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KK線の再生に向けた「KK線リボーンセレモニー」に小池百合子東京都知事ら出席 今後は人がワクワクする拠点に
2025年4月18日 17:51
- 2025年4月18日 開催
東京都と東京高速道路は4月18日、4月5日20時で廃止となった東京高速道路(KK線)において「KK線リボーンセレモニー」を開催。KK線をクルマから人のための空間へ再生することに向けたセレモニーに、小池百合子東京都知事らが出席した。
同セレモニーであいさつをした小池都知事は、KK線について、「民間の活力によって自動車専用の道路を無料で一般に共用するという、日本で初めての画期的なビジネスモデルでして、そして1966年に開通をいたしまして以来、約60年の長期にわたりまして東京の成長、発展を支えてこられました」とKK線について紹介。
これから歩行者中心の公共的空間へと再生するプロジェクトを推進していくことについて、小池都知事は「さあ、これからKK線はクルマのための場所から、人がワクワクする場所に生まれ変わってまいります。まさに東京のまちづくりの象徴ということでございます。KK線の沿線には、有楽町、京橋、銀座、新橋の個性的な地域が繋がって、江戸から東京へと続く歴史の中で、町を支えてこられた皆さんがたくさんいらっしゃいます。東京都と東京高速道路は、これからも連携をいたしまして、KK線の再生に取り組んでまいります。東京に行ったら、まずKK線に行ってみようと国内外の皆さま方が考える、そしてまた世界から注目される最高の拠点といたしまして、みんなで盛り上げてまいりましょう」との意気込みが語られた。
セレモニー冒頭にあいさつをした東京高速道路 取締役社長 加藤浩氏は「この東京高速道路、KK線は、この今年4月5日20時をもって廃止となりました。66年間自動車道として働いてきたこの歴史に幕を閉じるという瞬間がついに来てしまいました。このKK線を廃止につきましては、昨年11月に、4月5日に廃止するということを皆さまにお知らせさせていただきました。その後、多くの皆さまから、利用者の方々、関係者の皆さまから廃止を惜しみ、そしてこのKK線に感謝する声というものをたくさん頂戴いたしました。私どもといたしましては、その多くのご利用いただいた皆さま、そして関係者の皆さまに感謝の言葉を申し上げる機会を作らせていただきたい。また、昭和の戦後復興期から平成、令和にわたって、66年間にわたってこの町を支えてきたKK線にその労をねぎらいたいという気持ちを込めましてこのセレモニーを設けさせていただきました」とセレモニー開催の狙いを話した。
KK線の歴史について、加藤氏は「私ども東京高速道路株式会社は、戦後の復興には自動車道が必要だという当時の財界人の有志23名の方により1951年に会社が設立され、その後、1959年には一部道路の供用が開始されまして、1966年には全線開通ということになりまして、それから66年間、この道路を無料で共用させていただいたという事業でございます。この道路が無料の理由といたしましては、この建設費、それから維持管理費といったものを、この下にある店舗の皆さんといった、そういった方々からの不動産賃貸収入によって賄わせていただいているという事業でございます。今で言えばPFIというような事業と言うことができるかと思いますけれども、当時としては非常に画期的なアイデアでこの事業が進められたいうところでございます」と紹介した。
KK線のこれからについて、加藤氏は「これから私どもは、この上部の空間を歩行者中心の公共的空間に、東京都さんのご支援をいただきながら進めていくということになります。この事業を進めるにあたって1番のポイントになるのは、古くなったものを壊すのではなく、再生して使っていくという、そして自動車道を歩行者道に変えていくという大きなところに、クルマから人へという流れの中で、今まで例のないこの事業に私どもとしては取り組んでいくということになります。また、この事業は非常に公共性の高い事業、多くの方が注目をされている事業ということで、ぜひ、この事業を進めるにあたっては、透明性の高いプロセスを持って進めていくことが1つ大切なことだと思っております。また、多くの専門家の方の知恵をいただきながら、より良いものを作っていく、また地元の方、そして多くの方のご意見をいただきながら、より良いもの、皆さまに愛されるものを作っていきたいというふうに考えてございます。そして、最終的には、世界から注目される観光拠点、これを目指して作っていきたいという風に考えております」と述べた。
また、東京高速道路 常務取締役 プロジェクト推進室長の花木万里子氏からは、今後、KK線を歩行者中心の公共的空間に再生する取組みを本格化するにあたり、プロジェクト名称「Roof Park Project」と、プロジェクトコンセプト「みんなでゆっくりつくる未来」が発表された。
KK線の再生に取組む「Roof Park Project」には、「都市スケールの既存インフラを再生し、新しい価値を提供すること」「民間と東京都の公民連携によって事業を推進すること」「計画・整備の段階から多様な人々と関わり、共創すること」「プロジェクトに関する発信や会話を常に行い『ゆっくりつくる』を実装する」といった特徴があり、クルマが走る速さから、人が歩く速さへ。 ヒューマンスケールで丁寧なまちづくりを行なっていくことを強調した。
東京都と東京高速道路ではセレモニーの開催に続いて、4月18日と19日に、KK線を緑に囲まれた歩行者中心の公共的空間として再生していく取組のスタートを祝うイベント「Roof Park Fes & Walk」を開催する。