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ニスモ、「GT-R50 by Italdesign」用の720PSエンジンと780Nmに耐えるトランスアクスル開発

2021年4月21日 発表

 ニスモ(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は4月21日、GT-R用の高性能エンジンとトランスアクスルを開発し、日産自動車がイタルデザインと共同開発した「Nissan GT-R50 by Italdesign」の限定市販モデルに提供すると発表した。

 ニスモは日産テクニカルセンター(NTC)と協力し、Nissan GT-R50 by Italdesignに求められる高い性能と信頼性および排気規制を達成するため、エンジンはFIA GT3仕様の「NISSAN GT-R NISMO GT3」に搭載されているレース仕様のVR38エンジンおよび他のレースエンジン開発のノウハウを活用して「ターボチャージャー」「ピストン」「コンロッド」「クランクシャフト」「フューエルインジェクター」「カムシャフト」「触媒」など、オリジナルに対して約12%の部品を新規に開発。

 また、トランスアクスルは長年にわたるロードカー向けパフォーマンスパーツ開発の知見も駆使し、高強度材の採用、表面処理の変更などを行なうことで780Nmのトルクに耐えうる強度を確保したという。

 エンジンとトランスアクスルの耐久信頼性は、NISSAN GT-R NISMOが2013年にニュルブルクリンク(ドイツ)で記録した、当時の量産車最速タイムである7分8秒679のモードサイクルを4輪シャシーダイナモ上で再現した台上シミュレーション耐久(加速耐久)を行ない、十分な耐久信頼性を確認。

 日産のモータースポーツ活動を担うニスモならではの、レースカーとロードカーの開発技術を用いて、720PSという高出力と欧州で要求される厳しい排出ガス規制である「ユーロ6」を両立。社内テストでは0-200km/h加速でノーマルのGT-R NISMO比で0.8秒(7%)短縮に成功しているという。

Nissan GT-R50 by Italdesign

 なお、Nissan GT-R50 by Italdesignの出荷は、2021年半ばより開始される予定になっている。

Nissan GT-R50 by Italdesign搭載 高性能パワートレーンの台上シミュレーション(1分11秒)