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ホンダアクセス、ドラッグレース仕様「e-DRAG」とヒルクライム仕様「K-CLIMB」公開

2021年4月16日 公開

ドラッグレース仕様のe-DRAG

 ホンダアクセスは4月16日、EV(電気自動車)「Honda e」ベースのドラッグレース仕様「e-DRAG」と軽自動車「N-ONE RS」ベースのヒルクライムレース仕様「K-CLIMB」を公開した。

 e-DRAGとK-CLIMBは、ホンダアクセスがHonda eとN-ONE RSをベースにしたコンセプトモデルとして「東京オートサロン2021 バーチャルオートサロン」へ出展していたもので、車両制作が進みいよいよ車両が完成した。

ドラッグレース仕様のe-DRAG

ドラッグレース仕様のe-DRAG

 e-DRAGは、Honda e Advanceベースのドラッグレース仕様。スタートから一直線にゴールめがけて猛ダッシュし、数秒から十数秒で勝負が決まるドラッグレース。速さのためにまず重要なのは車体の軽さという。

 e-DRAGでは、カーボン繊維と樹脂の複合材であるCFRP製のパーツをボディーパネルに多用して、軽量化を図った。なかでも、フロントまわりはバンパー、フード、フェンダーを一体成形カウルとし、取付構造の簡素化、大幅な軽量化を図った。また、リアバンパーとテールゲートもCFRP製のパネルに変えたほか、タイヤハウスを切り、インナーフェンダーなど内蔵物を取り外すことも行なった。

 フロントとサイドとリアのウィンドウは、重量物であるガラスに代えてアクリル製に。内装についても、後席は取り外し、フロントシートはKIRKEY製のアルミバケットシートに換装。内装材、防振・吸音材も徹底的に剥ぎ取るなど、これらトータルで軽量化を図った。

ドラッグレース仕様のe-DRAG

 足まわりでは、旧型「シビック」のサスペンションを参考に、直進安定性を高めるため、ワンオフのサスペンションに換装。ロアアームもピロボール式とすることで、調整幅を持たせた。さらに、モーターが生み出す強力なトルクを余さず推進力に変えるため車体の前後重量バランスの最適化も行ない、駆動輪を空転させずに猛然とダッシュできるようチューニングを図った。

 タイヤは、ドラッグレースの世界で定評のあるM&Hレースマスターのドラッグレーシング・スリックタイヤをリアに装着。ホイールには、そのタイヤに対応できるサイズで、かつ軽量であることから、初代「NSX」がフロント側に採用していた17×7JJ鍛造アルミホイールを採用。さらに、スタートの直前に前側のブレーキをロックし、リアタイヤを意図的にホイールスピンさせて温度を高め、路面との密着性を高めるためのラインロックも装備した。

 このほか、6点式ロールバー、4点式シートベルトを装備し、国内のドラッグレースのレギュレーションを考慮した内装の仕立てとしている。

ドラッグレース仕様のe-DRAG
ドラッグレース仕様のe-DRAG

ヒルクライムレース仕様のK-CLIMB

ヒルクライムレース仕様のK-CLIMB

 K-CLI、N-ONE RSベースのヒルクライムレース仕様。コーナーが連続する山道MBはを全速力で駆け上がり、速さを競うヒルクライムレースで、レースを左右する要素の1つはコーナリングの速度という。

 K-CLIMBの足まわりは、勾配を伴うコーナーでの安定性を磨く専用チューニングを施した車高・減衰調整式ダンパーに換装。タイヤは前後とも横浜ゴム「ADVAN FLEVA」の165/55R15タイヤを装着。ホイールは初代N-ONE Modulo X用の15×5.0Jのアルミホイールを装着した。

 ボディは軽量化を追求して、グリルと前後バンパー、フードをカーボン繊維と樹脂の複合材であるCFRP製に換装。フードのみノーマルと同じ形状で、それ以外は空力にも配慮した専用デザインとした。

 空力性能では、テールゲートスポイラーを専用に開発して、今後実走を重ねて空力を確認しながら形状を改良していく予定としている。また、ホイールインセットを変更することで、よりワイドなスタンスを実現。それに伴い、専用にデザインしたオーバフェンダーを装着。デザインは、往年の“ブルドッグ”に向けたオマージュとし、アッパーグリルの開口形状やHマークの配置を左右非対称にデザインした。

 このほか、リアバンパーに合わせたデュアルセンター出しのエクゾーストシステム(ワンオフ)、6点式ロールバーを装備している。

ヒルクライムレース仕様のK-CLIMB
ヒルクライムレース仕様のK-CLIMB
ヒルクライムレース仕様のK-CLIMB

TAS2021バーチャルオートサロン出展車両の展示

 なお、東京都港区南青山にある「Hondaウエルカムプラザ青山」では4月20日~5月17日(休館期間あり)の期間、「Honda Honda Honda Do It Together!」を開催して、e-DRAGとK-CLIMBを含めたTAS2021バーチャルオートサロン出展車両を展示する。