TIRE コーポレートコミュニケーション部に聞いた。

 現在TOYO TIREでは、十分な商品在庫も安定的な物流網も確保ができていて、国内外の工場はすべて稼働している。また、医療従事者へ手作りの料理をデリバリーするプロジェクトに参画するなど、モビリティを事業の中核とする会社として、医療現場をサポートしている。

医療従事者へ手作りの料理をデリバリーする「Smile Food Project」の支援に参画

──国内各工場について、緊急事態宣言が出された4月や5月と比べて現在の工場稼働はどのような状況でしょうか?

TOYO TIRE コーポレートコミュニケーション部:現在、各拠点とも稼働しています。

──納期にもっとも影響が出ている商品はありますか? また、期間はどのくらいですか?

TOYO TIRE:市場ごとに、コロナ禍による影響の大きさによってモノの動きに差はあります。当社は一部、計画的な生産調整を行ないましたが、これは、市場の需要に対して十分な在庫が確保できていることを背景に行なった措置であり、商品を安定的に供給するために必要な物流網も確保していますので、納期などに特に影響は出ていません。

──海外の拠点は現在どのような状況なのでしょうか。

TOYO TIRE:現時点ですべての工場が稼働しております。海外拠点においても当初より十分な在庫を確保しており、引き続き、需要と供給のバランスを見ながら計画的に生産を調整してまいります。

──緊急事態宣言は解除されましたが、コロナ禍において各工場で取り組んでいる感染防止対策(出社の手順、従業員の出社人数、拠点での移動方法、休憩や食事の方法、訪問者や請負業者との接触方法など)はありますでしょうか。

TOYO TIRE:もともと工場勤務者はマイカー通勤がほとんどで、また、工場内の勤務時における配置も十分な間隔が取れているため、3密になりにくい環境にあります。今回、新型コロナウイルスへの感染防止対策として、当社桑名工場で実施している取り組みを事例として、以下にご紹介します。

・出勤前の体温測定:平熱より高い測定値が出た場合は休む、勤務中に発熱の場合は帰宅と業務エリアの消毒
・3密リスクの低減:朝礼時の間隔を広くとり、時間を短縮。食堂の席を間引き、昼食時間帯の分散。会議の縮小のほか、食堂や事務所スペースでの仕切り板やシールド設置(飛沫感染防止対策)
・外部入場者の体温確認、手洗い・消毒など実施
・消毒液の確保と消毒ポイントの増設
・業務の効率化による在社時間の最小化

──車両生産のほか、マスクやフェイスシールドの生産など医療従事者へのサポートといった動きも見られます。そうした新たな取り組みについて、改めて教えてください。

TOYO TIRE:当社は自動車用タイヤと自動車部品の生産を業態としておりますので、衛生製品の製造などは現状検討しておりません。

 一方、医療従事者へ手作りの料理をデリバリーする「Smile Food Project」の支援に参画しています。これは日々医療に携わり、食事に十分な時間や手間をかけられない環境にある医療従事者に対し、「食」業界の有志が栄養に考慮した手作り料理を弁当にして届けるというプロジェクトです。当社はデリバリーを支えるモビリティを事業の中核とする会社として、この取り組み趣旨に賛同し、支援しています。

──ひと言メッセージをお願いします。

TOYO TIRE:運輸・運送は、社会基盤を支えるインフラであり、同時に人々の生活にも欠かせないライフラインでもあります。当社はこうした「デリバリー」を支え、人やモノの移動を安全に守り、維持していけることを誇りとして今後も事業に勤しんでまいりたいと考えています。まだ、状況は予断を許しませんが、TOYO TIREは、今回のコロナ禍で得た経験を活かし、当社の持てるリソースを大切にしながら、この難局を乗り越えてまいります。今後ともご愛顧くださいますよう、お願い申し上げます。