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ホンダF1 田辺豊治TD、「今日は4台完走、4台入賞という目標を一つクリアすることができた」

次戦ニュルブルクリンクはハイブリッド初のため予想が難しい

ホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏 (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 9月27日、F1第10戦 ロシアGPがソチ・オートドロームにおいて開催された。ホンダPU(パワーユニット)を搭載するマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は2位、ダニール・クビアト選手(28号車 アルファタウリ・ホンダ)は8位、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)は9位、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は10位とすべて入賞しポイントを獲得。4台すべてが入賞するのは、2019年のモナコGP以来となる。これにより、ホンダPU搭載車は9戦連続表彰台、ソチでは初の表彰台獲得となった。

 ちなみにホンダ ハイブリッドパワーユニットにとっては20回目の表彰台になり、これは第3期ホンダF1の19回という表彰台獲得回数を超えたことになる。

 決勝レース終了後、ホンダF1 テクニカルディレクター 田辺豊治氏のオンライン会見が行なわれた。

田辺豊治 ホンダF1 TD

 今日は4台完走、4台入賞という目標を一つクリアすることができました。ここのところPU起因のリタイア、特にマックス選手は2戦連続、それにもちょっと絡んだかなあっていうガスリー選手の接触リタイアともありなかなか難しい状況でした。今日は4台完走ということで、非常によかったと思ってます。

 4台入賞と言っても、マックス選手はハミルトン選手のペナルティもありましたけれども、スタートダッシュを決めてというところでドライバーのコメントにもありますが、ダーティ側の路面だったので、なかなか蹴り出しよく行けずにスタート直後は3位に落ちてしまいました。けれども、その後2位を確実にポジションキープして2位獲得。

 アルボン選手はギヤボックストラブルで、交換ペナルティで15位スタート。トラフィックでかなり苦労をしたんですけど、何とかポイント圏内にこぎつけたというところでした。

 アルファタウリの2台もレース中力強い走りを見せてくれていました。クビアト選手は母国ということで8番手はよかったと思います。ガスリー選手も続いて9番手。

 4台入賞と言っても、2、8、9、10ともうちょっとばらけて10位以内に入ってくれると、本当は望ましいんですけども。これから4台完走、4台入賞といってもさらによい形でのレースポジション終了というのを目指して両チームとさらなるパフォーマンスアップを図っていきたいと考えています。


 これまでこのロシアGPでホンダPUは苦戦気味だったが、2020年の後半戦幕開けとなる第10戦において練習走行、予選、決勝とノートラブルで走り切り、2位表彰台を含む4台入賞と安定感のある強さを見せた。田辺TDは「2、8、9、10ともうちょっとばらけて10位以内に入ってくれると、本当は望ましい。これから4台完走、4台入賞といってもさらによい形でのレースポジション終了」と、さらなる成績の向上を語っていた。

 ソチは標高の低いサーキットであったが、次戦のF1第10戦 アイフェルGPは標高640mほどのニュルブルクリンクで開催される。この標高の高さはどのように影響するのだろうか? 田辺TDに聞いたところ「行ってみないと分からないが、気温が低そうなので、エアロの影響も含めてトータルパフォーマンスとしてどうなるか。ハイブリッドで初のレースになるということを含めて予想をするのを非常に難しいと思っています」と予想し、「我々としては、対他の予想をしてあーのこーのはなんとも言えませんので、自分たちの中で、今自分たちの持っているPUを。チームは自分たちのクルマですよね、それをどうやって使うかってことを、しっかりシミュレーションして検討して向かうことになります」と語ってくれた。

 ハイブリッドのPUになって初開催となるニュルブルクリンクでのアイフェルGP。ホンダモータースポーツのTwitterでは、「本来は鈴鹿で日本GPが行われるはずだった日のレースだけに、いい報告ができるよう全力で挑み続ける」と、強い意気込みを表明している。

F1第10戦 ロシアGP 決勝結果
順位号車ドライバー車両周回数タイムポイント
177バルテリ・ボッタスメルセデス531時間34分00秒3640
233マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ53+7.729秒0
344ルイス・ハミルトンメルセデス53+22.729秒0
411セルジオ・ペレスレーシングポイント・BWT・メルセデス53+30.558秒0
53ダニエル・リカルドルノー53+52.065秒0
616シャルル・ルクレールフェラーリ53+62.186秒0
731エステバン・オコンルノー53+68.006秒0
826ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ53+68.740秒0
910ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ53+89.766秒0
1023アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ53+97.860秒0
1199アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ52+1周0
1220ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ52+1周0
135セバスチャン・ベッテルフェラーリ52+1周0
147キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ52+1周0
154ランド・ノリスマクラーレン・ルノー52+1周0
166ニコラス・ラフィティウイリアムズ・メルセデス52+1周0
178ロマン・グロージャンハース・フェラーリ52+1周0
1863ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス52+1周0
NC55カルロス・サインツマクラーレン・ルノー0DNF0
NC18ランス・ストロールレーシングポイント・BWT・メルセデス0DNF0
2位表彰台を獲得したマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)(C)Getty Images / Red Bull Content Pool