ケンウッド、マスク着用のままで検温測定できる非接触セルフ式検温端末「VA110」

マスク着用のまま検温・測定できる非接触セルフ式検温端末のAI検温ステーション「VA110」発売

　JVCケンウッドグループのJVCケンウッド・公共産業システムは、非接触セルフ式検温端末としてAI検温ステーション「VA110」を11月18日に発売する。価格はオープンプライス。

　VA110は、顔認識AIと高性能温度センサーにより、マスクを着用したまま離れた状態（20～100cm）で検温誤差±0.2℃、検出時間0.3秒で体表面温度を測定できる、施設利用や入館時の検温に適した屋内専用の非接触セルフ式検温端末。設定温度よりも高い温度を検知したときや、マスク未着用を検出したときはアラート音で通知するほか、測定結果（最大100万件、スナップショットは最大2万件）は本体に記録可能。また、設置場所に応じて利用できるフロアスタンドとデスクスタンドを別売オプションで用意している。

検温イメージ

　2021年2月に発売を予定している別売オプションとなるクラウドに接続による顔認証機能を活用することで、事前に顔登録をした従業員の検温を一元管理することも可能。登録者以外の入場や高熱測定者をアラート通知するため、セキュリティの強化にも役立てられるとともに、複数台のVA110の測定結果を一元管理することもでき、拠点や多店舗管理オペレーションにも対応する。

　さらに、同じく2021年2月に発売を予定している別売オプションにより、エッジAIを活用した監視カメラと連携することで、次世代のAIセキュリティシステムへの拡張も可能としている。具体的には、監視カメラにAtomrock製エッジAI「Video Analyzer」（別売オプション）を組み合わせることで、本機で認識した顔情報とエッジAIで認識した顔情報が一致するかを検索できるほか、特定の人物がどのフロアに居たかといった行動履歴（「Photo Search」機能、別売オプション）を把握したり、顔登録済みの従業員や職員が高熱のまま入場した場合、管理者へアラートを通知したりも可能。後に感染症が確認された場合、複数のカメラ映像から顔情報を検索（「Facial Search」機能、別売オプション）して、従事したオフィスや移動したフロアを特定することもできる。

拡張システム構成図

　開発の背景には新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染対策として、企業や自治体をはじめとする多くの施設ではこれまでの防犯セキュリティに加え、入場時の「検温」実施を取り入れ、来訪者だけでなく従業員の感染防止に努めていることがあるという。同社ではVA110を施設における感染対策だけでなく“withコロナ時代”の次世代AIセキュリティとして企業や自治体の、防犯やBCP（事業継続計画）に向けて提案するとしている。

「VA110」の主な仕様

ディスプレイ：8インチ（解像度800×1280ピクセル）
カメラ：解像度200万画素
赤外線センサー：32×32マトリクスセンサー方式、温度検出距離20cm～100cm、温度測定範囲10℃～60℃
オーディオ：2.5Wスピーカー内蔵
インターフェース：有線ネットワークRJ45端子×1（10/100Base-T）、USB HOST×1、USB OTG×1、リレー ＋端子×1、リレー －端子×1、RS-232×1、RS-485×1、ウィーガンド26/34入力×1、ウィーガンド26/34出力×1
動作温度/動作湿度：0℃～50℃（性能保証15℃～35℃）/10％RH～90％RH（性能保証10％RH～70％RH、結露しないこと）
保管温度/湿度：－20℃～70℃/10％RH～95％RH（結露しないこと）
消費電流：専用ACアダプター、入力AC100V-240V（50Hz/60Hz）、出力DC12V/3A
外形寸法：128mm×27mm×303mm（幅×奥行き×高さ、マウントポール部含まず）
質量（本体のみ）：約1.6kg

別売オプション（価格はすべてオープンプライス）

デスクスタンド：VA110-STD-2（11月18日発売）
フロアスタンド：VA110-STD-4（11月18日発売）
クラウド記録（7日間）：LIC-CR-7D（2021年2月発売予定）
「Photo Search」（画像検索）：LIC-VAS-PTOS（2021年2月発売予定）
「Facial Search」（顔検索）：LIC-VAS-FS（2021年2月発売予定）
エッジAI 「Video Analyzer」（Atomrock製）：VA100（2021年2月発売予定）
ストリーム管理 「Flow Director」（Atomrock製）：FD100（2021年2月発売予定）