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F1第10戦 ロシアGP決勝、優勝はメルセデスのボッタス選手 レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手は2位

ホンダPU勢は4台ともポイント獲得

2020年9月27日 決勝開催

マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1世界選手権第10戦 ロシアGPが9月25日~27日の3日間にわたって、ロシア連邦 ソチにあるソチ・アウトドロームで開催され、9月27日14時10分(現地時間、日本時間20時10分)から決勝レースが行なわれた。決勝レースは、ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が決勝スタート前のレコノサンスラップでのスタート練習などが手順違反と取られて、ピットストップ時に2つの5秒ペナルティ(計10秒)を科せられ、予選3位からスタートしたバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が優勝した。

 ホンダPU(パワーユニット)を搭載するマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は2位に入ったほか、地元ロシアのダニール・クビアト選手(26号車 アルファタウリ・ホンダ)が8位、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が9位、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が10位となり、2019年にアルファタウリ(当時はトロロッソ)とレッドブルの4台体制になって、2019年モナコGP以来の4台入賞となった。

YouTube 2020 Russian Grand Prix: Race Highlights

https://www.youtube.com/watch?v=EmZtTd1YRmA

バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

ポールからレースを支配していたハミルトン選手に、10秒のタイムペナルティが科せられる

 レース序盤の焦点は、スタート/フィニッシュラインから2コーナーまでの長いストレート(2コーナーまで1km以上の距離がある)での順位争いだ。ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が、予選2位からスタートするマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)や予選3位からスタートするバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)から順位を守れるのか、それが焦点となった。

 ハミルトン選手はソフトタイヤだが、フェルスタッペン選手とボッタス選手はミディアムタイヤという選択で、仮にその2台が前に出ると、ソフトタイヤのハミルトン選手はかなり厳しくなる可能性がある。

 注目のスタートは、1位のハミルトン選手と3位のボッタス選手が絶妙なスタートを見せ、2コーナーまでにボッタス選手がハミルトン選手のスリップストリームを利用してオーバーテイクしてトップに立つかと見られたが、ボッタス選手はアウト側を選択。ハミルトン選手はインを選んだため、そのままトップを維持して2コーナーから3コーナーへと向かっていった。

 2位からスタートしたフェルスタッペン選手は、一時ルノーのダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)に抜かれたものの、すぐに抜き返して3位に戻った。

 しかし、その2コーナーでカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)、そしてその先でもランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)がクラッシュするというインシデントが発生し、車両排除のためにセーフティーカーが導入されることになった。

 これで順位はハミルトン選手、ボッタス選手、フェルスタッペン選手、エステバン・オコン選手(31号車 ルノー)、リカルド選手、セルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)、シャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、ケビン・マグネッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)、ロマン・グロージャン選手(8号車 ハース・フェラーリ)となった。

 6周目にセーフティーカーがピットに戻りレース再開。全車ともきれいなリスタートを行ない、レースはメルセデスの2台が後ろの2台を引き離していくという展開になった。

 ところがその翌周、ルイス・ハミルトン選手はレコノサンスラップでピットアウトした時にスタート練習をした場所が危険であると問題になっており、レース前から審議になっていたのが、正式にペナルティが出ることが決定。2個の5秒タイムペナルティが出されて合計で10秒のタイムペナルティがハミルトン選手に科せられることになった。

 この時点ではまだピット作業を行なっていないため、今後行なわれるピット作業で10秒止まる必要が出てくる。しかも、ハミルトン選手はソフトタイヤを履いていて、ミディアムタイヤの2位ボッタス選手と3位フェルスタッペン選手に比べて早めに入らないといけないので、かなり不利な状況になった。

レース後半はボッタス選手が支配し独走で優勝、ホンダPU勢は4台すべてが入賞

 トップ勢で一番最初にピットに入ったのは、ルノーのリカルド選手で16周目。この後徐々にソフトタイヤでスタートしたトップ勢は徐々にタイヤが厳しくなってきて、タイヤ交換に入っていく。

 ハミルトン選手が入ったのは17周目。ここで10秒ペナルティをこなし、コースに戻ると10位のセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)の後ろの11位になってしまった。トップに立ったのはハミルトン選手のチームメイトとなるボッタス選手。2位のフェルスタッペン選手に21周目の段階で6秒差をつけており、これ以降レースを支配した。

 その後26周目にはレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がピットに入りハードタイヤに交換、その翌周にはメルセデスのボッタス選手もそれに反応してピットに入りタイヤ交換。ボッタス選手はトップのままコースに戻った。

 36周目に全車が規定のピットストップを終えると、1位はボッタス選手、2位フェルスタッペン選手、3位ハミルトン選手、4位ペレス選手、5位リカルド選手、6位ルクレール選手、7位オコン選手、8位ダニール・クビアト選手(26号車 アルファタウリ・ホンダ)、9位ガスリー選手、10位ランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)というトップ10になった。

 42周目にバーチャルセーフティカー(VSC)が出される。その数周前に2コーナーでハースのグロージャン選手がコースをはみ出して通過する際にガイドとなっている発泡スチロールを破壊してしまったため、それを修復するために出される。そのタイミングで9位を走っていたガスリー選手がピットに入りタイヤ交換。ミディアムタイヤに交換して、コースに戻ると9位ノリス選手、10位アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)に抜かれたが、新しいタイヤの強みを活かして2台を抜いて9位に戻る。

 47周目にはアルボン選手もノリス選手を抜き10位に。これで、ホンダ勢はフェルスタッペン選手が2位、クビアト選手が8位、ガスリー選手が9位、アルボン選手が10位となり、4台全部が入賞圏に入った。

 結局レースはそのままの順位でゴールし、優勝はボッタス選手、2位フェルスタッペン選手、3位ハミルトン選手、4位ペレス選手、5位リカルド選手、6位ルクレール選手、7位オコン選手、8位クビアト選手、9位ガスリー選手、10位アルボン選手となった。ホンダ勢としては4台ともトップ10でゴールし、4台全部が入賞してポイントを獲得した。これは2019年にアルファタウリ(当時はトロロッソ)に加えて、レッドブルにもパワーユニットを供給する4台体制となって、2019年のモナコGP以来のことになる。

F1第10戦 ロシアGP タイヤ交換ストラテジ
F1第10戦 ロシアGP タイヤ交換ストラテジ 提供:ピレリ
F1第10戦 ロシアGP 決勝結果
順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
177バルテリ・ボッタスメルセデス531時間34分00秒3640
233マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ53+7.729秒0
344ルイス・ハミルトンメルセデス53+22.729秒0
411セルジオ・ペレスレーシングポイント・BWT・メルセデス53+30.558秒0
53ダニエル・リカルドルノー53+52.065秒0
616シャルル・ルクレールフェラーリ53+62.186秒0
731エステバン・オコンルノー53+68.006秒0
826ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ53+68.740秒0
910ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ53+89.766秒0
1023アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ53+97.860秒0
1199アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ52+1周0
1220ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ52+1周0
135セバスチャン・ベッテルフェラーリ52+1周0
147キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ52+1周0
154ランド・ノリスマクラーレン・ルノー52+1周0
166ニコラス・ラフィティウイリアムズ・メルセデス52+1周0
178ロマン・グロージャンハース・フェラーリ52+1周0
1863ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス52+1周0
NC55カルロス・サインツマクラーレン・ルノー0DNF0
NC18ランス・ストロールレーシングポイント・BWT・メルセデス0DNF0
(C)Getty Images / Red Bull Content Pool