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マセラティ、最高出力630PSのV6 3.0リッターツインターボ「ネットゥーノ」開発
100%自社製エンジンとして新型「MC20」に搭載
2020年7月2日 11:38
- 2020年7月1日(現地時間) 発表
マセラティは7月1日(現地時間)、新型スーパースポーツカー「MC20」に搭載するツインスパークエンジン「ネットゥーノ」の技術仕様を公表した。
ネットゥーノは、マセラティ技術陣が設計、開発した100%自社製エンジンとし、F1由来のテクノロジーを採用してエンジン効率を引き上げた結果、パフォーマンス向上と燃料消費の低減を実現させたという。
新型エンジンのネットゥーノは新型MC20に搭載される。マセラティでは、MC20とともに再びモータースポーツの世界に返り咲くと予告。
また、9月9日~10日(現地時間)にモデナで開催されるイベント「MMXX:The time to be audacious」において、MC20のワールドプレミアに加えて、マセラティの新たな時代を支えていく革新的な駆動システムや新たなプログラムを発表するとしている。
最高出力630PS/7500rpm、最大トルク730Nm/3000-5500rpmを発生するV型6気筒 3.0リッターツインターボエンジン
新パワーユニットのネットゥーノは、最高出力630PS/7500rpm、最大トルク730Nm/3000-5500rpmを発生するV型6気筒 3.0リッターツインターボエンジン。バンク角90°のV型6気筒アーキテクチャーを基本として、ツインターボとスーパースポーツカーの伝統的ソリューションであるドライサンプ潤滑システムを採用。リッターあたりの出力は210PSに達する。
新型エンジンの核心は、ツインプラグレイアウトを持つプレチャンバー燃焼システムにあるといい、同テクノロジーはF1に由来したもので、ロードカーエンジンとして採用されるのは世界初という。
エンジンは、セントラル電極と従来の燃焼室の間に燃焼室を設けて、両者を特殊形状の孔で連結するプレチャンバーを採用。エンジンがプレチャンバーの介入を必要としない領域で動作している際、従来型スパークプラグが安定かつ持続的な燃焼のサポートとして機能するツインプラグレイアウトを採用。
また、ダイレクトインジェクションとポートインジェクションによるツイン インジェクション システムが採用され、最大噴射圧350バールの燃料供給システムにより、低速域のノイズを抑えるだけでなく、排出ガスを減少させ、省燃費に貢献するという。
このエンジンの開発においては、マセラティ・イノベーション・ラボによるバーチャル分析により開発時間を大幅に短縮。新たな“メイド・イン・モデナ”エンジンは、伝統的な90°V6レイアウトを基本としながらも、これまでに例のないレベルのパワーとトルクを実現させたとしている。
エンジン主要諸元
生産:マセラティ
基本アーキテクチャー:90° V6
排気量:3.0L
ボア×ストローク:88×82mm
圧縮比:11:01
点火順序:1-6-3-4-2-5
最高出力:630ps/7500rpm
最大トルク:730Nm/3000-5500rpm
レヴリミット:8000rpm
ターボチャージャー:ツイン サイド ターボ、電子制御ウェストゲート
点火システム:ツインスパーク、パッシブ プレチャンバー
潤滑ポンプ:フル可変オイルポンプ
潤滑システム:ドライサンプ、スカベンジポンプ&外部オイルタンク
燃料システム:PDI (ダイレクト インジェクション:350 バールポート インジェクション:6バール)
バルブトレーン&タイミング システム:ダブル オーバーヘッド カムシャフト、可変バルブタイミング
全幅:1000mm
全高:650mm
全長:600mm
重量 (DIN GZ 規格):220kg 未満
排ガス基準:EU6D/China 6B/ULEV 70