アウディ、「A6 e-tron concept」発表 プレミアムプラットフォームエレクトリック採用で次世代の先駆け

プレミアムプラットフォームエレクトリックを採用した「A6 e-tron concept」

　アウディは2021年の上海モーターショー（Auto Shanghai）で、「プレミアムプラットフォームエレクトリック（PPE）」をベースにした「A6 e-tron concept」を発表した。2022年後半からは大型セグメントで、その後はミッドサイズセグメントでもPPEテクノロジをベースにしたモデルが発売されていく。

　このPPEは、高い車高を特徴とする電動SUVだけでなく、今後登場するAudi A6 e-tronといったダイナミックなスタイルの乗用車も含まれるとしている。

　Audi A6スポーツバックは、2019年にプラグインハイブリッドドライブを備え、電動モードで91km（WLTP）の航続距離を持つ現行モデルのAudi A6 TFSIeが登場している。今回新たに発表されたA6 e-tron conceptは、アウディ主導で開発した未来のプラットフォーム「PPE」をベースにした純粋な電気自動車として登場した。

　スポーツバックとしてデザインされ、全長4.96m、全幅1.96m、全高1.44mのサイズを備え、前後アクスル間に容量約100kWhのバッテリを搭載。前後のツインモーターで4輪を駆動するクワトロモデルも可能という。将来的に700kmを超える航続距離を実現し（WLTPモード）、もっともパワフルなモデルは0-100km/hを4秒未満で加速するとしている。

　アウディの最新デザイン言語でデザインされたスポーツバックボティは、Cd（空気抵抗係数）値がわずか0.22という低さ。これにより電力消費量を削減し、航続距離を伸ばすことを可能にしている。ただ低いだけでなく、風洞実験室でファインチューニングが行なわれ、アウディらしい有機的なデザインとなっている。

　ボディカラーは“Heliosilver（ヘリオシルバー）”と呼ばれるもので、クルマの立体感と奥行きの深さを強調している。シングルフレームグリルもヘリオシルバーに塗装し、ディープマットブラックのフレームとのコントラストを生み出している。この明確なコントラストは、サイドボディのロッカーパネルセクションにも採用し、車両の水平方向のプロポーションを強調している。

　また、このボディカラーは太陽光をかなりの割合で反射するため、車のボディや車内に入るエネルギーを抑制するという。このため車内温度を低くでき、電費の向上による航続距離の延長や、CO2排出量の削減する効果を期待できる。

新しい時代の照明を提案するAudi A6 e-tron conceptのライティングテクノロジ

　Audi A6 e-tron conceptでは、ライトにも新しい提案が行なわれている。デジタルマトリクスLEDとデジタルOLEDテクノロジで、小さい表面積でも最大の明るさと幅広い機能を実現。このデジタルマトリクスLEDでは、動画を投影する機能も備える。つまり、クルマがデジタルプロジェクターになるわけだ。

　アウディではこの機能により、例えば駐車場でゲームなどを投影して遊ぶことができるとしており、キャンプ場などでは話題になりそうな機能となっている。