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国内タイヤメーカーに新型コロナ以降の生産状況の変化や対策を聞いた【横浜ゴム編】

静岡県にある横浜ゴム 三島工場

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が、5月25日に解除されて約1か月。新型コロナウイルスの長期化を前提にした新しい生活様式“Withコロナ”という考え方も定着しつつある。

 この“Withコロナ”時代において、移動中に第三者との接触が避けられるという意味で改めてクルマへの注目が集まっているという見方がある一方で、世界的には新車需要の低迷を受けて生産調整を行なっているとも聞く。その影響は国内タイヤメーカーの生産体制どのようにあったのか。緊急事態宣言後の生産状況や新型コロナウイルス対策などの取り組みについて、横浜ゴム 広報室に聞いた。


──国内各工場について、緊急事態宣言が出された4月や5月と比べて現在の工場稼働はどのような状況でしょうか?

横浜ゴム:国内の工場は、需要を見ながら操業短縮などを実施しておりましたが、現在は通常稼動に戻ってきております。今後につきましてもカーメーカーさまや市場の需要などを鑑みながら柔軟に対応していく予定です。

──納期にもっとも影響が出ている商品はありますか? また、期間はどのくらいですか?

横浜ゴム:需要を見ながら生産調整を行っており、製品で納期に問題が出ているものは特にございません。

──海外の拠点は現在どのような状況なのでしょうか。

横浜ゴム:各国の行政指導等により一時生産停止をしていた拠点もありましたが、現在の稼動はほぼ通常に戻ってきております。ただし今後も各国の行政指導に従うことはもちろんのこと、その他需要を見ながら柔軟に対応する予定です。

──緊急事態宣言は解除されましたが、コロナ禍において各工場で取り組んでいる感染防止対策(出社の手順、従業員の出社人数、拠点での移動方法、休憩や食事の方法、訪問者や請負業者との接触方法など)はありますでしょうか。

横浜ゴム:基本行動としてマスク着用、手洗い/消毒/検温の実施、対人距離(ソーシャルディスタンス)確保、3密の回避の徹底を指示しております。また、スタッフについては極力在宅勤務を推奨しております。やむを得ず出社する場合も在宅勤務とオフピーク通勤を組み合わせ在社時間の短縮と公共交通機関の混雑を回避するように指示しております。

 工場の現場は人が密接になる作業はあまりないのですが、休憩については喫煙室などで密にならないよう一度に入る人数の制限をしたり、食堂などでもソーシャルディスタンスが保てるよう対面での着席をせず横並びとし、極力短時間の利用とし会話も控えるなど指示しています。

──車両生産のほか、マスクやフェイスシールドの生産など医療従事者へのサポートといった動きも見られます。そうした新たな取り組みについて、改めて教えてください。

横浜ゴム:医療従事者へのサポートなどは残念ながら弊社では実施しておりませんが、ある工場や子会社において、自分達が使用するマスクを自分達で手作りしているという事例はございます。

──Car Watch読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

横浜ゴム:弊社では、社員やその家族、お客さまなどの健康・安全を最優先に考えるという基本方針がございます。今後もこの基本方針にのっとり、感染防止の行動や対応を徹底いたします。タイヤは皆さまの足下を支える重要な部品です。私どもはこれからも皆さまのカーライフを足下から支え、皆さまと一緒にこの難局を乗り越えて参りたいと考えております。これからも変わらぬご愛顧をどうぞよろしくお願い申しあげます。