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写真で見る 「Nissan GT-R50 by Italdesign」(テストカー)

1億4530万5600円(為替レートによって変動あり)

世界限定50台

Nissan GT-R50 by Italdesignのテストカー。すでに欧州ではナンバープレートを取得している

 イタルデザインが2018年に、GT-Rが2019年に、それぞれ生誕50周年を迎えたことを記念して共同開発された「Nissan GT-R50 by Italdesign」のテストカーが、東京 銀座にある「NISSAN CROSSING」に3月31日まで展示中だ。

 イタルデザインがイタリアにあるデザイン会社であることから勘違いされやすいが、この「Nissan GT-R50 by Italdesign」をデザインしているのは日産で、“Ultimnte GT-R”(究極の GT-R)というテーマで、世界中の日産デザインチームからアイデアを募集し、カリフォルニアのデザインスタジオに所属するマーカス・クァ氏のデザインが最終的に選ばれたという。

マーカス・クァ氏の描いた究極のGT-R像がすべての起源となっている

 そしてイタルデザインもデザイン部門を持っているが、今回携わるのはクラフトマン(製造者)としてのみ。“カロッツェリア”と呼ばれる工房で、日産が用意したデザインをベースに、実現できるか所、難しいか所などを検討しながらプロトタイプの製作に入り、実に4か月近い時間をかけて完成させたという。

 当初はワンオフの記念車両の予定だったが、イタルデザインは50周年を祝うテーマにそって、世界50台の限定モデルとして実際に販売しようと日産へ提案。何度も両社で協議を重ねた結果、ついに市販化が決定致したという。

 今回展示されている「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、市販モデルと同じスペックで、街乗りからサーキット走行を含めたさまざまな耐久テストを行なってきたというテストカー。

トランクゲートもドライカーボン製
ボディ底面もドライカーボンパーツで極力フラットに仕上げられている
サイドステップにはロゴがあしらわれる
ドア自体もドライカーボン製となっている
市販車と同じ給油口をワイド化されたリアフェンダーに移設
サイドミラーはウィンカーも内蔵するタイプ

 ボディ外板のほとんどはドライカーボン製となり、鉄板を使用するのはCピラーからリアフェンダーにかけての部分のみ。また、Aピラーを54mmほどカットしてルーフが低くなっているため、フロントウィンドウとサイドウィンドウは専用品となり、市販GT-Rよりもかなりシャープなシルエットになっている。ボディサイズは4784×1992×1316mm(全長×全幅×全高)で、市販車よりも94mm長く、97mm幅広く、54mm低くなっている。

 また、プロトタイプにあった空力性能としてCピラー後端から走行風を採り入れ、テールランプ奥に用意されるダクトから空気を抜くというギミックもあったが、大きな効果がないと分かり廃止されている。日本で50%ほど完成させた状態でイタリアのイタルデザインへ移送し、そこから職人たちが1台1台手作業で仕上げていくという。すべてハンドメイドなので、外装のカラーや内装のステッチなども細かくオーダーが可能となっている。

V型6気筒 3.8リッターツインターボエンジンを搭載
フロントウインドウ側はボンネットピンにより固定されている
通常のボンネットのように開閉はできず、持ち上げて外す
ボンネットは大人2名で簡単に運べる重さ
フロントフェンダーもドライカーボン製
ボンネットもドライカーボン製で超軽量

 搭載される最高出力720PS/7100rpm、最大トルク780Nm/3600-5600rpmを発生するV型6気筒 3.8リッター「VR38DETT」エンジンは、横浜工場で「匠」と呼ばれる限られた熟練工により1体ごとに組み立てられるという。ヘッドライトとテールランプはGT-Rの面影を残しつつも、完全オリジナルのLEDタイプを採用。

ライトオフ
ライトオン
ハイビームオン
ウィンカー作動
ポジション
ウィンカー作動
ブレーキ作動。バンパー下部左右にはリフレクター(反射板)を装備
ルーフにはハイマウントストップランプ
ナンバープレート下にはバックフォグを装備
【Nissan GT-R50 by Italdesign】テストカー(13秒)

油圧式可変ウイングは580万960円

 固定タイプの標準ウイングとはデザインも大きさも異なる油圧式可変ウイング(Hydraulic wing)は、価格580万960円(為替レートによって変動あり)のオプション設定となる。ウイングの収納および可変操作は、シフトレバーの横にある専用スイッチで行なえるが、速度や荷重などによって自動的に可変する機構は設けられていない。また、エンジンを始動していないと格納や可変などの操作はできないようになっている。

展示車両は油圧式可変ウイングを搭載するモデル
格納状態
稼働状態
可変式リアウイングステー
ウイング操作スイッチはシフトゲート隣に配置
展示車両のタイヤはミシュラン「パイロット スポーツ 4S」(フロント:255/35R21、リア:285/30R21)、キャリパーはブレンボ製(フロント:6ピストン、リア:4ピストン)を装備。ホイールはOZレーシングのオリジナル。カーボンの部分は脱着できるカバーになっていて、カラーの変更オーダーも可能という

 内装もカーボンパネルとアルカンターラがふんだんに使用されているが、使うカラーやステッチなどは、注文時にオーダーすることが可能。

内装もドライカーボンとアルカンターラ
メーター類は市販車から変更は一切なし
特にイタルデザインの表示などはない
シフトゲートまわりも独自のカーボンパネルに
ペダルは市販品と同じ
オリジナルシートもカーボンバックバケットシート
BOSEスピーカー周辺のカラーや材質も変更可能
グローブボックス(閉)
グローブボックス(開)
スカッフプレートにもロゴが刻まれる
アームレストの小物入れにはシガーソケットとUSBポート、AUXポート
トランク内もアルカンターラを使用。形状は市販車とは大きく異なる
天井内張もアルカンターラを使用
スペシャルカラーパック(Special color pack)は385万円。車体ベースカラーとアクセントとなる2色のペイントカラーを選択できる
自動車メーカー各車両のボディーカラーなど、思い入れのあるカラーがあればカラーコードを調べてくれるという。また、カーボン地を見せる(残した)塗り分けペイントは、別途オプションで可能という
ビジブルカーボンパック(Visible carbon pack)は、GT-R50 by ITALDESIGNに使用されているカーボン製パーツのカーボン地をデザインの一部として、ペイントと組み合わせられるオプション。部品全体ではなく一部の区画を指定することが可能で、さらにDedicated Livery Packと合わせて選択することで、よりカーボン地とペイント部分の塗り分けに溶け込むパイピングやラインを織り交ぜたオリジナルデザインも実現可能。価格は580万960円(為替レートによって変動あり)
リヴァリーパック(Dedicated Livery Pack)は、選択したボディカラーペイントにイタルデザインによるオリジナルデザインのパイピングやラインを追加するオプション。希望のイメージを伝えるだけで、専任デザイナーが具体的なサンプルデザインを作成してくれる。往年の日産レーシングカーデザインを忠実に再現することも可能。価格は580万960円(為替レートによって変動あり)
Nissan GT-R50 by Italdesignの主な仕様

「Nissan GT-R50 by Italdesign」テストカー展示場所

期間:2021年3月31日まで
会場:NISSAN CROSSING
住所:東京都中央区銀座5-8-1
TEL:03-3573-0523
営業時間:10時~19時(1月8日から当面の間)