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日本で購入された1966年型ビートル(タイプ1コンバーチブル)、54年ぶりに故郷ドイツに帰る

ドイツ本国のミュージアムに寄贈

2020年12月10日 発表

54年ぶりに故郷に帰る1966年型「フォルクスワーゲン 1300 (ビートル) コンバーチブル」

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは12月10日、日本で購入された1966年型「フォルクスワーゲン 1300 (ビートル) コンバーチブル」(以下:タイプ1コンバーチブル)が、54年ぶりに故郷に帰り、ドイツ本国のミュージアムに寄贈されることを明らかにした。

 11月25日に、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 豊橋本社に隣接している専用ふ頭から1台のタイプ1コンバーチブルが、ドイツ・ブレーマーハーフェン港行きの輸送船「Gravity Highway」に載せられた。

VGJの専用ふ頭からドイツへの旅立ちを待つ「タイプ1 コンバーチブル」

 このタイプ1コンバーチブルは、オーナーであった故・廣野元吉氏が1966年に大阪の株式会社 梁瀬(現・ヤナセ)・歌島店で購入したもので、以後、54年間にわたって廣野家で乗り続けられたクルマ。

 生前の廣野氏は44年間、可能な限りメンテナンスはすべて自宅で自ら行ない、このタイプ1コンバーチブルを終生の伴侶としていた。フォルクスワーゲンの設計思想やドイツ流のモノ造りを信奉していた廣野氏は、完全なコンディションを保ちながら乗り続けていたタイプ1コンバーチブルを、「なんとかドイツ本国のミュージアムに寄贈できないか」と望んでいたという。

 その遺志を引き継いだ子息の廣野幸誠氏がドイツ領事館、ヤナセなどと協議の末にフォルクスワーゲン グループ ジャパンを通じてウォルフスブルグの「Stiftung AutoMuseum Volkswagen(アウトムゼウム フォルクスワーゲン基金)」と交渉を重ね、同ミュージアムに寄贈されることになった。

 幸誠氏は、ドイツへの輸送へ向けて、大阪から愛知県豊橋市のフォルクスワーゲン グループ ジャパン本社まで家族を伴い、自らステアリングホイールを握って250kmのラストドライブを行ない、無事にフォルクスワーゲン グループ ジャパン社長のティル・シェア氏にタイプ1コンバーチブルを届け、登録書類など一式を引き渡した。従業員一同も廣野氏の家族に花束を贈って歓迎したという。

 なお、フォルクスワーゲン公式サイトでは、大阪からのラストドライブに同行しながら、廣野氏がどのようなキッカケからタイプ1コンバーチブルを購入し、どのような思いを持って乗り続けたのか。そして、なぜミュージアムに寄贈したいと考えるようになったのか。また、それを引き継いだ幸誠氏はどのような行動を取ったのかなど、幸誠氏へのインタビューを掲載。さらに、どのような経緯からウォルフスブルグのミュージアムに寄贈されることになったのかなどのストーリーを紹介している。