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F1第3戦 ハンガリーGP、3週連続開催のF1でメルセデスが3連勝。レッドブル・ホンダは今シーズン最上位の2位獲得

7月17日~19日(現地時間) 開催

F1第3戦、今シーズン最上位の2位を獲得したレッドブル・ホンダのエース フェルスタッペン選手(c)Getty Images / Red Bull Content Pool

 7月17日~19日(現地時間)、ハンガロリンクにおいてF1第3戦 ハンガリーGPが開催された。レースはポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が優勝。2位にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が入り、今シーズン最上位を獲得した。

レース前のレコノサンスラップでクラッシュ。最悪の状況から2位を獲得したレッドブル・ホンダ

 ハンガリーGPの舞台となるハンガロリンクは、ハンガリーの首都ブタペスト近郊にあるサーキット。ハンガリーGPは1986年に最初のレースが行なわれ、それ以来連続して開催されているGPだ。このハンガロリンクは、モナコGPのモンテカルロ市街地コースのようにストレートが少なく、中低速のコーナーが多いサーキットになっている(ハンガロリンク自体は常設コース)。

 ここハンガロリンクでは、2019年レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手が自身初めてのポールポジションを獲得。決勝では2位表彰台を獲得したゲンのいいサーキットと見られており、好成績が期待されたレースだった。

 だったというのは、レースウィークが始まってみると、レッドブル・ホンダの2台はセッティングに苦しみ、アンダーステアが増えるなど予選でもマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が7位、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が13位と下位に沈む結果になってしまったのだ。

 さらにフェルスタッペン選手は決勝のレコノサンスラップでいきなりリアがロックし、そのまま壁に滑っていくようにクラッシュ。トラックロッドを折るという状況になってしまった。この状態でグリッドにつくと、レッドブルのメカニックが急いで修復にかかった。作業時間ギリギリまで作業を行なった結果、なんとか修復し、フェルスタッペン選手は無事フォーメーションラップに出ていくことが可能になった。

 レースでは偶数グリッドのバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)、セルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・メルセデス)などの選手がスタートで出遅れる中、フェルスタッペン選手は7位から3位に一挙に上がり、ランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・メルセデス)についで3位につけた。

 さらに、各車がスタート時に履いていたインターミディエイトタイヤからスリックタイヤに履き替えるタイミングで、うまくピットインを引っ張ったフェルスタッペン選手は、全車がスリックタイヤに交換すると2位に上がった。

 トップはポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)で、予選までの厳しい状況とはうって変わって、ハミルトン選手とフェルスタッペン選手の一騎打ちになった。ただし、路面がドライになると、メルセデスの速さは際立っており、フェルスタッペン選手は徐々に差をつけられ、10秒以上の差がつく状態に。3位となったストロール選手とも15秒差と単独の2位になった。

最後の最後に猛烈に追い上げてきたボッタス選手をわずか0.750秒差でかわす。フェルスタッペン選手は2位獲得

タイヤ交換を行なうフェルスタッペン選手(c)Getty Images / Red Bull Content Pool

 その後レースは雨が降りそうで降らない状況続き、各車とも雨が降ってきてインターミディエイトタイヤへの履き替えを目指すが、その前にタイヤの方の崖(タイヤの寿命)が来てしまい、各車ともタイヤを交換することになった。タイヤ交換がほぼ終わると、1位のハミルトン選手はフェルスタッペン選手に約20秒差をつけて2位、そこから数秒差でボッタス選手が3位で追い上げてきた。レース中盤から終盤はフェルスタッペン選手とボッタス選手の攻防という、前戦のシュタイヤーマルクGPのときと同じような構図に。

 残り20周になった段階で、2位のフェルスタッペン選手を追いかける3位のボッタス選手がピットインしタイヤ交換。昨年2位だったハミルトン選手が、首位のフェルスタッペン選手に仕掛けたのと同じ手にでてきた。新しいハードタイヤに交換したボッタス選手はみるみるフェルスタッペン選手との差を詰め、全体ベスト、自己ベストタイムをマーク。フェルスタッペン選手に対して激しい追い上げを見せ、残り10周の段階でフェルスタッペン選手とボッタス選手の差は約10秒まで縮まった。

 残り5周となった段階で両者の差は約6秒に。その前を走っているハミルトン選手は2位のフェルスタッペン選手に対して、28秒近い差をつけたため、ソフトタイヤに交換してファステストラップを狙う作戦に出る(昨年以降、ファステストラップを取るとエクストラポイントがもらえることになっている)。残り2周でフェルスタッペン選手とボッタス選手の差は約1.1秒。計算上は最終ラップで追いつく計算だが、果たして追い越すことができるかどうかだ。

 その最終ラップ、1コーナーでは抜かれることなくラップに入っていく。フェルスタッペン選手の前には周回遅れが続々と登場し、難しい状況の中最後の最後までボッタス選手を抑えきって2位を獲得した。3位はボッタス選手。レッドブル・ホンダとしては今シーズン最高位。チームメイトのアルボン選手も5位に入り、厳しい状況からのスタートだったレッドブル・ホンダだが最終的に2台入賞というよい終わり方を迎えることができた。フェルスタッペン選手は「スタート前のことを考えれば勝ったようなものだ」と述べ、2位入賞を喜んだ。

 なお、ホンダPU(パワーユニット)を搭載するアルファタウリ・ホンダは、ダニール・クビアト選手(26号車 アルファタウリ・ホンダ)が12位、ピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)はマシントラブルでリタイアに終わった。

 優勝はメルセデスのハミルトン選手。ミハエル・シューマッハ選手の持つ同一サーキットで8勝という記録に並ぶ勝利を手に入れ、ポイントリーダーへと浮上した。メルセデス勢はボッタス選手が3位、レーシングポイント・メルセデスのストロール選手が4位、ペレス選手が7位に入った。

F1第3戦 ハンガリーGP 決勝結果
順位カーナンバードライバー車両周回数タイム・差
144ルイス・ハミルトンメルセデス701時間36分12秒473
233マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ70+8.702s
377バルテリ・ボッタスメルセデス70+9.452s
418ランス・ストロールレーシングポイント・メルセデス70+57.579s
523アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ70+78.316s
65セバスチャン・ベッテルフェラーリ69+1 lap
711セルジオ・ペレスレーシングポイント・メルセデス69+1 lap
83ダニエル・リカルドルノー69+1 lap
920ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ69+1 lap
1055カルロス・サインツマクラーレン・ルノー69+1 lap
1116シャルル・ルクレールフェラーリ69+1 lap
1226ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ69+1 lap
134ランド・ノリスマクラーレン・ルノー69+1 lap
1431エステバン・オコンルノー69+1 lap
158ロマン・グロージャンハース・フェラーリ69+1 lap
167キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ69+1 lap
1799アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ69+1 lap
1863ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス69+1 lap
196ニコラス・ラフィティウイリアムズ・メルセデス65+5 laps
NC10ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ15DNF