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F1 アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手初優勝、イタリアGPを制覇
チームとしては2008年のセバスチャン・ベッテル&トロロッソ以来
2020年9月7日 00:16
- 2020年9月6日 決勝
F1世界選手権 第8戦 イタリアGPが9月4日~6日の3日間にわたって、イタリア共和国 ロンバルディア州にあるモンツァ・サーキットにおいて開催された。今シーズンのF1はCOVID-19の感染拡大により、異例のスケジュールで開催されており、今週のイタリアGP、来週の第9戦 トスカーナ・フェラーリ・1000戦記念GP(ムジェロ・サーキット)、10月31日~11月1日のロマーニャGP(イモラ・サーキット)と3つのイタリアでのGPが計画されており、今回のイタリアGPはその最初のレースとなる。
レースはポールからスタートしたルイス・ハミルトン選手(33号車 メルセデス)がレースを支配したが、レース中盤にセーフティカーが入ったタイミングで、ピットレーンがクローズしているときにピットに入ってタイヤ交換してしまい、10秒のストップ&ゴーペナルティが科せられ最後尾に。
その結果、レースで追い上げたものの最終的に7位でレースを終えることになった。また、予選5位からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)はマシントラブルでリタイア。
レースは途中赤旗になった段階で、その前にタイヤを交換していたことで3位に上がっていたピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)が、2度目のスタートで2位に上がった。その時点でトップだったハミルトン選手がストップ&ゴーペナルティをこなしたことで代わってトップに。そのまま2位のカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)の猛攻をしのぎきって優勝した。
ガスリー選手は初優勝、アルファタウリの優勝は2008年の同じイタリアGPでセバスチャン・ベッテル選手が優勝(当時はトロロッソ)して以来、2勝目。2位はサインツ選手、3位はランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)。
YouTube 2020 Italian Grand Prix: Race Highlights
YouTube Pierre Gasly’s Stunning First F1 Win | 2020 Italian Grand Prix
https://youtu.be/dZ64tx8Bi0k?t=7
#F1jp(音量注意🔊🔊🔊)パルクフェルメでガスリー選手を迎える、@AlphaTauriF1のチームクルー👏👏
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live)September 6, 2020
最高の祝福で包みました!#PoweredByHondapic.twitter.com/WSmrjLvNHv
#F1jpHonda F1でAlphaTauri側のチーフエンジニアを務める、本橋正充から、レース直後にコメントが届きました。
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live)September 6, 2020
Toro Rosso時代から、ずっとともに歩んできたエンジニアです。#PoweredByHondapic.twitter.com/yAAXjfUJuv
#F1jp田辺豊治テクニカルディレクターからのコメントが届きました#PoweredByHondapic.twitter.com/WH3Sd0KDI9
— HondaモータースポーツLive (@HondaJP_Live)September 6, 2020
スタートからは順当にメルセデスが逃げて行くレースとなる、地元フェラーリは早々にリタイア
予選はメルセデスが1-2で、ルイス・ハミルトン選手(33号車 メルセデス)、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)の順でフロントローに並んだ。レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が5位、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が9位と、これまでの状況からするとやや厳しいグリッドからのスタートとなった。
スタートではポールポジションのメルセデスのハミルトン選手はポールから危なげなくスタートした。これに対して、偶数グリッドのボッタス選手はスタートで大きく遅れ、さらにオープニングラップで後ろから来たダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)ルノーにも抜かれてオープニングラップが終わった段階では6位までおいていた。同じように順位を落としたのは予選5位からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手で、同じくオープニングラップが終わると7位まで下がっていた。またフェルスタッペン選手のチームメイトのアルボン選手は、後ろから来たアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)に1コーナーで後ろから当てられて順位を下げた。
それに対して抜群のスタートを見せたのがマクラーレンの2台。予選3位のカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)、予選5位のランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)で、オープニングラップが終わると2位と3位に上がっていた。
隊列が整うと、1位ハミルトン選手が2位以下にぐんぐんと差をつけて独走し、その後ろにマクラーレンのサインツ選手、ノリス選手が2位、3位、4位に予選4位からスタートしたセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)、5位はリカルド選手、6位ボッタス選手、7位のフェルスタッペン選手が1列にトレイン状態で隊列になった。
その後ろは8位のランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)を先頭に、エステバン・オコン選手(31号車 ルノー)、アルファタウリ・ホンダのガスリー選手、ダニール・クビアト選手(28号車 アルファタウリ・ホンダ)が1つのトレインになるなど、コース上各所で車両がトレイン状態になって走行している。
6周目にはセバスチャン・ベッテル選手の左ブレーキから火がでてしまい、1コーナーで止まりきれず、そのまま直進して発泡スチロールを壊すという形になり、そのままピットに入ってリタイアになってしまった。
セーフティーカー、赤旗の混乱を最大限活用したアルファタウリ・ホンダのガスリー選手が初優勝、ホンダとの50レース目を優勝で飾る
レースが大きく動いたのは、20周目、ケビン・マグネッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)がピットの入り口に止まってしまう。その結果としてセーフティカーが出される。
その中でトップを走っていたハミルトン選手がピットに入る。しかし、実はこのときピットレーンエントリーがクローズになっており、そのままハミルトン選手はピットに入ってしまいタイヤを交換した。その結果、同じように入ってしまったアントニオ・ジョビナッツィ選手(99号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)ともどもストップ&ゴーペナルティ10秒(ピットに入って10秒停止)のペナルティが出されることになった。
ほかのドライバーはピットレーンがオープンになってからピットに入り、その後セーフティカーはピットに戻り、25周目にレースが再開された。ところが、その周の終わりに、シャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)が最終コーナー”パラボリカ”に突っ込んで、クラッシュ。フロント部分がタイヤバリアにめり込むほどのクラッシュで、ルクレール選手は無事に車を降りたものの、車の撤去には重機などが必要になると言うことで、赤旗中断になった。
これで得をしたのは、タイヤ交換を唯一終えていなかった2位を走っていたレーシングポイントのストロール選手、これにより、赤旗中にピットでタイヤ交換することが可能になり、一挙に2位に順位を上げることになった。
これで順位は1位ハミルトン選手、2位ストロール選手、3位はピット
レーンクローズになる前にタイヤを変えていたガスリー選手、4位ライコネン選手、5位、ジョビナッツィ選手、6位 サインツ選手、7位ノリス選手、8位ボッタス選手、9位 ニコラス・ラティフィ選手(6号車 ウイリアムズ・メルセデス)、10位リカルド選手となっていた。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手は11位、アルボン選手は16位。
レースは53周目のほぼ半分となる28周目から再開。リスタートはセーフティカー先導ではなく、現在の順位順でグリッドについてのスタンディングスタートとなった。
再開したスタートでトップに立ったのはハミルトン選手、2位にはガスリー選手が上がる。3位はアルファロメオのキミ・ライコネン選手(7号車 アルファロメオ・フェラーリ)。しかし、その周の終わりにハミルトン選手はピットに入り、10秒ペナルティをこなすためにピットに入り、ガスリー選手がトップに立つことになった。
31周目にフェルスタッペン選手は14位まで下がっていたがピットに入り、レースを終えることになった。今年2度目のリタイアで、第2戦以来続けてきた連続表彰台も途切れることになった。
34周目に3位を走っていたマクラーレンのカルロス・サインツ選手が、前を走っていたライコネン選手を1コーナーでオーバーテイクし、前を走るアルファタウリ・ホンダのガスリー選手を追いかけていく。2台の差は徐々に縮まっていく。当初は4秒あった差が3秒に縮まり、それが2秒に縮まり……という形で縮まっていく。しかし、当初思ったほどは差は縮まらず、ガスリーはきっちりトップを維持する。後方ではハミルトン選手が猛烈な追い上げを見せ、ポイント圏内まであと1つという11位まで上がってきている。
残り10周の段階でトップを走るアルファタウリ・ホンダのガスリー選手と2位を走るマクラーレンのサインツ選手の差は2秒を切っており、完全に2台のマッチレースに。優勝はほぼこの2台に絞られたと言って良い。残り5周の段階では1秒強の様で縮まってきた。
最後は1秒差以下まで縮まるが、そのままガスリー選手が逃げ切って自身初優勝、アルファタウリ・ホンダとしては2018年のパートナーシップ以来、50レース目で初めての優勝を飾った。アルファタウリとしては2008年のイタリアGP以来の2勝目となった。2位はサインツ選手、3位はストロール選手、4位はノリス選手、5位はボッタス選手、6位はリカルド選手となった。
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両名 | 周回数 | タイム(上位との差) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 53 | 36分39秒174 |
2 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン・ルノー | 53 | +0.415s |
3 | 18 | ランス・ストロール | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 53 | +3.358s |
4 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・ルノー | 53 | +6.000s |
5 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 53 | +7.108s |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 53 | +8.391s |
7 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 53 | +17.245s |
8 | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 53 | +18.691s |
9 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ・ホンダ | 53 | +22.208s |
10 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 53 | +23.224s |
11 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウイリアムズ・メルセデス | 53 | +32.876s |
12 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 53 | +35.164s |
13 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 53 | +36.312s |
14 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 53 | +36.593s |
15 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 53 | +37.533s |
16 | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 53 | +55.199s |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 30 | DNF |
NC | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 23 | DNF |
NC | 20 | ケビン・マグネッセン | ハース・フェラーリ | 17 | DNF |
NC | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 6 | DNF |