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F1第14戦トルコGP、メルセデスのルイス・ハミルトン選手が年間チャンピオン獲得 7度目のタイトル獲得を勝利で決める

ミハエル・シューマッハ氏の年間チャンピオン記録に並ぶ

2020年11月15日 決勝開催

2020年シーズンの年間チャンピオンを獲得したルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)

 F1第14戦トルコGPが11月13日~15日の3日間にわたって開催された。舞台となるのは2011年以来の開催となるイスタンブール・パークで、直前に路面舗装をやり直したことなどにより滑りやすい状況になっただけでなく、予選、決勝ともにウェットコンディションとなった。予選ではランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)がポールポジションを獲るなど、予想外の展開となった。

 15日の決勝レースもレース前に降った雨で荒れた展開となり、レース序盤はレーシングポイント勢が支配したが、レース中盤にメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)がタイヤマネジメントを上手くやり、交換したインターミディエイトタイヤで50周を走ってみせ、そのままゴールした。

 2位は予選3位からスタートしたセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)、3位は最終ラップに大逆転したセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)選手で、ペレス選手とベッテル選手の2人は今シーズン初めての表彰台となる。

 レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が6位、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が7位となり、アルファタウリの2台はポイント圏外に終わった。

レーシングポイントが1-2フォーメーションを形成してレースをリード

 スタートはポールポジションからスタートしたランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)が順当に1コーナーに入っていった。ところが、2番手からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)はスタートに失敗し、ほぼ止まってしまうぐらいの速度になりどんどんと下位のマシンに飲み込まれていく。

 これで2位は予選3位からスタートしたセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)で、ルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が3位に上がるが、その後セバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)と、スタートの遅れを取り戻したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)に追い抜かれる。

 1コーナーではダニエル・リカルド選手(3号車 ルノーと)とエステバン・オコン選手(31号車 ルノー)とが同士打ちの接触となり、それにバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が巻き込まれてコースアウト。オコン選手とボッタス選手は大きく順位を下げる。

 レースはストロール選手が支配し、その後ペレス選手、ベッテル選手、フェルスタッペン選手、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)、ハミルトン選手の順で、ストロール選手は2位以下を大きく引き離してた。

 レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手は、ベッテル選手に完全にフタをされてしまい、トップに対して瞬く間に15秒近い大きな差をつけられてしまう。

 その後路面コンディションは徐々に改善し、路面は乾いていく方向に。8周目にフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)がインターミディエイトタイヤ(フルウェットとスリックタイヤの中間のタイヤ)に交換して勝負に出る。ほかのチームもインターミディエイトタイヤ交換を行なう方向に。

 10周目にトップのストロール選手、11周目に2位のペレス選手、その前にメルセデス勢などもインターへ交換し、ウェットタイヤのままの走り続けることを選んだレッドブル・ホンダ勢との作戦が分かれることになる。

 フェルスタッペン選手が交換したのは12周目。タイヤ交換するとペレス選手の後ろの4位でレースに戻る。前にはステイアウトしたアルボン選手、インターへ変えたストロール選手という順位。その後アルボン選手がインターへ交換すると、1位ストロール選手、10秒以上離して2位ペレス選手、3位フェルスタッペン選手、4位ベッテル選手、5位ハミルトン選手、6位アルボン選手という順位に変わっていく。

レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手はペレス選手のオーバーテイクを試みてスピン、大きく順位を下げる

 13周目にアントニオ・ジョビナッツィ選手(99号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)がコース脇に停止したため、その車両を排除する目的でVSC(バーチャルセーフティカー)が入った。その翌周には解除される。すると3位のフェルスタッペン選手は前の2台のレーシングポイント勢を追いかける。

 そして4位争いは、ベッテル選手、ハミルトン選手、アルボン選手の3台による争いに。ハミルトン選手とベッテル選手が争っている隙を突いて、アルボン選手は4位にあがる。ここ最近厳しいレースが続いていたアルボン選手、今回は快調に順位を維持し、ペレス選手に引っかかっているフェルスタッペン選手に追いつきそうな勢いでレースができている。

 19周目に、フェルスタッペン選手はペレス選手をオーバーテイクしようとして、スピン。コースには戻れたものの、タイヤにはフラットスポットが出来、タイヤを交換せざるを得なくなる。その結果フェルスタッペン選手は8位まで後退する。その結果、レッドブル・ホンダのもう1台アルボン選手が3位に上がり、レーシングポイントの2台にアルボン選手はファステストラップを出しながら徐々に追いついて行く。トップを走るストロール選手よりも3秒近くは速いタイムだ。

 トップのストロール選手、2位のペレス選手というレーシングポイントの2台とレッドブル・ホンダのアルボン選手の3台が5秒以内でトップグループを形成した。

 2台のレーシングポイント勢はタイムが上がらずアルボン選手はそれに引っかかって前に出ることができない。そのアルボン選手はタイヤの摩耗が進んだようで、レーシングポイントの2台からおいていかれ、ベッテル選手、ハミルトン選手が徐々に追いつき、3台による3位争いに局面が変わっていった。

 ところが34周目、ベッテル選手がピットに入ったが、アルボン選手はスピンしてしまう。その結果としてハミルトン選手が3位に上がることになる。その後アルボン選手もピットインし、インターミディエイトタイヤに交換する。いずれのドライバーもインターからドライへと乗り換えを狙うが、結局インターからインターへと乗り換えをするドライバーが増えていく。その中でトップのストロール選手、2位のペレス選手、3位はハミルトン選手が2台のレーシングポイントに徐々に追いついて行く。

50周近くの周回を同じインターミディエイトタイヤでマネジメントしたハミルトン選手が優勝、シューマッハ氏に並ぶ7度目のタイトルを獲得

 36周目にトップのストロール選手がピットに入りインターへと交換し4位に戻る。その周にハミルトン選手がペレス選手を抜きトップに上がる。これでレースはハミルトン選手がトップになり、2位ペレス選手、3位フェルスタッペン選手、4位ストロール選手、5位ベッテル選手、6位アルボン選手、7位ルクレール選手となる。その後、ルクレール選手がアルボン選手、ベッテル選手、ストロール選手を次々とオーバーテイクして4位にあがった。ストロール選手はその後カルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)にも抜かれ、どんどん順位を下げていくことになり、優勝争いからは脱落し、最終的には9位でゴールした。

 3位を走っていたフェルスタッペン選手だが、追い上げてきたフェラーリのルクレール選手にオーバーテイクされる。それを見たフェルスタッペン選手はタイヤ交換を決断し、ピットに入る。これで8位まで下がるが、その後徐々に追い上げていくが、結局6位まで追い上げてゴールすることになった。

 レースは中盤にトップに立ってから50周近く同じインターミディエイトタイヤで走りきったハミルトン選手がそのままトップでゴールして、ランキング2位だったボッタス選手がポイント圏外に終わったこともあり、ミハイル・シューマッハ氏に並ぶ7度目のドライバーチャンピオンを獲得した。

 2位はこちらもインターミディエイトタイヤを50周近く持たせたレーシングポイントのペレス選手で、2018年アゼルバイジャンGP以来の表彰台を獲得した。

 3位は最終周までフェラーリのルクレール選手だったが、最後の最後にベッテル選手がルクレール選手をオーバーテイクして3位に上がり、今シーズン初めての表彰台を獲得した。

 ルクレール選手は4位。5位はマクラーレンのサインツ選手で、レッドブル・ホンダ勢はフェルスタッペン選手が6位、アルボン選手が7位となった。8位はマクラーレンのノリス選手、9位はストロール選手、10位はルノーのリカルド選手となった。

ホンダ勢の最上位は、6位のマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool
F1第14戦トルコGP 決勝結果
順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
144ルイス・ハミルトンメルセデス581時間42分19秒31325
211セルジオ・ペレスレーシングポイント・BWT・メルセデス58+31.633秒18
35セバスチャン・ベッテルフェラーリ58+31.960秒15
416シャルル・ルクレールフェラーリ58+33.858秒12
555カルロス・サインツマクラーレン・ルノー58+34.363秒10
633マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ58+44.873秒8
723アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ58+46.484秒6
84ランド・ノリスマクラーレン・ルノー58+61.259秒5
918ランス・ストロールレーシングポイント・BWT・メルセデス58+72.353秒2
103ダニエル・リカルドルノー58+95.460秒1
1131エステバン・オコンルノー57+1周0
1226ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ57+1周0
1310ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ57+1周0
1477バルテリ・ボッタスメルセデス57+1周0
157キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ57+1周0
1663ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス57+1周0
1720ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ55DNF0
NC8ロマン・グロージャンハース・フェラーリ49DNF0
NC6ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス39DNF0
NC99アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ11DNF0
F1第14戦トルコGP終了後 ドライバーズランキング
順位ドライバー車両ポイント
1ルイス・ハミルトンGBRメルセデス307
2バルテリ・ボッタスFINメルセデス197
3マックス・フェルスタッペンNEDレッドブル・レーシング・ホンダ170
4セルジオ・ペレスMEXレーシングポイント・BWT・メルセデス100
5シャルル・ルクレールMONフェラーリ97
6ダニエル・リカルドAUSルノー96
7カルロス・サインツESPマクラーレン・ルノー75
8ランド・ノリスGBRマクラーレン・ルノー74
9アレクサンダー・アルボンTHAレッドブル・レーシング・ホンダ70
10ピエール・ガスリーFRAアルファタウリ・ホンダ63
11ランス・ストロールCANレーシングポイント・BWT・メルセデス59
12エステバン・オコンFRAルノー40
13セバスチャン・ベッテルGERフェラーリ33
14ダニール・クビアトRUSアルファタウリ・ホンダ26
15ニコ・ヒュルケンベルグGERレーシングポイント・BWT・メルセデス10
16キミ・ライコネンFINアルファロメオ・レーシング・フェラーリ4
17アントニオ・ジョビナッツィITAアルファロメオ・レーシング・フェラーリ4
18ロマン・グロージャンFRAハース・フェラーリ2
19ケビン・マグネッセンDENハース・フェラーリ1
20ニコラス・ラティフィCANウイリアムズ・メルセデス0
21ジョージ・ラッセルGBRウイリアムズ・メルセデス0
F1第14戦トルコGP終了後 コンストラクターズランキング
順位チームポイント
1メルセデス504
2レッドブル・レーシング・ホンダ240
3レーシングポイント・BWT・メルセデス154
4マクラーレン・ルノー149
5ルノー136
6フェラーリ130
7アルファタウリ・ホンダ89
8アルファロメオ・レーシング・フェラーリ8
9ハース・フェラーリ3
10ウイリアムズ・メルセデス0