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ホンダF1 田辺豊治TD、「最終的にレースで歯車がかみ合わないまま終わってしまった」
中東3連戦に向けては「準備を進めていきたい」
2020年11月16日 02:00
11月15日、F1第14戦トルコGPの決勝レースがイスタンブール・パークで開催された。決勝結果は、メルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車)が優勝して年間チャンピオンを獲得。一方、ホンダハイブリッドPU(パワーユニット)を搭載するレッドブル・レーシング・ホンダ、アルファタウリ・ホンダの4台は、マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)の6位が最高、ポイント獲得もレッドブル・ホンダの2台のみと残念な結果に終わった。
F1第14戦トルコGP、メルセデスのルイス・ハミルトン選手が年間チャンピオン獲得 7度目のタイトル獲得を勝利で決める
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1289206.html
決勝レース後行なわれたオンライン会見において、ホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏は、「非常に滑りやすい路面でいろいろなことがあった週末」と表現。決勝レースもレース直前に雨が降り、ウェットと路面という状況の中で思うようなレース展開にできず「最終的にレースで歯車がかみ合わないまま終わってしまった」と語った。
田辺TDは、その中でも「我々の弱点をきっちり見直して、来年に向けてきちんと備えていく」とし、ウェット路面においてレッドブル・ホンダの2台がスタートで出遅れた部分を対策していくという。レッドブル・ホンダの2台は予選で、マックス・フェルスタッペン選手が2位、アレクサンダー・アルボン選手が4位と好位置を得たが、決勝では2台もスタートでトラクションを得られず出遅れ。そのため、難しいレース展開となり、速さはあったものの前走車を抜く際にスピンするなどスタートの出遅れを取り戻すことができなかった。
シャシーやサスペンションの特性なのか、ホンダハイブリッドPUのパワー特性によるものか分からない部分だが、明らかな弱点となっていたので同じ失敗はないということだろう。
次戦は11月27日~29日のバーレーンGP。そして、そこから中東3連戦
2020年のF1はコロナ禍によるスケジュールの変更やサーキットの変更、連戦の設定など変則的な開催となっていた。とくに、イモラやニュルブルクリンク、アルガルヴェなど、ハイブリッドPUを用いるようになったF1にとって初めて行なわれるサーキットが多く、そこでは事前のシミュレーションがとくに大切になっていた。そうした初めてサーキットシリーズは、このイスタンブール・パークで一段落となるのだが、田辺TDはその分をどう評価していたのだろう?
とくにイスタンブール・パークにおいては、路面のμ(ミュー、摩擦係数)がここまで低くなることが読み切れておらず、事前に想定したラップタイムと全開率が異なっていたという。これらの係数は、ハイブリッドユニットにどれだけエネルギーを蓄え、どれだけ解放していくかということにかかわっており、速いラップタイムを作っていく上で重要な要素となる。
そこについては。「実走データの方からシミュレーションとの乖離を検証して、突っ込んでいくとか、かなり早いペースで検証をやらなきゃいけなかったんですけどその辺はうまくいったと思ってます」と、これまでの知見が役に立ったという。雨が降るという天候的に予測しづらい状況でもしっかり調整でき、実際FP1からフェルスタッペン選手はトップタイムを叩き出しており、最終予選となるQ3の直前までトップタイムはいつもフェルスタッペン選手だった。
初めてのサーキットシリーズは、このトルコGPで終了。次戦は第15戦(11月27日~29日)、第16戦(12月4日~6日)のバーレーンでの2連戦、そしてさらに日程的には連戦となるアブダビでの最終戦(12月11日~13日)と、中東における3連戦が2週間後に始まる。
ドライバーチャンピオン、コンストラクターズチャンピオンは決まったが、メルセデスのバルテリ・ボッタス選手とフェルスタッペン選手における年間ランキング2位争いのポイント差は小さく、フェルスタッペン選手がランキング2位を得るためにもホンダのハイブリッドPUは大切な要素となる。
ハイブリッドPUでのデータが存在する中東3連戦に向けてのアドバンテージポイントを田辺TDに聞いてみたが、「ないです」とのこと。とはいえ、「次回のレースに向けて準備を進めていきたい」とのことなので、今シーズンを締めくくる3連戦の戦いに注目したい。
F1第14戦トルコGP 決勝結果
順位 | 号車 | ドライバー | 車両 | 周回数 | タイム | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 58 | 1時間42分19秒313 | 25 |
2 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 58 | +31.633秒 | 18 |
3 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 58 | +31.960秒 | 15 |
4 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 58 | +33.858秒 | 12 |
5 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン・ルノー | 58 | +34.363秒 | 10 |
6 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 58 | +44.873秒 | 8 |
7 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 58 | +46.484秒 | 6 |
8 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・ルノー | 58 | +61.259秒 | 5 |
9 | 18 | ランス・ストロール | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 58 | +72.353秒 | 2 |
10 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 58 | +95.460秒 | 1 |
11 | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 57 | +1周 | 0 |
12 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ・ホンダ | 57 | +1周 | 0 |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 57 | +1周 | 0 |
14 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 57 | +1周 | 0 |
15 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 57 | +1周 | 0 |
16 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 57 | +1周 | 0 |
17 | 20 | ケビン・マグネッセン | ハース・フェラーリ | 55 | DNF | 0 |
NC | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 49 | DNF | 0 |
NC | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 39 | DNF | 0 |
NC | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 11 | DNF | 0 |
F1第14戦トルコGP終了後 ドライバーズランキング
順位 | ドライバー | 国 | 車両 | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | ルイス・ハミルトン | GBR | メルセデス | 307 |
2 | バルテリ・ボッタス | FIN | メルセデス | 197 |
3 | マックス・フェルスタッペン | NED | レッドブル・レーシング・ホンダ | 170 |
4 | セルジオ・ペレス | MEX | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 100 |
5 | シャルル・ルクレール | MON | フェラーリ | 97 |
6 | ダニエル・リカルド | AUS | ルノー | 96 |
7 | カルロス・サインツ | ESP | マクラーレン・ルノー | 75 |
8 | ランド・ノリス | GBR | マクラーレン・ルノー | 74 |
9 | アレクサンダー・アルボン | THA | レッドブル・レーシング・ホンダ | 70 |
10 | ピエール・ガスリー | FRA | アルファタウリ・ホンダ | 63 |
11 | ランス・ストロール | CAN | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 59 |
12 | エステバン・オコン | FRA | ルノー | 40 |
13 | セバスチャン・ベッテル | GER | フェラーリ | 33 |
14 | ダニール・クビアト | RUS | アルファタウリ・ホンダ | 26 |
15 | ニコ・ヒュルケンベルグ | GER | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 10 |
16 | キミ・ライコネン | FIN | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 4 |
17 | アントニオ・ジョビナッツィ | ITA | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 4 |
18 | ロマン・グロージャン | FRA | ハース・フェラーリ | 2 |
19 | ケビン・マグネッセン | DEN | ハース・フェラーリ | 1 |
20 | ニコラス・ラティフィ | CAN | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
21 | ジョージ・ラッセル | GBR | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |
F1第14戦トルコGP終了後 コンストラクターズランキング
順位 | チーム | ポイント |
---|---|---|
1 | メルセデス | 504 |
2 | レッドブル・レーシング・ホンダ | 240 |
3 | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 154 |
4 | マクラーレン・ルノー | 149 |
5 | ルノー | 136 |
6 | フェラーリ | 130 |
7 | アルファタウリ・ホンダ | 89 |
8 | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 8 |
9 | ハース・フェラーリ | 3 |
10 | ウイリアムズ・メルセデス | 0 |