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メルセデスのハミルトン選手が優勝しF1新記録となる通算92勝目、F1第12戦ポルトガルGP決勝

ホンダ勢はレッドブル フェルスタッペン選手の3位が最高

2020年10月25日 決勝開催

F1新記録となる通算92勝目を挙げたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1第12戦ポルトガルGPが、ポルトガル共和国 アルガルベ・サーキットで10月23日~25日に開催された。10月25日には決勝レースが行なわれた。決勝レースではポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が一時順位を下げたものの、レース中盤にトップに返り咲き、そのままゴールして優勝した。ハミルトン選手はF1通算92勝目をマークして、ミハエル・シューマッハー氏とタイとなっていた91勝目の記録を塗り替えた。

 2位は同じくメルセデスのバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)で、3位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。

 4位には復調著しいフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)で、ここ数戦好調を維持しているアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が5位。

 レッドブル・ホンダのもう1台となるアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は12位。ダニール・クビアト選手(26号車 アルファタウリ・ホンダ)は19位。

2020 Portuguese Grand Prix: Race Highlights - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=nQ8du5ysxTI

序盤は大荒れの展開だが、数周するとメルセデス2台がほかを引き離す

 今回のポルトガルGPが行なわれるアルガルベ・サーキットは、ポルトガル南部にある2008年に作られた比較的新しいサーキット。かつて何度かテストが行なわれたことがあるサーキットだが、通常のシリーズではレースが行なわれたことは一度もない。1980年代~1990年代にかけて行なわれていたポルトガルGPでは、首都リスボンに近いエストリル・サーキットで行なわれてきた。

 今回COVID-19の感染拡大による大きなスケジュール変更という特別の状況で行なわれるポルトガルGPは、アルガルベ・サーキットで行なわれる初めてのF1レースで、どのチームも十分なデータがない状態で走ることになる。予選ではメルセデス勢がタイヤの暖まりに課題を感じてQ3でミディアムタイヤを使ったり(通常はQ3はより柔らかいソフトタイヤでタイムを出すのが一般的)など、これまでの約束が通用しないレースになると予想された。

 レーススタート時には、奇数グリッドのマシンが前に出た。1周目は雨が降り出し、ミディアムタイヤでスタートしたメルセデス勢はタイヤに熱を入れることができず、厳しいスタートになってしまっていた。その混乱を抜け出してトップに立ったのはマクラーレン・ルノーのカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)。2周目にはトップに立って、メルセデスの2台、ルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)とバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)をリードして周回していく。

 混乱の序盤にジャンプアップしたもう一人は大ベテランのキミ・ライコネン選手(7号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)。予選16位からスルスルッと6位まで順位を上げて、周囲を驚かせた(ただし、その後順位を落とした)。

 予選3位からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は、スタートこそよく2位に上がったもののボッタス選手に抜き返され、その先のコーナーでセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)と接触してしまった。ペレス選手はスピンして最後尾に落ちることになった。

 雨が止んで路面が乾いてくると、メルセデスの2台がサインツ選手をオーバーテイクし、フェルスタッペン選手もサインツ選手に追いつき8周目の1コーナーでオーバーテイク、メルセデスの2台を追いかけ始めた。

 この時点で、1位ボッタス選手、2位ハミルトン選手、3位フェルスタッペン選手、4位はサインツ選手、5位ランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)、6位 シャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)という順位になった。その後ルクレール選手がマクラーレン2台を抜いて4位に上がった。

ハミルトン選手が92勝目。シューマッハ氏を抜いて単独首位に、ホンダ勢は3位と5位に

 20周目の1コーナーでハミルトン選手がチームメイトのボッタス選手をオーバーテイク。ボッタス選手はフロントもリアもささくれが出るなどタイヤの劣化が激しくコーナーで不安定になっていた。ハミルトン選手に抵抗することができず簡単に抜かれてしまった。その後もハミルトン選手に離される一方となった。

 24周目には3位を走っていたフェルスタッペン選手がピットインしてタイヤ交換。スタート時に履いていたソフトタイヤをミディアムに変更して6位でレースに復帰した。36周目にフェラーリのルクレール選手がタイヤ交換。ミディアムからハードへ変更している間にフェルスタッペン選手が3位に上がる。が、トップを行くハミルトン選手とは約50秒の差になっており、メルセデスとの差は開いてしまった。

 41周目にハミルトン選手、その翌周にボッタス選手がピットインしてミディアムからハードへと交換し、これで1-2を占めるメルセデス勢はタイヤ交換義務を果たし、同じ順位でレースに復帰する。

 3位はフェルスタッペン選手、4位はルクレール選手で、5位に入ったのは1周目にフェルスタッペン選手と絡んで最後尾まで落ちてしまったペレス選手。

 ペレス選手は1周目の終わりにピットに入り、タイヤをミディアムに交換。そこから淡々と走り、各車がピットストップで順位を下げる中で順位を上げ、全車がピットストップを終えると、5位に上がっていた。タイヤに優しいと言われるペレス選手の走りを証明する結果となった。

 だが残り2周となる65周目に後ろから追い上げてきたピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が、タイヤの能力が落ちてきたペレス選手を1コーナーでオーバーテイクして5位に上がった。次の周にはマクラーレンのカルロス・サインツ選手もペレス選手を1コーナーでオーバテイクし6位に上がった。

 レースはそのままゴールへ。ハミルトン選手がミハエル・シューマッハ氏が持つ91勝目を抜いて、単独首位となる92勝目を挙げた。2位はチームメイトのボッタス選手、3位はレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手。4位には復調傾向にあるフェラーリのルクレール選手、5位はアルファタウリ・ホンダのガスリー選手、6位はサインツ選手、7位はペレス選手、8位はエステバン・オコン選手(31号車 ルノー)、9位はダニエル・リカルド選手、10位はセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)とここまでが入賞になる。

マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)はホンダ勢最高位の3位表彰台 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool
F1第12戦ポルトガルGP 決勝結果
順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
144ルイス・ハミルトンメルセデス661時間29分56秒8280
277バルテリ・ボッタスメルセデス66+25.592秒0
333マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ66+34.508秒0
416シャルル・ルクレールフェラーリ66+65.312秒0
510ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ65+1周0
655カルロス・サインツマクラーレン・ルノー65+1周0
711セルジオ・ペレスレーシングポイント・BWT・メルセデス65+1周0
831エステバン・オコンルノー65+1周0
93ダニエル・リカルドルノー65+1周0
105セバスチャン・ベッテルフェラーリ65+1周0
117キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ65+1周0
1223アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ65+1周0
134ランド・ノリスマクラーレン・ルノー65+1周0
1463ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス65+1周0
1599アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ65+1周0
1620ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ65+1周0
178ロマン・グロージャンハース・フェラーリ65+1周0
186ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス64+2周0
1926ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ64+2周0
NC18ランス・ストロールレーシングポイント・BWT・メルセデス51DNF0