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F1第9戦 トスカーナGP、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン選手が初表彰台 赤旗2度の荒れたレース
メルセデス勢が1-2を占める
2020年9月14日 01:25
- 2020年9月13日 決勝
F1世界選手権第9戦 トスカーナ フェラーリ1000戦記念GPが9月11日~13日の3日間にわたり、イタリア共和国 トスカーナ州にあるムジェロ・サーキットで開催された。ムジェロ・サーキットはフェラーリが所有しており、市販車のテストなどにも使われるなどフェラーリに縁のあるサーキット。2020年シーズンのF1は開幕戦から無観客レースとして行なわれてきたが、ムジェロでは初めて観客を入れる有観客レースとなった。
決勝レースはセーフティカーが3回出動し、うち2回は赤旗になるなど荒れた展開。最初のスタートを含めて3回のスタンディングスタートが行なわれるなど大混乱のレースとなった。その混乱を乗り越えて優勝したのはポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、2位は同じくメルセデスのバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)。
YouTube 2020 Tuscan Grand Prix: Race Highlights
https://www.youtube.com/watch?v=R-Yq1AlIwsc&t=43s
Lap 7 restart at Mugello = carnage 😮 💥
— Formula 1 (@F1)September 13, 2020
Four drivers = OUT
And all four walked away unscathed, thankfully 🙏#TuscanGP🇮🇹#F1pic.twitter.com/d8crtpUa9H
レッドブル・ホンダ勢は、エースのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は予選3位からスタートしたが、1周目にクラッシュしてリタイアとなった。
しかし、チームメイトのアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が、展開を活かして自身初の表彰台を獲得した。アルファタウリ・ホンダは、前戦優勝のピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)は1周目でリタイアし、ダニール・クビアト選手(28号車 アルファタウリ・ホンダ)は7位入賞。ホンダPU(パワーユニット)勢は2台が入賞という結果になった。
予選ではメルセデスが1-2、レッドブル・ホンダは3-4と十分戦える位置に
1950年のモナコGPに参戦して以来、F1に参戦し続けているフェラーリの1000戦目を記念するGPとして、フェラーリが所有するムジェロ・サーキットで行なわれたのが、トスカーナ フェラーリ1000戦記念GPだ。しかし、そのフェラーリは今シーズン不振にあえいでおり、予選でも今やエースとなったシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)が5位、セバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)は14位から今シーズンを象徴する厳しいグリッド順位からのスタートになった。
ポールポジションを獲ったのはルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)、2位はバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)とメルセデス勢がフロントローを独占した。3位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)、そして4位は自己最高の予選順位となったもう1台のレッドブル・ホンダに乗るアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)。レッドブル・ホンダが3-4位となった。
アルファタウリ・ホンダ勢はダニール・クビアト選手(28号車 アルファタウリ・ホンダ)が12位、前戦のイタリアGPで初優勝を果たしたピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)はQ1を突破することができず16位で終わった。
セーフティカーからのレース再開時にメインストレートでマルチクラッシュ。2週連続赤旗中断レースに
初めてのムジェロでの決勝レーススタートは、大混乱の中で始まった。ポールポジションのハミルトン選手は出足が鈍く出遅れる。そうした中で2番手からスタートしたバルテリ・ボッタス選手がトップを奪った。
その後方では混乱が起こっており、3番手からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手は、スタートの出足こそわるくなかったが、フェルスタッペン選手が「ノーパワー」と無線で叫ぶなどパワーユニット関連と見られるトラブルでスローダウン。2コーナーでキミ・ライコネン選手(7号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)に追突され、グラベルに埋まってしまいリタイアになった。
そのほかマクラーレンのカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)も2コーナーと3コーナーでスピン、そこにフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手が突っ込みフロントウィングを破損してしまう。前戦優勝のアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手も2台の車に挟まれ、こちらもリタイアとなった。
フェルスタッペン選手のレッドブル・ホンダとガスリー選手のアルファタウリ・ホンダの車両を排除するため、セーフティカーが出されて、レースは一時中断となった。
レースは7周目に再開され、トップを走っていたボッタス選手が1コーナーにトップで入っていったが、後方では大混乱となった。ホームストレートのスタート・フィニッシュラインを通過する前にタイヤを温めるためにウェービングしているドライバーもいるなか加速しているドライバーもおり、数台が巻き込まれるマルチクラッシュが発生した。
サインツ選手、ケビン・マグネッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)、アントニオ・ジョビナッツィ選手(99号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)、ニコラス・ラティフィ選手(6号車 ウイリアムズ・メルセデス)などが、リタイアに追い込まれた。
これでレースは7周目が終わった段階でセーフティカーとなり、さらにストレートの車両やデブリ(破片)を排除、清掃するためにレースは7周目終了時に赤旗中断となった。
再スタート後にレーシングポイントのストロール選手のクラッシュで再び赤旗中断に
赤旗中断中に、ルノーのエステバン・オコン選手(31号車 ルノー)はブレーキトラブルの修復を試みたが、直らずにリタイアになってしまった。リスタートでは前戦と同じように、赤旗時点での順位でグリッドについてグリッドからのスタートとなる。
リスタートでは各車きれいにスタートを切るが、2番手グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン選手がポールポジションからスタートしたバルテリ・ボッタス選手を1コーナーまでにスリップストリームを利用してオーバーテイク。これでトップに立って、徐々に2番手のボッタス選手を引き離していく。
それに対し、4番手グリッドからスタートしたレッドブル・ホンダのアルボン選手は、出足がわるく1コーナーまでに7位に下がってしまう。
これで順位はハミルトン選手、ボッタス選手、ルクレール選手、レーシングポイントのランス・ストロール選手(18号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)、セルジオ・ペレス選手(11号車 レーシングポイント・BWT・メルセデス)、ダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)、アルボン選手という並びに。
18周目にストロール選手がフェラーリのルクレール選手を1コーナーで抜き、その翌周にはダニエル・リカルド選手もルクレール選手を同じく1コーナーでオーバーテイク。その翌周にはアルボン選手にも1コーナーで抜かれる、さらにその翌周にもペレス選手にも抜かれ、周回ごとに徐々にルクレール選手の順位が下がっていく。地元イタリアのフェラーリには厳しい展開になってしまった(最終的には8位でゴール)。
レースの焦点は、ルノーのリカルド選手、レーシングポイントのストロール選手、レッドブル・ホンダのアルボン選手の3人による表彰台争いに移っていった。
ところが、43周目にストロール選手の左リアタイヤがパンクし、クラッシュしてタイヤバリアに突っ込む大きなアクシデントが発生し、再びセーフティカーが出ることになった。
トップを走っていたハミルトン選手はセーフティカーが出た段階でホームストレートを通過しており、ピットに入ることはできなかったが、2位のボッタス選手はピットに入れる位置を走っておりピットイン。そのままタイヤを交換して出たため、これでボッタス選手がトップになるかと思いきや、セーフティカーが1位のハミルトン選手ではなくボッタス選手を捕まえて抑えるという不可解な事態が発生し、結局順位は変わらなかった。
3位のリカルド選手、4位のアルボン選手以下もすべてタイヤ交換した46周目終わりに今日2回目の赤旗中断となった。
メルセデス1-2フィニッシュに続き、レッドブル・ホンダのアルボン選手が3位入賞
48周目から3回目のスタンディングスタートでレースは再開。グリッド順はメルセデスのハミルトン選手とボッタス選手、ルノーのリカルド選手、レッドブル・ホンダのアルボン選手、レーシングポイントのペレス選手、マクラーレンのランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)、アルファタウリ・ホンダのクビアト選手、フェラーリのルクレール選手、ウイリアムズのラッセル選手、フェラーリのベッテル選手がトップ10に。
再びスタンディングスタートとなるので、メルセデスの2人にとっては、1コーナーまでにどっちがトップで入るかの争いになる。最初のスタートではいずれも2番グリッドからスタートした方が1コーナーまでにトップに立っており、この3回目のスタートでどっちがトップをとるのか、それがこのリスタートの焦点になった。
同じことは表彰台争いをしている3位のリカルド選手と4位のアルボン選手にも言える。このスタートで前に出た方が表彰台に近付くことになる。
3回目のスタートではハミルトン選手がいいスタート、それに続いたのは3位グリッドからスタートしたルノーのリカルド選手、ボッタス選手は3位に下がる。アルボン選手はペレス選手に抜かれたが、その周のうちに4位に戻っている。翌周にボッタス選手がリカルド選手を1コーナーでオーバーテイクし、再びメルセデスが1-2フォーメーションに戻る。
終盤のレースの焦点は、レッドブル・ホンダのアルボン選手がリカルド選手を抜き、表彰台を獲得できるかに移っていった。アルボン選手は1秒以内で、つまりDRSが使えるレンジでついて行くことができている。その結果、51周目の1コーナーでアルボン選手がDRSを利用して大外からオーバーテイクし、3位に浮上した。
レースはそのままの順位でゴール。優勝はメルセデスのルイス・ハミルトン選手、2位も同じくメルセデスのバルテリ・ボッタス選手、3位は自身初で、タイ人としても初めての表彰台獲得となるレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン選手となった。
Amazing scenes as@alex_alboncelebrates his first ever F1 podium with his team! 😍
— Formula 1 (@F1)September 13, 2020
🎥@redbullracing#TuscanGP🇮🇹#F1pic.twitter.com/A4VJlOtIFV
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両 | 周回 | タイム(2位以下は首位との差) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 59 | 17分30秒074 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 59 | +4.880s |
3 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 59 | +8.064s |
4 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 59 | +10.417s |
5 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 59 | +15.650s |
6 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・ルノー | 59 | +18.883s |
7 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ・ホンダ | 59 | +21.756s |
8 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 59 | +28.345s |
9 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 59 | +29.770s |
10 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 59 | +29.983s |
11 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウイリアムズ・メルセデス | 59 | +32.404s |
12 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 59 | +42.036s |
NC | 18 | ランス・ストロール | レーシングポイント・BWT・メルセデス | 42 | DNF |
NC | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 7 | DNF |
NC | 6 | ニコラス・ラティフィィ | ウイリアムズ・メルセデス | 6 | DNF |
NC | 20 | ケビンマグネッセン | ハース・フェラーリ | 5 | DNF |
NC | 99 | アントニオ・ジョビナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 5 | DNF |
NC | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン・ルノー | 5 | DNF |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 0 | DNF |
NC | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ・ホンダ | 0 | DNF |